ビデオニュース・ドットコム インタビューズ (2009年04月18日)

少年を殺人者のままにしておくことはできなかった
http://www.videonews.com/interviews/001999/000964.php

秘密漏示罪で有罪判決を受けた「僕パパ」鑑定医・崎濱盛三氏インタビュー(48分)

高野嘉雄弁護士(34分)

報告・神保哲生さん

京都(4月16日) − 少年調書をジャーナリストに漏らしたとして、秘密漏示罪で有罪判決を受けた医師の崎濱盛三氏が判決から一夜明けた4月16日、ビデオニュース・ドットコムのインタビューに応じ、情報を漏らした理由を「少年を殺人者にしておくわけにはいかなかったから」と語った。

 崎濱氏は鑑定の結果、少年が広汎性発達障害であることを確信したが、裁判が少年審判だったためにその内容は非公開とされ、報道などで少年が殺人者として扱われていることに、やるせない気持ちを抱いていたという。
 そうした中、少年鑑別所法務教官の経験を持ち、ジャーナリストとしても少年犯罪問題を積極的に取材していた草薙氏から情報提供を求められ、少年が人を殺すつもりはなかったことを世の中に知らせるために、情報を見せたと崎濱氏は語る。

(中略)

 崎濱氏の代理人の高野嘉雄弁護士は、この判決について、「もともと鑑定人に守秘義務を課していない現行の法律に不備があったことが問題だった」と指摘した上で、「それを取り繕うために、医師の守秘義務を持ち出してきて、秘密漏示罪に問うのは実に不当な判決」と、不満をあらわにする。高野弁護士はまた、「裁判所は広汎性発達障害を理解していない。崎濱先生は、その誤解を正すためにはこの方法しかないと考えてやった。それを逮捕までして罪に問うのは行き過ぎ」と語った。