平和・自立・調和の日本をつくるために-(ブログ)森田実の言わねばならぬ(2014年9月3日)

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私(森田実)の最近の言論(とくに『第三文明』9月号の山口那津男公明党代表と私との対談における森田の発言)に対する疑問や否定的コメントがすくなくないことを心配した古い友人のA君が私に手紙をくれました。
友人のA君も含めて多くの人が、7月1日の安倍内閣の安全保障法制の整備についての閣議決定を「集団的自衛権の行使を容認した」と解釈しています。
そして「この閣議決定に賛成した公明党は『平和の党』ではなくなった。さらに、公明党を支持した森田は平和主義に反している」と思っている人が多いと考えて私に忠告してくれたのです。


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7月1日の閣議決定の全文を報道した『朝日新聞』(7月2日朝刊5面)の見出しは「集団的自衛権の行使を容認する閣議決定(全文)」と、わざわざ囲みをつけて「全文」を報道しました。これを見れば、読者は、7月1日の閣議決定のタイトルがこれだと思うでしょう。しかし、これは朝日新聞社の編集者が勝手に付けたものなのです。



閣議決定のタイトルは次のようになっています。
「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について 2014年7月1日 国家安全保障会議決定 閣議決定」です。

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7月1日の「安全保障法制の整備について」の閣議決定とはいったい何だったのでしょうか。これは、閣議決定の最初のフレーズに明記されています。引用します。
《我が国は、戦後一貫して日本国憲法の下で平和国家として歩んできた。専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはならず、非核三原則を守るとの基本方針を堅持しつつ、国民の営々とした努力により経済大国として栄え、安定して豊かな国民生活を築いてきた。また、我が国は、平和国家としての立場から、国際連合憲章を遵守しながら、国際社会や国際連合を始めとする国際機関と連携し、それらの活動に積極的に寄与している。こうした我が国の平和国家としての歩みは、国際社会において高い評価と尊敬を勝ち得てきており、これをより確固たるものにしなければならない。》(2014年7月1日の「閣議決定」の最初の文章)
 「集団的自衛権容認」論者は、専守防衛の基本方針を変更することを主張していました。しかし、7月1日の閣議決定により、専守防衛日本国憲法を守る方針は維持されることになりました。安倍首相ブレーンの集まりだった安保法制懇は敗北して去りました。公明党の平和の論理が勝利した結果、安保法制懇は消えたのです。「限定」の意味はきわめて大きいものなのです。くどくど説明する必要はないと思います。朝日新聞社は過ちを犯したのです。反省すべきでしょう。

集団的自衛権(佐藤優さん)-くにまるジャパン_文化放送(2014年10月3日放送)
3分19秒から

参考)

第三文明 2014年 9月号(2014年8月1日発売)
【特別対談】結党50周年へさらなる前進 
公明党がリードする平和国家への道
森田実(評論家)/山口那津男(公明党代表参議院議員)