【PC遠隔操作事件】初公判で被告人冒頭陳述を聞く(江川 紹子さん) - Y!ニュース(2014年2月13日)

http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20140213-00032616/

取り調べをしなかったツケが…
それにしても、と思う。こういう作業は、本来、捜査段階で行うべきものではないのか。
本件では、捜査のかなり早い段階で、捜査機関の調書の作成の仕方に不信感を抱いた弁護人が、取り調べの録音録画を要求。それが実現すれば、黙秘権を行使せずに供述すると公言し、やらなければ取り調べを拒否する意向を表明していた。検察官に対しては、録音だけも行えば、取り調べに協力する旨を伝えた。
ところが、警察も検察も、その要望を拒否。そして、録音録画をした取り調べを行うより、取り調べを行わない道を選んだ。そのために、事実に関する片山氏の供述を全くとれずに終わった。彼の言い分と、客観的事実とをすりあわせ、それに矛盾があるのか、それとも説明は妥当なのかという検証を、捜査機関はまったくしなかった。その機会を放棄したのだ。そのため、検察は捜査段階で行えていたはずの証拠の吟味を、十分に行えないまま、公判に臨むことになってしまったのだろう。

人質司法」をどうするのか
弁護側は、検察側が申請した証拠をすべて同意し、採用された。もはや、検察側が言い続ける「罪証隠滅の恐れ」はなくなったと言えるし、これだけ大々的に報じられた彼には「逃亡の恐れ」もないのではないか。
裁判が始まったばかりなのに、確定受刑者以上の罰を受けている。これは、彼1人の問題ではない。否認していると身柄拘束が長期化することが様々な弊害をもたらしている「人質司法」と呼ばれる状況について、裁判所がどう対応するのかが、問われている。