http://www.tokyo-np.co.jp/article/feature/kenpouto/list/CK2013092402000125.html
http://megalodon.jp/2013-0924-1119-45/www.tokyo-np.co.jp/article/feature/kenpouto/list/CK2013092402000125.html
原発は 田んぼも畑も海も
人の住むところも
ぜーんぶかっぱらったんだ
一万円なんと いらねえわ
そのかわり“3・11”前の福島さ 戻してくいろ
私たちの神隠しはきょうかもしれない
うしろで子どもの声がした気がする
ふりむいてもだれもいない
なにかが背筋をぞくっと襲う
詩の作者は青田恵子(63)。夫の勝彦(71)とともに東京電力福島第一原発から三十キロ圏内の福島県南相馬市原町区から滋賀県の大津市に避難している。
国民ハ健康ニシテ文化的水準ノ生活ヲ営ム権利ヲ有ス
恵子や若松の自宅より、さらに原発に近い小高(おだか)町(現南相馬市小高区)で生まれた憲法学者の鈴木安蔵(一九〇四〜八三)は終戦直後、憲法研究会の仲間とつくった「憲法草案要綱」の中に記した。要綱は連合国軍総司令部(GHQ)が日本国憲法の草案をつくる際、参考にし、詳細な検討が加えられたとされる。
若松は「小高は昔から農民運動や自由民権運動が盛んな場所」と話し、現行憲法には小高の血が通っていると思っている。これを「米国の押しつけ」と言って変えようとすることにも、原発は「平和利用だから安全」としてきたことにも、共通する権力者側の「ごまかし」を感じる。