共謀罪/なぜ制定にこだわるのか-神戸新聞NEXT(2013年12月15日)

http://www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201312/0006572871.shtml
http://megalodon.jp/2013-1218-1021-17/www.kobe-np.co.jp/column/shasetsu/201312/0006572871.shtml

日本の刑事法は原則として、実際に行われた犯罪を処罰対象とする。殺人や強盗などの重大犯罪では準備行為や未遂なども罰するが、あくまでも一部の罪に限られる。

共謀罪はそうではない。犯罪が実行されず、準備行為もなされない段階で人を処罰する。2人以上で話し合うだけで罪が成立する。

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薬物、銃器を取り締まる法律や殺人罪などの重大犯罪には予備罪や準備罪などが既に設けられている。犯行に直接加わらない犯罪組織の幹部を「共謀共同正犯」として処罰した判例もあり、法学者は今の法律でも十分に対応できるとする。

そうした議論も煮詰まらないまま、安倍政権は先取りする形で特定秘密保護法共謀罪の条項を盛り込んだ。政府が指定した特定秘密を入手しようと相談しただけで、犯罪として処罰されかねない。

政府内では「政権の勢いがあるうちに成立させたい」との声があるようだ。秘密保護法の強行可決に続けて反対を数で押し切るつもりなら、おごりと言うしかない。