【PC遠隔操作事件】コンピュータ・フォレンジクスでHDDを徹底”解剖”する(第4回公判メモ2)(江川 紹子さん) - Y!ニュース(2014年3月23日)

http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20140323-00033814/

【江川コメント:検察は情報をもっとオープンに】

IT技術には最も精通していないと思われる裁判所が、それをいかに評価するのか、という問題もある。「可能性が高い」という評価を伴う証言を、どう受け止めたらいいのか、裁判所には把握できるだろうか。

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だからこそ、捜査に協力し、検察側証人となった人には、できるだけ情報をオープンにし、反対尋問に対しても、鑑定にいたる経緯、その方法などを詳しく、分かりやすく証言してもらいたい、と思う。ところが関証人は、検察側主尋問においては鑑定書の概要は分かりやすく証言をしたものの、弁護側反対尋問になると、「記憶にない」などで証言をしない場面が多かった。
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専門家による「鑑定書」として提出する証拠であれば、少なくとも鑑定者の氏名と立場、鑑定資料のリストくらいは正しくつけておくべきではないのか。書面の体裁などについては、検察庁と打ち合わせのうえで作成しているだろうから、このように検証の材料をできるだけ出さないという形になったのは、検察側の意向なのだろう。

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弁護側はもう1通の鑑定書については開示を求めたものの、鑑定のメンバーや鑑定資料について、さほど問題にしていないようだ。それがなぜなのか、私にはよく分からない。弁護側は、公判後の記者会見で「検察側の立証は成功しているとは言えない」と明るい顔で語った。果たしてそうなのか…。楽観的にも見える弁護側の自信に満ちた対応には、いささか戸惑う。