田原総一朗×郷原信郎【第3回】作り上げたストーリーを貫き通すために暴走する検察と司法記者たち - 現代ビジネス(2014年5月19日)

(WOWOW連続ドラマW「トクソウ」放送記念対談)

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郷原: たとえば大阪で起きた村木厚子さんの冤罪事件の問題ですが、大阪地検特捜部では、当初の仮説が崩れそうになったのにそれを崩されないようにしようと思った主任検事が証拠まで改竄したわけで、そこがいちばんの問題だったんですね。東京の特捜でもこれまで散々問題になってきたのは、一旦作り上げたストーリーに沿う調書を取るために無理な取り調べをやるということなんです。
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郷原: だから全然事実と違っていても最終的に署名をしてしまうんです。しかし、それは記憶を刷り込まれたからじゃなくて、署名をせざるを得ないところまで追い込まれるから、結果として調書が出来上がってしまうというだけのことなんです。

ですから公判で証人に呼ばれるとひっくり返すわけですね。「いや、そんなのは事実じゃないです」と。しかし、刑事訴訟法321条の1項2号で、承認が検事調書と相反する供述をした場合に検事調書を証拠にできるという日本の刑事訴訟法の規定があって、それで結局調書によってその事実が認定されていくというのが日本の調書裁判の問題なんです。