PC遠隔操作事件:拭いきれない疑問、県警の結論は「誘導なし」-神奈川新聞(2012年12月15日)

http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1212150006/
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報告書によると、上申書は7月4日午後、作成された。少年は容疑を認め、脅迫文の内容や小学校を選んだ方法、ハンドルネーム「鬼殺銃蔵」と由来を記載。少年は漢字を正確に書いたという。

誤認逮捕発覚後の10月、少年は県警の再聴取に対し、「ハンドルネームなどは事前に取調官に見せられたので知っていた」と説明。これに対し、取調官はハンドルネームについての供述を得るために「『鬼殺銃蔵』とはどういう意味なんだ」と口頭で尋ねたと回答。資料などは見せていないという。県警は「より慎重に質問すべきだった」としたが、少年が漢字を正確に書いた理由は不明という。

取り調べ時の会話にも食い違いが多い。「否認をしていたら検察官送致されて、このままだと(少年)院に入ることになるぞ」。「無罪を証明してみろ」。少年は再聴取で取調官に言われた内容を説明。一方、取調官は県警の事情聴取に「今後の刑事手続きについて説明した」とし、「否認をしていたら〜少年院に入るぞ」という発言を否定した。また無罪の証明について、取調官は「今まで聞いても、『やっていない。覚えていない。忘れました』と答えるだけで、『こういう理由で自分がやったのではない』という説明をしたらどうか」と問いただした」と説明したという。

県警は「少年院に入ってしまう不安を助長させた恐れがある」「無実の少年を殊更に困惑させた可能性があり、不適正な取り調べにつながる恐れのある行為に該当する」とした。

 県警は取調官をこれまでに計11回、事情聴取。少年に対する再聴取は10月15、17、20日、両親らの立ち会いの下に行ったが、その後は直接、接触できていないという。