男児ひき逃げ 無罪判決 「恣意的」ずさん捜査指摘-東京新聞(2014年12月10日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014121002000261.html
http://megalodon.jp/2014-1211-1038-13/www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014121002000261.html

さいたま市で昨年六月、当時九歳の男児をひき逃げしたとして、自動車運転過失傷害と道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われた埼玉県の男性(46)に、さいたま地裁が無罪(求刑懲役二年)の判決を言い渡していたことが十日、関係者への取材で分かった。判決は一日。

井下田(いげた)英樹裁判官は、「県警の捜査報告書に誤記載がある。犯人性を肯定するため証拠の評価を歪曲(わいきょく)し作り出したと批判されても仕方ない。恣意(しい)的な証拠収集がないか疑念を抱かせる」と指摘、捜査のずさんさを非難した。
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井下田裁判官は「男性は当時現場を通過した可能性があり、衝突をうかがわせる間接的痕跡はあるが、刑事裁判で求められる立証には届かず、犯人と認めるには疑いが残る」と結論づけた。

地検の片山巌(いわお)次席検事は「上級庁と協議の上、対応したい」とコメントした。弁護人の森川文人(ふみと)弁護士は「警察のとんでもない捜査が暴露された」と話した。