集団的自衛権と米国の濡れ衣戦争-田中宇の国際ニュース解説(2014年7月3日)

http://tanakanews.com/140703japan.htm
http://megalodon.jp/2014-0706-1649-43/tanakanews.com/140703japan.htm

日本はこれまで「うちは例の憲法がありますから」と言って関与を最小限にしてきたが、米国はその戦法を許さなくなっている。

イラクとアフガンの失敗以来、米国は外国への侵攻を嫌がっている。当面、米国は海外派兵をしないだろう。しかし長期的に見て、日本が対米従属できる状況が続く限り、つまり米国が覇権国である状態が続く限り、また米国が侵攻をする可能性があり、その場合、開戦事由に不可避的に濡れ衣や誇張が含まれる。

もう一つ興味深いことは、日本の軍拡を受けて、米国で、安倍の日本が米国を引っぱり込んで中国と戦争させるのでないかという懸念が出ていることだ。そもそも日本に尖閣諸島を国有化することを扇動して日中対決を煽ったのは米国側(ヘリテージ財団)なので、米国側の懸念はマッチポンプくさいが、日本の官僚機構が、米国に捨てられて対米従属をやめねばならないぐらいなら、中国と戦争して米国を引っぱり込んだ方がましだという「日本版サムソン・オプション」を隠し持っていても不思議ではない。