「参議院選挙比例」と「衆議院比例」の制度の違いとは-保坂のぶとのどこどこ日記(2010年3月15日)

http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/bb5b8f631368e70cf87cd0a823a016c0

比例区がややっこしい。「非拘束名簿方式比例代表制と呼ぶこの制度は、2001年から導入された。野党の反対を押し切って強行採決で導入したのは当時の自民党だが、それまでの「拘束名簿方式比例代表制」が個人名投票を禁じていたのに対して、個人名投票を可能とした。

.....

どうやって当選者を決めるのか。ここが、非拘束名簿方式の特徴だ。たとえば社民党が「政党名投票280万票」「個人名投票120万票」だとすると、一度は「個人名投票120万票」を政党票の中に組み入れて集計する。従って、「社民党280万票」+「個人票120万票」=400万票ということになる。この400万票をドント方式で振り分けると、「3議席」となる。こうして、まず政党名+個人名=政党票と解釈する。(ここが制度設計のもっとも分かりにいくポイントだ) そして、この「3議席」の当選者は個人票の多い候補から順番に3番目の人までが対象となる。「政党として届出をした候補者同士が個人票を競い当選者が決まる」制度だ。

.....

衆議院比例区と違って、個人名を書いてもらえるという点が「候補者個人の実力・知名度」を発揮できるかに見えるが、実は「組織力」が勝負の鍵を握る。各政党でも、全国的な支援組織を持たずに「実力・知名度」だけで当選してくる候補は、実はほんのわずかである。

.....

有権者には似て非なる「比例代表」の投票方法が衆議院参議院で存在することで、「ゴチゴチャしているから政党名で投票すりゃ間違いないでしょ」と、それ以上は考えないという人も出てくる。総務省のホームページにアクセスしても、2001年参議院選比例代表制(非拘束名簿方式)導入当時のデータしかない。民主主義の土台である国政選挙の投票・選出の仕組みについて十分な宣伝や資料が提供されていないのは、大きな問題だ。