秘密法、運用基準閣議決定 監視機関も身内組織-東京新聞(2014年10月15日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014101502000134.html
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最も懸念されるのは拡大解釈だ。法律では特定秘密の対象を「防衛」「外交」「特定有害活動(スパイ防止)」「テロの防止」の四分野とした。運用基準でこれを五十五の細目に分けたが、「領域の保全のために政府が講ずる措置またはその方針」など、政府が幅広く解釈できる項目が並ぶ。運用基準で「必要最小限の情報に限る」と留意事項も加えたが、指定判断は政府に委ねられたままだ。

拡大解釈の歯止めになるべき監視機関も、身内の組織にすぎない。

菅義偉(すがよしひで)官房長官は十四日の記者会見で「厳格にチェックできる二重、三重の仕組みを設けた」と強調したが、内閣府の「独立公文書管理監」は審議官級で、秘密指定する閣僚より立場が弱い。内閣官房に各府省庁の次官級による「内閣保全監視委員会」がつくられるが、官僚機構に変わりない。

秘密指定の期間は原則三十年だが、一度指定されれば、政府の判断で永久に指定され続ける懸念もそのまま残った。

秘密を漏らした側には罰則があるのに、不当な秘密指定への罰則がない問題も改善されていない。運用基準を了承した自民党総務会では「米国の秘密制度では『非効率性の助長』などに当たる秘密指定をした場合、行政側に罰則規定があるが、秘密保護法にないのはおかしい」との疑問が出たが反映されなかった。