「九条の会」と共鳴ダメ 調布市が後援拒否-東京新聞(2014年10月4日)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2014100490070600.html
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東京都調布市民らでつくる「調布九条の会憲法ひろば』」が来年一月に開く創立十周年記念イベントについて、調布市が後援しないことを決定した。憲法ひろばの会則が、「『改憲』のくわだてを阻むため…」などと宣言した文化人らの平和団体九条の会」のアピール文に、連帯の姿勢を示している点を問題視。「政治的活動に当たり後援規定に反する」と判断した。

決定は九月二十五日付。会場の市施設は利用できる。市民団体などが主催する憲法関連のイベントの後援を、自治体が拒否する例が他にも相次いでいるが、「九条の会」事務局長を務める小森陽一東大教授は「当会のアピールを理由にしたケースは初めて聞いた」と言い、「こういう発想が会場の使用拒否につながったり、他の自治体に広がったりしなければいいが」と心配する。憲法ひろばの会則は八項目あり、会の目的を定めた第二項は「『九条の会』の『よびかけ』(アピール)に応え、日本国憲法を守り、生かし、世界に向けて発信していく(略)」としている。会則は九条の会アピールの文面を引用していないが市はアピール文の内容を詳細に検討した。

九条の会は二〇〇四年六月に設立され作家の故・井上ひさしさんら呼び掛け人九人の連名で、九条を守る決意を訴えた。設立時に発表されたアピールは「日本国憲法を守るという一点で手をつなぎ、『改憲』のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、いますぐ始めることを訴えます」と宣言している。

市文化振興課の仁藤美保課長は本紙の取材に、「『改憲のくわだてを阻むため』との文言が、(後援などの取り扱いに関する)要綱で定める審査基準の『特定の政党を支持し、もしくはこれに反するための政治活動』に当たるので、不承認とした」と説明。「議論のあることについて、後援すると市の中立の立場が損なわれる場合、承認しないことはある」と話す。