秘密保護法 言わねばならないこと(9)医療不信生む恐れ 医師 青木 正美氏-東京新聞(2014年1月14日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/iwaneba/list/CK2014011402000118.html
http://megalodon.jp/2014-0114-1000-30/www.tokyo-np.co.jp/article/feature/himitsuhogo/iwaneba/list/CK2014011402000118.html

十九年前に阪神大震災が起きた。私は被災地でボランティアをしたことを機に、災害復興学を研究している。東京電力福島第一原発事故は、私にとって想定外の現実を生んでいる。福島のあちこちで医師と患者の信頼関係が崩れている。

原因をたどると、放射能の被ばくを恐れている患者や子どもを持つ母親らが「正しい情報が明らかにされてない」と感じていた。政府が事故直後、放射能に関する情報を出さなかったことが、目の前の医師を「自分の命を守ってくれる人ではない」と本能的に感じさせてしまっている。秘密保護法は国民の医療不信すら招きかねない。