子ども貧困大綱 改善の数値目標を示せ-東京新聞(2014年9月1日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014090102000174.html
http://megalodon.jp/2014-0901-0928-31/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2014090102000174.html

政府は、貧困率のデータには、資産などが勘案されておらず、実態を反映していない、などの理由で数値目標の導入を見送った。児童扶養手当や給付型奨学金の拡充は財源確保の問題に加え、「施策の効果をよく検討しなければいけない」として退けた。

経済的に苦しい家庭の子どもに給食費や学用品代を補助する「就学援助」は、生活保護が引き下げられたことに連動し、一四年度、七十余の自治体が支給対象の所得基準を下げた。子どもの貧困対策に逆行している。

「私が死んで保険金でももらった方が、子どもはお金の心配をすることなく大学に行ける」。民間支援団体のアンケートに、栃木県に住む四十代シングルマザーはつづった。

英国では、一九九九年、当時のブレア首相が、子どもの貧困撲滅を打ち出した。数値目標を掲げて、多くの施策を打った結果、貧困率の削減に成功した。
日本の政府は熱意に欠ける。政治主導で最優先に取り組むべき課題だ。