辺野古県民投票 与党「3択」容認の裏側 デニー知事が説得「責任取る」 県が水面下で環境整備 - 琉球新報(2019年1月24日)

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辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票の全市町村実施を巡り、県議会与党3会派が選択肢を3択にする修正を認めることで一致した。県議会の全会一致による条例改正に向け、与野党がそろって協議に着く流れへと急展開した。玉城デニー知事が与党県議の説得に動き、3択への条例改正について「自分が責任を取る」と全県民の投票参加に懸ける強い決意を伝えた。謝花喜一郎副知事も投票事務を拒否する5市長に、県議会が全会一致になる場合には前向きに対応するとの意向を確認するなど、県主導による環境整備が水面下で進んだ。
県議会では23日午後2時すぎ、社民・社大・結、共産、会派おきなわの3会派の代表者がそろって議長室に入り、「賛成・反対・どちらでもない」の3択について「全会一致の方向が認められるのであれば柔軟に対応したい。協議のテーブルに着く」という県政与党の統一見解を新里米吉議長に伝えた。これを受けて新里議長は急ぎ自民や維新の会と連絡を取り、24日午前に会派代表者会議を開催することにこぎつけた。
電話作戦
公明会派の提案を受けて新里議長が呼び掛けた全会一致による条例改正は、29日の臨時会招集に間に合わせるために、24日までに与野党で合意することが必要という想定だった。しかし与党2会派に条例改正への反対が根強いことで調整は入り口で暗礁に乗り上げた。22日夜の社・社・結、会派おきなわの緊急会合でも3択への反発が収まらなかったことで、野党との協議に入る手前で時間切れを迎えるという見方が強まった。
イムリミットを目前に与党3会派が電撃的に条例改正で足並みをそろえた背景には、与党議員へ個別の説得に乗り出した知事の水面下の行動があった。23日午前、与党幹部の一人は玉城知事から電話を受け「私が責任を取るからやらせてほしい」と要請を受け、拒むことはできなかった。
与党が条例改正を検討するための条件としていた、5市長が投票実施に応じることの「担保」については、謝花副知事が23日までに5市長に電話で意向を確認していた。市長から「汗をかいているのは評価したい」などの回答を得たことが与党にも伝えられた。選択肢を広げていく動きは5市長とも歓迎しているとの答えを与党が確認し、3択容認へ翻意する材料となっ
「仕切り直し」
条例改正で与党が一致したとはいえ、直前まで2択を譲らなかった県議の間には「外堀を埋められた。民意を明確にすると2択を求めてきた人たちのモチベーションに影響することが心配だ」との不満もくすぶる。その上で「『賛成・反対・どちらでもない』を譲る余地は全くない。自民がこれ以上注文を付けてきたら、その時点で協議は決裂だ」と野党の出方に警戒感を隠さなかった。
自民党県連は22日に声明を発表し、条例と実施日の「仕切り直し」を求めた。与党内には、自民が3択以上の譲歩を求めてくることや県民投票の混乱を狙った政略だという見方が広がり、条例の改正議論を持ち出すことに警戒感を強めることなった。
全会一致に向け今後、焦点となる自民との合意に対し県幹部は「公明が提案して議長があっせんした。知事が動いて与党がまとまったわけだから、公明も責任を持って自民を説得する必要がある」と、自民の友党としての公明にもくぎを刺す。公明県本幹部は「自民党の『俺らを忘れるな』というアピールであり問題はない。全市町村実施は必ず実現する」と強調した。 (与那嶺松一郎、山口哲人)

韓国、前最高裁長官を逮捕 元徴用工訴訟に絡む職権乱用などの容疑 - 毎日新聞(2019年1月24日)

https://mainichi.jp/articles/20190124/k00/00m/030/037000c
http://archive.today/2019.01.24-010534/https://mainichi.jp/articles/20190124/k00/00m/030/037000c

韓国最高裁朴槿恵前政権と癒着し、2審で日本企業に賠償を命じた元徴用工訴訟の上告審で確定判決を出すのを遅らせたり、2審の破棄を促したりした事件で、ソウル中央地検は24日未明、職権乱用容疑などで前最高裁長官、梁承泰容疑者(70)を逮捕した。
韓国で最高裁長官経験者の逮捕は初。司法機関トップが三権分立を犯して政権の意向に沿う訴訟介入を図った疑いが濃くなった。工作は日韓関係悪化を憂慮する朴前政権の意向で行われたとされ、別の収賄罪で収監中の朴前大統領にも捜査が及ぶ可能性が高い。(共同)

岡口裁判官「裁判所は政治力がないので、内部の人間を抑えつける」 懲戒の背景を考察 - 弁護士ドットコムニュース(2019年1月23日)

https://www.bengo4.com/internet/n_9134/

ツイッターの投稿をめぐり、最高裁が東京高裁の岡口基一裁判官に戒告の懲戒処分を下してから3カ月が経過した。

今回処分の対象になったのは、放置された犬を保護した人物に対し、飼い主が返還を求めた裁判の控訴審を報じた記事について、岡口裁判官が記事のURLとともに、「え?あなた?この犬を捨てたんでしょ 3ヶ月も放置しておきながら・・」などとツイッターに投稿したためだ。東京高裁は昨年7月、当事者の感情を傷つけたとして、懲戒を申し立てた。

これを受け、最高裁が昨年10月、「表面的かつ一方的な情報や理解のみに基づき予断をもって判断をするのではないかという疑念を国民に与えた」「当該原告の感情を傷つけるものであり、裁判官に対する国民の信頼を損ね、また裁判の公正を疑わせるものでもあるといわざるを得ない」と判断し、戒告を決定した。

法曹関係者からは、「裁判官をやめてしまうのではないか」などの声もあがっているが、岡口裁判官は懲戒処分について、いま何を思うのか。弁護士ドットコムニュース編集部では1月8日、2時間半にわたるロングインタビューを実施した。前編にあたるこの記事では、懲戒処分や裁判所の内情について、岡口裁判官の見解を紹介したい。(編集部・池田宏之)

●戒告処分から3カ月「仕事への影響は特にない」

ーー戒告処分から3カ月が経過して、仕事への影響はありますか。

特にありません。当局的にもこれ以上追い詰めないほうが良いという配慮を感じるくらいです。 応援してくれる修習同期はいますね。講演会を企画してくれるような話もあります。手紙をくれる裁判官や書記官もいますし、法律関係の雑誌も処分の決定についての特集を組んでくれるようです。そういった動きがあること自体はありがたいです。

ーー改めて戒告処分についての受け止めを教えてください。

裁判官訴追委員会(裁判官を弾劾するにあたり、裁判官を裁判官弾劾裁判所に訴えるために国会に設置される機関。訴追委員は衆参両議員で構成)メンバーの野党議員の中から、私の言動を問題視する動きがあって、裁判所はなんとしてもかわしたかったんでしょう。 (処分前には)議員から、「あんなにたくさんツイートすると裁判官が暇だと思われるのではないか」と聞かれて、最高裁人事局長が「裁判官にも自由があって、規制はできない」と真面目に答えるような場面があったんです。どこかで処分するタイミングを狙っていたのではないかと感じています。

ーーそういうものなのですか。

(1998年に政治活動を問題視されて戒告処分となった)寺西和史裁判官も同じような感じでした。朝日新聞への投書などをしていて、当局的には「どこかでやらないと」と狙っていたら、寺西裁判官は政治的な集会に出て、意見を表明しました。これを裁判所がとらえて、戒告となりました。

明治大学の)西川伸一教授も指摘していましたが、(懲戒申し立て理由となったツイートについて)抗議が来たので、「これしかない」とやってしまったのではないでしょうか。だから、かなり無理筋のように思います。(問題視されかねないツイートは)他にもあったと思いますが、当事者の抗議があるとやりやすいので、処分理由として犬のツイートを選んだと思います。

いま思えば、結論は最初から見えていたと思います。戒告前は、最高裁はそんな不正義なことはしないと信じていたのですが、ある意味私がピュアすぎましたね。

●「裁判所の内部的には、終わった話になっていると思う」

ーー議員の動きが処分の背景だと考えているのですか。

とにかく裁判所って、政治的に弱いんですよ。政治力がないので、内部の人間を抑えつけようとしてしまうんです。

野党議員であっても、最高裁の事務総長を呼び出して調査することは可能ですので、裁判所は調査自体を避けたいんですよね。昔は訴訟指揮についても訴追委員会が開かれましたから。裁判所は霞が関のなかで弱いので、内部で片付けられるなら、内部で片付けたほうがいいんです。戒告処分を出すと、それ以上(政治家は)言ってこないので、今回のは内部的には終わった話になっていると思います。戒告処分以上に、私を追い詰める意思は毛頭ないと思います。

ーー「結論は見えていた」と感じたのはいつですか。

弁護団の西村正治先生は、審問期日の当日に、大谷直人長官の様子で気づいていて、「これはもう戒告ですよ」と言っていました。

ーー文春オンラインのインタビューで、自身の再任拒否の可能性に言及されていました。

再任拒否はないのではないかと見通しています。いま、再任拒否はしにくいんです。「下級裁判所裁判官指名諮問委員会」というのがあり、そこの委員が「ダメ」と言わないと簡単に再任拒否できない時代です。

ーー岡口裁判官は再任まであと何年ですか。

1993年任官ですので、(2023年まで)あと5年くらいです。

●裁判所は「司法省の外局の三流役所」、赤レンガへの憧れ

ーー裁判所ってどんなところですか。

裁判所は政治力が弱いんですよ。戦前の大審院(現在の最高裁判所にあたる)は司法省の外局だったので、成績が良い人はみな司法省に行って、その下の人が大審院に行きました。当然待遇も下だった。で、戦後GHQがいきなり「三権分立」を求めてきて、形式上はそうなりましたが、昔の人は裁判所は「司法省の外局の三流役所」と思っていて、その意識が抜けない。いまでも、「法務省はすごい」といった赤レンガ(古い建物に由来する法務省の通称)への憧れがあるんです。

戦後の最初のころは大変で、まとめきれないから最高裁長官を学者がやっていたくらいです。矢口洪一さん(元最高裁長官・故人)を悪く言う人もいますが、あの時代に裁判所の地位を強くしようとして、なんとかここまできた。なのに、訳のわからないツイートする裁判官がでてきてしまった。

一方、裁判所って仲間意識が強いんですよ。当局の規制の強さを指摘する元裁判官もいますが、ちょっと違うと思います。結構みな助け合っていて、「皆がんばろう」みたいな。

ただ、歴史が浅い分、出世の基準がしっかりしていないなど、まだなんとなく色んなことが決まっていないんです。うまい具合にやっている人が上にいってしまって、妬みとかはありますね。

●「結局、手続保障がまったくできていない」

ーー今回の懲戒のプロセスは、実質一審制で審理非公開となりました。納得のいく反論はできましたか。

実質的な申し開きは1回だったので、どうやっても、ダメだと思います。そもそも申立書自体には「ツイートで感情を傷つけた。懲戒相当」としか書いていない。3つある懲戒事由のうち、一番当てはまりそうなのは、「品位を害する」なんですが、あのツイートによって、「裁判所や裁判官が国民の信頼を失う」ことにストレートにはつながらないでしょう。問題のツイートを読んだ一般の方の多くが「けしからん」と怒ったのなら納得できますが、あったのは当事者からの削除要請だけでした。

ーーただ、結論としては「国民からの信頼を失った」と判断されました。

はい。「裁判官が色々考慮せずに表面的な情報で判決を下すという疑念を国民に抱かせた」ということです。しかし、あのツイートでそこまで思う国民がいるとはとても思えません。さらに、私が飼い主が訴訟を起こしたことを非難していると一般の人が感じるということになりました。しかし、あのツイートで、「訴訟提起自体を非難していると、一般の人が感じる」としたのは無理ではないかと思います。

ーー審理の時点で、「裁判提起を非難」のロジックはみえなかったのでしょうか

思いもしなかったです。わかっていれば、反論しましたよ。犬を捨てたことへの非難なら、まだわかりますけどね。結局、手続保障がまったくできていないんですよ。

ーー結論にも納得がいっているわけではないですよね

事実認定がおかしすぎます。「一般人の受け止め」が問題視されましたが、犬のツイートはそもそもほとんどリツイート(拡散)されていません。なので犬のツイート内容を見たのは、私の投稿を見慣れたフォロワーやそのフォロワーだけであり、一般の人ではないと思います。

ーー決定で意外なことはありましたか。

反対意見が出て、その起案も含めて、年明けくらいに決定が出ると思っていたのに、予想以上に早く出ました。山口厚・鬼丸かおるの両裁判官は、こんなおかしな事実認定や手続保障の不存在には反対してくれると思っていたのですが。 寺西裁判官の時は、園部逸夫さん(公法学者)や4人の弁護士出身など、非官僚組は全員反対に回っていました。

これまで最高裁判事の中では、弁護士出身者が人権を重んじる役割を果たしていたのですが、いまは他の事件を見てもあまり反対意見が出ないですね。一票の格差とか統治機構的なものは反対意見が出るんですが。

ーーいまの最高裁の裁判官には憲法に強い人がいないという見方もあります。

それもあると思います。 また、今回の決定の内容について、一部の報道機関から、内容を知らないと書けないような記事が事前に出ました。昔、愛媛県靖国神社玉串料訴訟において、事前に判決内容が朝日新聞などに掲載されました。朝日新聞へのリークが疑われ、最高裁判事15人が裁判官訴追委員会の訴追対象になったんですが、今回はもっとひどいと思っています。


●「裁判官の雰囲気が変わった感じはする」

ーー戒告の前に注意処分が2回ありました。それについては納得しているのでしょうか

1回目(半裸画像の投稿)は、法廷でやったらダメなことですが、完全プライベートの話です。 そもそも、厳重注意処分はマスコミに公開しないんですよ。厳重注意自体は、内部的には結構行われていて、刑事で未決勾留日数とか間違えると、厳重注意になります。

ーー2回目の注意処分(女子高生が殺害された事件の判決についてのツイート)はどう受け止めていますか。

最高裁のウェブサイトにあった仮名処理済み判決文のリンクを貼ってツイートしたところ、そのコメント欄に、事件の被害者遺族と思われる方から、「判決をなぜ私たちの承諾なくのせているのか、違法ではないが不愉快」との趣旨の投稿がありました。当時は、下級審のわいせつ系判決は原則掲載しない内規がありました。ところが、遺族が東京高裁に抗議に行った頃には、ツイート内容自体に傷ついたということになっていました。

本当の原因は東京高裁の掲載ミスなので、マスコミにはバランスよくとりあげてほしかったですね。

ーー処分では実質的に2回目も問題視されたように読めます。申立書にない事実で処罰されたことについて、どう考えますか。

懲戒の要件は、「懲戒事由に該当するか」と「懲戒相当か」の2つです。多数意見は、「私が訴訟提起を非難していると受け止められるから懲戒事由にあたる」の後に、相当性判断で「過去にもやっているので、それを踏まえると懲戒相当」となっています。

これに対し、補足意見は、懲戒事由該当性の判断の中で、過去のツイートの話に言及し、ラストストロー理論(積み重ねで我慢を超えさせるものの例え)を用いて、「前のツイートとあわせると懲戒事由に当たる」としてしまっています。そもそも懲戒の要件の構造がわかっていません。

●「誰もが知っている裁判官がいなくなった」

ーー結局戒告の狙いはなんだったんでしょうか

当局の狙いは、裁判所内で情報発信しているのをやめさせたいんでしょうね。戒告前に(ブログやツイッターで)発信していた書記官は、いまはもう発信をやめてしまいましたね。手続きも決定内容もともに結論ありきだったと思います。

ーー過去の戒告例に比べるとわかりにくいように感じます。

そうですね。今回のがダメならおよそだめですから、萎縮効果を生んでいます。1つは情報発信をしないということがあるし、もう1つは判例雑誌などで当事者を刺激することを書かないようにしようということがあるでしょう。

もともと裁判官がおとなしくなってきていますが、ますますそうなりかねません。

法研修の授業中に、修習生を外に出して遊ばせてしまうような山室恵さん(元裁判官・弁護士)みたいな、型破りな人はもういませんからね。あと中込秀樹さん(元裁判官・弁護士)とか。

ーーなぜ変わってきたのでしょうか。

司法制度改革で弁護士が大幅に増えてしまい、(退官後に)弁護士になりにくいのでやめるにやめられないこともあると思います。高裁判事クラスですら、やめたら簡裁判事になりますから。15年目くらいでやめても悲惨な将来が待っているだけなので、「組織のなかでうまく生きよう」「余計なことはしないようにしよう」となりがちです。

裁判官って、6年目から単独で事件をやるので、王様のようなもので、変わった人が多かったのですが、最近はそつなくやろうとしている人が増えましたね。いまは誰もが知っている大物裁判官っていなくなりましたね。

※岡口裁判官がベストセラー「要件事実マニュアル」や今後の著書、SNSの使い方などについて語ったインタビューの中編・後編は1月29日と30日に公開予定です(弁護士ドットコム登録弁護士向けのページでは先行公開します)。

<税を追う>五輪事業 契約非公表 組織委、公費負担の4.3億円 - 東京新聞(2019年1月24日)

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019012490070054.html
https://megalodon.jp/2019-0124-0944-30/www.tokyo-np.co.jp/s/article/2019012490070054.html

二〇二〇年東京五輪パラリンピックで、東京都や国の公費で賄う事業のうち、大会組織委員会随意契約でスポンサー企業に発注する事業は、事業名や契約先・金額などすべてが非公表になっていることが分かった。一七年度末までに契約した事業のうち非公表なのは、七件で計四億三千万円。多額の税金を支出しながら、使途がブラックボックスになっている。 (中沢誠)
非公表の事業は、都や国の公費で大会組織委員会が契約・発注する「共同実施事業」の一部。
一兆三千五百億円を見込む大会経費のうち、都と国の公費負担は七千五百億円。このうち輸送やセキュリティーなど四千五十億円が共同実施事業にあたる。都は一八年度予算で共同実施事業のため七百四十四億円を負担しており、大会が近づくほど発注は増える。それに伴い、非公表対象の額も膨らむとみられる。
組織委はスポンサー企業との随意契約を公表しない理由として「スポンサー契約上、秘密保持が求められており、公表により事業運営上の地位が損なわれる」と説明している。
今後発注が見込まれる警備やサイバー対策などのセキュリティー関連事業の契約についても、組織委は「情報が公開されることで大会の安全が脅かされる可能性がある」として一部を非公表とする方針だ。
組織委は総額で四千五十億円となる共同実施事業のうち、非公表の対象となる規模を明らかにしていない。最新の試算では、都や国が負担するセキュリティー関連だけでも総額八百億円に上る。都は「公金の在り方として適切ではない」として、組織委に公表を求めてきたという。
組織委は取材に「公金を原資にしていることを踏まえ、現在、スポンサー各社と個別協議中」と回答。セキュリティー関連事業は「公表にかかるリスクを評価し、公表の可否を個別に判断することになる」とコメントした。
組織委は、東京大会の準備・運営のため、都と日本オリンピック委員会(JOC)が出資して設立した公益財団法人。スポンサー料などの民間資金で運営している。元首相の森喜朗会長をトップに都や民間、国からの出向組が在籍する。
スポンサー企業は現在七十一社。組織委に協賛金を支払う代わりに東京大会のロゴマークを使って広告を展開したり、関連イベントに参加できたりする。

     ◇

シリーズ「税を追う」では、これまで報じてきた防衛費に加え、今後は巨額の公費を投じる東京五輪パラリンピック予算など、さまざまな税の流れを追い、問題点を検証する。

東京五輪・パラリンピック関連事業 都も議会に報告せず - 東京新聞(2019年1月24日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201901/CK2019012402000146.html
https://megalodon.jp/2019-0124-0948-30/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201901/CK2019012402000146.html

東京五輪パラリンピック関連事業で、ブラックボックスなのはスポンサー企業との随意契約だけではない。都は共同実施事業のうち、公表することになっている個別事業の契約額も、都議会に報告していない。
仮設競技場の建設や選手村関連の設計など、共同実施事業に都が二〇一七年度末までに支出したのは四十九億円。都議会の要請を受け、昨年十一月に件名や契約相手をようやく明らかにしたが、個別の金額は「(スポンサー企業との随意契約が)一部非公表の状態で、実績の数字を出すのは行政として一般的にやらない」(都の担当者)として明らかにしていない。
共同実施事業を進めるに当たり、都と国、組織委の三者は二年前、管理委員会を設置し、公金の支出を互いにチェックする仕組みを作った。だが、管理委員会の議事録は「極めて実務的な会議のため」(組織委)という理由で作成せず、契約完了後も一〜二枚の議事要旨をホームページで公表するだけだ。議論の過程がうかがえず、公表する具体的な内容も乏しく、かえって公金の流れは不透明になっている。

(筆洗)厚生労働省の毎月勤労統計の不正調査問題 - 東京新聞(2019年1月24日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2019012402000139.html
https://megalodon.jp/2019-0124-0946-35/www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2019012402000139.html

インドのとんち話にこんなのがあるそうだ。ある夜、家に盗っ人が押し入った。だが、番犬は吠(ほ)えなかった。ロバがなぜ黙っていたのかと注意した。犬は「これまで再三、吠えたが、主人が褒めたことはない」と答えた。
別の晩、また盗っ人がやって来た。真面目なロバは犬に代わって大声でいなないた。盗っ人は消えたが、目をさました主人は「なんで人の眠りを邪魔するんだ」とムチでロバをたたきのめした。犬はロバに言った。「忠実に働いた者にご主人はどんな褒美をくれたかね」
おそらく、問題が起きたことを知らせるロバではなく、面倒を起こさぬ方が利口だと考える犬の方が省内で大きな顔をしていたのだろう。厚生労働省の毎月勤労統計の不正調査問題である。
特別監察委員会の報告書によると担当職員は調査のやり方が不適切だと知っていたが、漫然と踏襲していたという。局長級職員は報告を受けていたが、やはり放置した。ため息がでる。
不適切と吠えれば、大騒ぎになるだろう。自分も厄介ごとに巻き込まれるかもしれぬ−。そんな悲しい了見違いもやはり省内で「漫然と踏襲」されているのではないかと疑う。
とんち話に逆らうようだが、とどのつまり、沈黙の犬は利口ではなかろう。悪事は露見し、二十二人が処分された。国民という本当の主人のために忠実に吠えなかったためムチを受けたのである。

北方領土“帰属”「交渉していない」 TBS NEWS(2019年1月22日)

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3579714.html
http://archive.today/2019.01.24-052612/https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3579714.html

ロシアで北方領土の引き渡しを警戒する声が高まる中、ロシア外務省が今月に入り、日ロ間では去年、北方領土の帰属問題について「交渉していない」と国会議員向けに説明していることが明らかになりました。
これはJNNが入手したロシア外務省の事務方トップ、モルグロフ外務次官からロシア下院国際問題委員会のスルツキー委員長にあてた今月11日付けの書簡で明らかになったものです。この中で、モルグロフ氏は去年、北方領土の帰属問題について「日本側と交渉を行っていない」としています。
また、平和条約問題の対話の枠内で、去年2月と10月以降に行われた日ロ外相会談と次官級協議では、北方領土の「共同経済活動の実施のみが協議されていた」と説明しています。しかし去年11月、安倍総理プーチン大統領との間で平和条約締結後、色丹島歯舞群島の日本への引き渡しを明記した1956年の「日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させる」ことで合意しています。
ロシア国内では、北方領土の引き渡しへの警戒感が強まっていて、今回の書簡からは沈静化を図りたいロシア外務省の思惑がうかがえます。ただ今後、日ロ間の交渉次第では、ロシア政府が議会や世論の反発を交渉の追い風とする可能性もあり、日本としては気の抜けない交渉が続きます。