筆洗-東京新聞(2011年4月7日)

地震が起きた場合、原発が暴走する危険性を指摘するなど、原発問題と真摯に向き合っている記者は本紙にもいた。残念ながらその警告は大きな流れにはならず、大半の記者は目の前の事象を追うのに精いっぱいで原発の危険性に大きな関心を寄せなかった。


高レベル放射能に汚染された大量の水が海に排出され、漁業への被害も深刻化している。暴走する福島第一原発は解決の道筋が描けない迷宮に入り込んでしまったかのようだ。


マスメディアとして、原発の「安全神話」をつくることに加担した責任を自らの手で問い直さなくてはならない。新聞の再生はそこから始まるのだと思う。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2011040702000024.html
http://megalodon.jp/2011-0407-0856-05/www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2011040702000024.html