弁護士 落合洋司 (東京弁護士会) の 「日々是好日」

今日のサンデープロジェクトテレビ朝日系)の特集
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20090419#1240111586

先ほど、放映されていたのを見ましたが、福井で発生した殺人事件(再審申立中とのこと)、有名な草加事件について、検察官による証拠開示が極めて不十分であったために真相解明が阻害されたのではないかという観点で構成されていて、なかなか見応えがありました。

特集で紹介されていたように、草加事件では、犯人とされた少年達の中には存在しない血液型の者が犯行に関与した可能性が非常に高く、家裁送致前の捜査の中でその事実が判明していた以上(それは特集中でも紹介されていました)、少なくとも、勾留満期の時点で事件を身柄付きで家裁に送致すべきではなく、身柄は一旦釈放した上で、その点に関する捜査を尽くして事件の取り扱いを決めるべきであったと言えると思います。捜査の結果が嫌疑不十分であれば、家裁に送致せずそこで不起訴処分にして刑事事件は終わらせるべきであり(嫌疑不十分、嫌疑なしについては不起訴処分として家裁には送致しないのが実務です)、その点の解明を怠ったまま、漫然と身柄付きで家裁送致したというのは、検察庁の重大な過誤であり、そういった過誤をきちんと総括しないまま、捜査に携わった元検事が取材を拒否してお茶らけたバラエティー番組などに出ているのであれば、その姿勢を批判されてもやむを得ないでしょう。