保護観察 少年らに義務付け 社会貢献 最大5日-東京新聞(2014年8月16日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014081602000234.html
http://megalodon.jp/2014-0817-1055-21/www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014081602000234.html

◆受け皿探し 難しく

来年六月をめどに導入される保護観察中の社会貢献活動。全国の保護観察所は市民団体などに依頼し、さまざまな形で試行を始めているが、受け皿探しの難しさが課題となっている。

仙台市若林区の荒浜地区では、保護観察中の少年らがボランティア団体と一緒に東日本大震災で出たがれきを撤去したり、側溝の泥をかき出したりしている。二〇一二年に始め、既に十三回を数えた。

群馬県高崎市の保育園では一二年九月から、園児と歌を歌ったり、貼り絵を作ったりして交流。ほかにも障害児施設の遊具磨き(岐阜)や高齢者施設での絵本の朗読(静岡)、駅の清掃(青森、愛媛)など活動は幅広い。

法務省は活動の場を提供してもらおうと市民団体や企業に働き掛けているが、ある保護観察所の担当者は「受け入れ側が万が一何か起きないかという不安を持ち、断られることも多い」と打ち明ける。

一方、参加した少年らからは「人の役に立てた」「相手から笑顔をもらえてうれしかった」といった声が寄せられているという。

法務省保護局の担当者は「誰からも必要とされていないと感じて非行に走った少年たちも、社会から必要とされれば立ち直るきっかけになる」と力を込め、「とにかく受け入れ先の確保を急ぎたい」と話している。

<保護観察> 罪を犯した人や非行少年を社会の中で更生させて再犯を防止するため、国が一時的に監督し社会復帰を支援する制度。
(1)家裁で保護観察処分を受けた少年
(2)少年院の仮退院者
(3)刑務所の仮釈放者
(4)保護観察付き執行猶予判決を受けた人−などが対象。
保護観察官と民間ボランティアの保護司が定期的に面接して生活指導や就職の手伝いをする。対象者に合わせて「過度の飲酒の禁止」「覚せい剤をやめるためのプログラム受講」などの特別順守事項を定めることができる。