誤認逮捕の教訓:前時代的な刑事司法制度を根本から改めよ-ニュース・コメンタリー (2012年10月27日)

http://www.videonews.com/news-commentary/0001_3/002570.php

それらはいずれも副次的な問題だ。今回の事件では、理由が何であろうと、どのような背景があろうと、実際には無実の人間が逮捕され、20日以上も勾留された上に、うち2人は犯行を自白し、動機まで詳細に供述している。

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裁判官による安易な逮捕令状や勾留令状の交付、その結果認められる22日間の勾留と、その間、警察署内の代用監獄の劣悪な環境の下に留め置かれ、記録(可視化)されていない密室の取調室で弁護士の立ち会いも許されず、毎日続けられる捜査官による苛酷な取り調べとその中で繰り返される締め上げや誘導尋問など違法捜査の数々、被疑者段階でも一方的な捜査情報のリークを事実関係の確認もなく報道してしまうマスメディア、長期勾留下で極度に精神的に追い詰められた上での自白でも、自白調書に署名があればほとんど無条件で有罪判決を出してしまう裁判所等々。問題点をあげはじめれば枚挙に暇がない、このような欠陥だらけの刑事司法制度の下では、誤認逮捕や冤罪が起きない方がおかしいといって過言ではないだろう。それほど現在の日本の刑事司法制度は、透明度という意味においても、人権という意味においても、先進国として恥ずかしいレベルにある。