吉田松陰とPC遠隔操作事件〜取り調べの可視化を巡って-江川 紹子さん(2013年2月25日)

http://bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/20130225-00023629/
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例えば、このほど逮捕されたPC遠隔操作事件の容疑者。記憶媒体が取り付けられた首輪をつけられた猫がいた神奈川・江ノ島での監視カメラの映像など、間接的な証拠は複数あるようだが、本人は否認をしている。
この事件では、四人も誤認逮捕し二人に虚偽の自白までさせていたことで、捜査のあり方に批判が集中し、警察は謝罪や検証に負われた。しかも「真犯人」は報道機関に送ったメールの中で、警察をあざ笑うような言葉を書き連ねた。
そういう事件だけに、容疑者の供述調書が作成された場合、警察の取り調べの適正さが裁判で重大な争点になる可能性がある。警察・検察は、こうした事件こそ、自ら積極的に可視化して信頼回復をすべきだろう。
ところが、弁護人が警察・検察に強く取り調べの録音・録画を求めたのに、捜査当局はまったくその気がないようだ。警察・検察の「裁量」に任せるというのは、こういうことだ。いくら弁護人が求めても、社会の中に必要性を感じている人がたくさんいても、警察や検察にとって必要でなければ実現しない。そんなことが通る制度を作ってもどうしようもないのではないか。