秘密保護法 言わねばならないこと(14)歴史家、検証できぬ 作家 半藤一利氏-東京新聞(2014年2月12日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/iwaneba/list/CK2014021202000122.html
http://megalodon.jp/2014-0212-1031-03/www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/iwaneba/list/CK2014021202000122.html

安倍晋三首相は防衛問題に妙なこだわりがあるようだが、それが次から次へと変な法律を生んでいくのでは、と思う。首相は「言論の自由や知る権利を侵すものではない」と言うが、政権が代わった後もそうであるという保証はない。しかも、戦時中に出たさまざまな法律も、当時の政府は議会答弁で同じようなことを言っていた。

秘密保護法の本質は「お上が決めた情報だけを報じればいい」だ。戦前も一朝一夕のうちに戦争へ進んだわけではない。しかし、新聞は政府が認めた情報しか伝えなかった。多くの国民にとっては、いつの間にか米英との戦争へ突入していった。