就労外国人 野党有志の対案 制度の欠陥がよく見える - 毎日新聞(2018年11月20日)

https://mainichi.jp/articles/20181120/ddm/005/070/044000c
http://archive.today/2018.11.20-001356/https://mainichi.jp/articles/20181120/ddm/005/070/044000c

外国人労働者の受け入れを拡大する入管法改正案への対案を野党議員の有志がまとめた。
現行の技能実習制度を温存する政府案に対し、これを廃止して新たな「外国人一般労働者受け入れ制度」を創設するのが柱だ。
技能実習については、途上国への技術移転という建前と、人手不足対策で実習生を受け入れてきた現実とのゆがみがあらわになっている。
低賃金や長時間労働などを理由に昨年は7000人以上の実習生が失踪した。現行制度上、実習先や職種を変える自由はなく、失踪者は不法残留者として扱われる。
なのに政府案は、技能実習制度で日本語の会話力などを身につけた外国人が就労を目的とした新しい在留資格へ移行することを想定する。実習生の就労環境が改善される保証はなく、受け入れる地域社会の側にも不安定な制度が続く懸念が残る。
野党有志の対案は、最初から労働者として在留できるよう日本語教育社会保障などの受け入れ態勢を整備し、所管省庁の垣根を越えて生活支援に責任を持つ「多文化共生庁」(仮称)を創設するとしている。
政府案でも法務省の入国管理局が「出入国在留管理庁」に格上げされるが、あくまで外国人労働者を管理対象に位置づけるものだ。受け入れ態勢の整備は後回しになっており、支援の視点が乏しい。
対案は外国人労働者に家族の帯同を認める条件や、受け入れ人数の総量を規制する基準など、制度設計の肉付けには至っていないが、打ち出した方向性は理解できる。政府案と比較すれば、政府が導入を目指す制度の欠陥がよく見えてくる。
残念なのは、この対案を国会に提出するめどが立っていないことだ。
対案をまとめたのは中川正春文部科学相旧民主党の有志が4年前につくった議員連盟で、メンバー38人は現在、二つの政党と無所属に分散している。国民民主党は国会提出に前向きだが、立憲民主党は対案を正式な法案の形に仕上げることにブレーキをかけている。
対案提出が政府案の審議に協力する構図につながるのを立憲民主党は恐れているようだ。しかし、対案は重要な論点を提示しており、国会で丁寧に審議されてしかるべきだ。

入管法改正案 これでも強行するのか - 朝日新聞(2018年11月20日)

https://www.asahi.com/articles/DA3S13776283.html
http://archive.today/2018.11.20-001509/https://www.asahi.com/articles/DA3S13776283.html

こんなボロボロの状態でも、政府与党は強引に成立させようと本気で考えているのか。外国人労働者の受け入れ拡大をめざす出入国管理法改正案への疑問が、さらに膨らんでいる。
ひとつは、いまの技能実習制度について法務省が国会に提出した資料の誤りに伴うものだ。
実習生が受け入れ先企業から姿を消してしまう例が昨年だけで7千件を超え、問題になっている。後に居場所が確認できた約2900人から聞き取りをした結果として、法務省は約87%が「より高い賃金を求めて」失踪したと説明していた。
だが正しい数字は約67%だった。しかも「低賃金」「契約賃金以下」「最低賃金以下」の3項目にチェックが入った数を合算した数字だという。
結果として、法令や契約を守らない劣悪な労働環境があることは覆い隠され、実習生のわがままが失踪を生んでいるような印象を社会に振りまいたことになる。山下貴司法相も衆院本会議で同様の答弁をし、いまも撤回されていない。
賃金だけではない。失踪した原因として「指導が厳しい」との答えが5・4%から12・6%に、「暴力を受けた」が3・0%から4・9%に訂正された。ずさんさに驚く。「その他」が15・3%あるが、内訳を見ると職場環境や労働条件への不満、人間関係などを挙げているものが少なくないという。
法案は、実習生は新設される在留資格「特定技能」に移行できるとしており、政府は新資格で働く人の半数程度を占めると見込む。土台となる現行制度に対する正しい認識をもつことから、やり直す必要がある。
もうひとつの疑問は、政府と与党の間に見逃せないズレが生じたことだ。18日のNHKの番組で自民党田村憲久政調会長代理は、技能実習をきちんとした雇用に置き換えていくのが、「特定技能」だと述べた。
はじめて聞く話だ。政府はこれまで、二つの制度は別のもので、技能実習は存続させると説明してきたはずだ。党の政策調整の要の地位にある人物と政府の言い分が食い違う。法案の目的さえ共有できていないことを示す事実ではないか。
今年の通常国会でも、働き方改革をめぐる政府の調査データに誤りがあり、混乱を招いた。森友学園問題では、政府にとって都合のいいように改ざんされた資料が国会に提出された。
立法府を愚弄(ぐろう)する出来事が相次ぐ。審議時間を十分とり、正確で丁寧な説明をすることが、政府に課せられた責任である。

(大弦小弦)本棚に収めようとすると、新書は独特の存在感がある… - 沖縄タイムス(2018年11月19日)

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/346539
http://web.archive.org/web/20181120001605/https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/346539

本棚に収めようとすると、新書は独特の存在感がある。背が単行本より低く、文庫本より高い。厚さは他の本がまちまちなのに対してほぼ一定で、並べると規則的な感じがする

▼新書が世に出て80年。1938年11月20日、岩波書店が20点の岩波新書を発刊したのが始まりだった。「君たちはどう生きるか」の作者で編集者の吉野源三郎さんが発案した

日中戦争が泥沼化していた。吉野さんは後に、「日ごとにつのる偏狭な国粋主義の思想に抵抗」する必要があったと振り返っている。抵抗手段は事実を知らせること。政府が憎悪をあおる中、中国の実像を紹介する本も多く発行した

言論弾圧で一時休刊したが、49年に再出発。他社も参入し、ジャンルとして確立した。各分野の専門家が蓄積した研究成果や、現在進行形の問題をコンパクトに解説する

▼評論家の荻上チキさんは「検証 東日本大震災の流言・デマ」(光文社新書)を震災のわずか2カ月後に発刊した。デマの実例を多数収録、「ワクチン」と表現した。パターンを知れば免疫がつく。免疫を持つ人が増えれば、感染も抑えられると説いた

▼新書そのものが、社会のワクチンなのかもしれない。愛国か反日か。再び「偏狭な国粋主義」がデマをまとって増殖する今、「新しい書」が当初掲げた理想は少しも古びていない。(阿部岳)

「校庭に東風吹いて」がグランプリ 場面緘黙(かんもく)症少女の交流描く 子ども映画祭閉幕 - 琉球新報(2018年11月19日)

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-836191.html
https://megalodon.jp/2018-1120-0916-41/https://ryukyushimpo.jp:443/news/entry-836191.html

子どもたちがスタッフや審査員を務める「第5回こども国際映画祭in沖縄(KIFFO、キフォー)」(同実行委員会主催)が18日、那覇市のパレット市民劇場で2日間の日程を終え閉幕した。上映された3本の映画から「校庭に東風吹いて」(日本、金田敬監督)がグランプリに選ばれた。
「校庭―」は、家庭では話せるのに学校など公の場で話せなくなる「場面緘黙(かんもく)症」の少女と子どもたちに寄り添う教師を描いた。審査員長の諸見里祐真君(10)=那覇市立城西小5年=は「登場人物の行動力がすごいと思った。場面緘黙症について知ってほしいと思い『校庭―』に投票した」と説明した。
副審査員長の田場爾子(にこ)さん(10)=同銘苅小4年=は「他の審査員と意見を出し合い、こういう意見もあるのかと気付かされた」と振り返った。

審査員やスタッフはこどもたち! 「第5回こども国際映画祭in沖縄」が開幕 - 琉球新報(2018年11月17日)

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-835648.html
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子どもたちが審査員やスタッフとして運営に関わる「第5回こども国際映画祭in沖縄(KIFFO、キフォー)」が17日午前、那覇市のパレット市民劇場で開幕した。「映画はココロの栄養だ!!」をモットーに子どもたちの思いやりの心や想像力を育む。今年は県内から総勢30人の子どもたちが参加している。18日まで。
開会式で映画祭ディレクターの宮平貴子さんは「第1回目に参加した子どもたちは高校生になり、映画祭にも協力している。子どもたちの活躍ぶりを感じながら映画祭を楽しんでほしい」とあいさつした。
「こども審査員長」を務める諸見里祐真君(10)=城西小5年=は「審査員全員の意見を尊重して一番素晴らしい作品を選びたい」と意気込みを語った。
上映作品はさまざまな問題を抱えた児童たちと、彼らと向き合う小学校教師の交流を描いた「校庭に東風吹いて」(日本)、台湾のアミ族が住む村で一人の女性が先頭にたって昔ながらの稲作を復活させる実話を基にした「太陽の子」(台湾)、絶滅の危機にひんしたペンギンを救う実話を基にした「オッドボール ペンギン救出大作戦」(オーストラリア)の3作品。
宮平さんによると「海外の作品では自然環境と街の活性化、伝統文化の保存など観光立県の沖縄にとってうちあたいする(※思い当たる節がある)内容だと思う」と語り、「子どもたちの未来のために大人たちはどんな行動ができるのかをテーマにした」と話した。
映画祭では、吹き替えした声優らによるトークセッションも行われ、18日午後にはグランプリを決める。入場料は1作品前売り500円、当日700円。

上映時間はKIFFO公式ホームページ
https://kukuruvision.com/kiffo/

ダブリン国際会議 新基地反対で連帯したい - 琉球新報(2018年11月20日)

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-836630.html
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広く海外に目を向ければ、米軍基地に対する沖縄の闘いは決して孤立していないことに気付く。
米国が国外に置く全米軍基地とNATO北大西洋条約機構)基地の撤退を求める国際会議がアイルランドの首都ダブリンで開かれた。沖縄の米軍基地問題も取り上げられ、辺野古新基地反対運動の先頭に立つ稲葉博さんが「世界の人たちと手を取り合えば、必ずこの闘いに勝てる」と訴えた。同じような闘いをしている世界の人々を前に、意を強くしたに違いない。
会議には沖縄と同様に環境汚染や騒音被害など米軍基地問題を抱える世界約30の国と地域から約230人が参加し、全世界から米軍、NATO基地の撤去を求める共同宣言を発表した。
北アイルランド問題の平和的解決に取り組み、ノーベル平和賞を受賞したマーレッド・マグワイヤーさんは「アイルランドから米軍とNATOの軍備拡張を止め、非暴力による平和的社会の実現を目指そう」と呼び掛けた。共同宣言とともにこの言葉は、沖縄の闘いと共鳴する。
主催者代表の一人、米国人のバーマン・アザットさんによる「沖縄の人々には、世界が味方に付いていると伝えたい」との言葉も県民に希望を与えてくれる。
玉城デニー知事は、「辺野古が唯一」を繰り返す日米両政府を動かそうと米国の世論だけでなく、国際世論への訴えも重視する。知事の協力呼び掛けに世界の県系人が呼応し、辺野古新基地反対を支持する声明を発表した。
玉城知事は訪米中、首都ワシントンよりも先にニューヨークの国連本部を訪れ、中満泉事務次長に「沖縄を平和の緩衝地帯にしたい」と訴えた。沖縄の基地問題を動かすには国際世論の動向も鍵を握る。
今回、国際会議が開かれた欧州は人権意識が高い。スコットランドカタルーニャなど自己決定権を行使している地域も多く存在する。
沖縄で起きている問題は安全保障の問題というよりも、自己決定権や人権の問題である。その認識を基に、翁長雄志前知事が2015年にスイスの国連人権理事会で演説し「沖縄の人々は自己決定権や人権をないがしろにされている」と訴えた経緯がある。
これまでスイスの国連機関は沖縄の基地問題に対し「現代的な形の人種差別」と認定するなど日本政府に何度も改善を勧告してきた。人権に対するメディアの意識も高い。そうした欧州メディアへのアピールや、国連機関への働き掛け、ロビー活動などは沖縄の闘いにとって有効だろう。
欧州の世論が高まれば、米国の世論も反応せざるを得なくなる状況が生まれる。国際世論を味方にするには欧州は近道かもしれない。
その意味でも今回、欧州での国際会議で基地問題を抱える世界の人々と連帯を確認したのは有意義だ。

<性教育をかんがえる> (上)学校が性交を「教えない」弊害 - 東京新聞(2018年11月20日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201811/CK2018112002000180.html
https://megalodon.jp/2018-1120-0923-02/www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201811/CK2018112002000180.html

予期しない、望まない妊娠によるとみられる中絶や虐待死が後を絶たない。妊娠にまつわる相談を受け付ける一般社団法人「にんしんSOS東京」副代表理事で、助産師の土屋麻由美さん(55)は「事態を防ぐには正しい知識を幼少時から教えることが大切」と訴える。学校での性教育の不十分さも指摘する。 (小形佳奈)
厚生労働省によると、昨年度の二十歳未満の人工妊娠中絶件数は一万四千百二十八件。昨年一年間に、二十歳未満の母親から生まれた子どもの数九千八百九十八人を上回る。
赤ちゃんの命が奪われる虐待死もなくならない。二〇〇七年から昨年三月までに十代で妊娠した母親から生まれ、虐待死した子どもは百十一人。最も多いのが生まれたその日に亡くなるケースで、二十五人がトイレやロッカーに遺棄されるなどして命を落とした。
にんしんSOS東京は避妊や思いがけない妊娠などに関する相談を受け付けている。年代別でみると、十代と二十代の相談がそれぞれ35%ずつになっている。
相談業務を通じて土屋さんが感じるのは、若い世代の性知識の乏しさだ。「下着を着けたまま性器と性器をこすりつけたが妊娠するのではないかと心配」と質問してきたり、生理周期という言葉も排卵の時期に妊娠することも知らない大学生がいたり。
その理由は「学校での性教育が不十分なため」という。現行の中学校の学習指導要領では、生殖能力が備わる思春期の子どもに、排卵や受精の意味を教える一方、「妊娠の経過は取り扱わない」とする「はどめ規定」を設ける。「つまり『性交は教えない』ため、子どもたちは性成熟に伴う適切な行動とは何かを具体的に考えられない」と土屋さんは話す。
指導要領に示されていない内容も指導できるが、東京都教育委員会が八月に都内の公立中学校など六百二十四校の校長に行った性教育の実施状況調査では、要領に示されていない内容を指導したのは五十五校(9%)。うち性交に触れるのは三校、望まぬ妊娠に触れたのは二校だった。
「教えると性交をかえって助長する」との指摘もあるが、「教えないと、インターネットのアダルトサイトなどで得た誤った性知識のまま、デートDVや望まぬ妊娠など悲惨な結果を招きかねない」。性交や妊娠の仕組みだけでなく、お互いの性的同意、相手への思いやりも含めた人権教育としての性教育の必要性を説く。
土屋さんは「子どもの成長に応じ、少しずつ教えることが大切」と話す。具体的には、幼少時から「自分を大切に」と家族が教える▽水着で隠れる「プライベートゾーン」をむやみに人に見せたり、触らせたりしない▽逆に相手のものを勝手に触ってもいけない▽嫌なことは嫌と言う−などがある。
大人自身がセクシュアリティー(性のあり方)を学んでいないから、子どもたちにどう教えていいか分からない。土屋さんは「国民すべてに性教育が必要なんです」と訴えている。
「にんしんSOS東京」への相談は無料。

詳細はホームページ
https://nsost.jp/

二十三日の(下)では、親子で性についての正しい知識を本で学ぶ取り組みを紹介する。

「たたかない、怒鳴らない」 柏レイソル、虐待防止へ講座:首都圏 - 東京新聞(2018年11月20日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/metropolitan/list/201811/CK2018112002000156.html
https://megalodon.jp/2018-1120-0924-27/www.tokyo-np.co.jp/article/metropolitan/list/201811/CK2018112002000156.html

十一月は児童虐待防止推進月間。国やNPOなどが虐待へとつながる子どもへの体罰や暴言をなくそうと取り組む中、サッカーJリーグの柏レイソルは十四、十七の二日間、「たたかない、怒鳴らない子育て講座」を千葉県柏市のスタジアムで開いた。子育て中の親ら計約五十人が参加した。 (奥野斐)
柏レイソルは二〇一二年から、世界で子ども支援を行う非政府組織(NGO)「セーブ・ザ・チルドレン」の活動に賛同。子育て講座などを共同で主催してきた。「サッカークラブは子どもがいないと成り立たない。子どもが育つ環境をより良くしたい」と、日立柏レイソル事業本部の河原正明さんが理由を話す。同クラブには小学生から高校生までが所属するサッカー選手の育成組織もあり、「クラブ全体で『子どもは大事』と発信したい」という。
三年前から虐待予防のための「ポジティブ・ディシプリン(前向きなしつけ)」プログラムの普及にも関わる。ファンや一般参加者、指導者向けの講座を六回開催したほか、今年九月には「#サッカーも子育てもフェアプレー」をスローガンに、たたかない、怒鳴らない子育て推進のチャリティーマッチも実施した。
十四日の講座では、本来は十八時間のプログラム内容の一部を二時間で紹介。「セーブ・ザ・チルドレン」の講師が体罰などを用いるべきではない理由を「子どもへの負の影響が大きい」などと説明、近年の研究で、体罰や暴言が子どもの脳を傷付け、学習への意欲を低下させたり、大人になってから精神疾患を引き起こしたりする可能性があると分かってきたことを話した。
参加者は、たたいたり怒鳴ったりせずに子どもと向き合う、前向きなしつけのプログラムを体験。「子どもが二十歳になった時にどんな人に育ってほしいか」といった長期的な目標を決め、そのために子どもにどう「温かさ(安心、安全)」と「枠組み(情報)」を提供するかを考えた。「二歳の子が雨なのにコートを着るのを嫌がる」という状況を例に、年齢に応じた発達状況を理解し、課題解決の方法を学んだ。
参加した、小学生の子ども二人を育てる茨城県の会社員男性(41)は「普段怒鳴りがちだが、自立して思いやりがある人に育てたいという長期的な目標を大事にしていきたい」と話した。
講座を担当した瀬角(せすみ)南さんは「しつけとは教えること。子どもを一人の人間として尊重し、子どもの視点で考えることが大切」と語った。

体罰によらない子育て> 2016年の児童福祉法改正時の付帯決議に「啓発すること」と明記された。これをふまえ、厚生労働省は子どもに向きあうポイントと、体罰や暴言による悪影響などをまとめたリーフレット「愛の鞭(むち)ゼロ作戦」を作成。日本を除く54カ国が子どもへの体罰を法律で禁じている。

「反戦劇に不当な干渉」仙台弁護士会、市長に指導要望 戦災復興記念館長「政治的問題中立に」と指摘 - 河北新報オンラインニュース(2018年11月17日)

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201811/20181117_13040.html
http://archive.today/2018.11.20-001215/https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201811/20181117_13040.html

仙台弁護士会は16日、仙台市戦災復興記念館青葉区)で仙台空襲がテーマの演劇を上演した劇団に、記念館の指定管理者から表現の自由を侵害する不当な干渉があったとして、郡和子市長に対し、管理業務を委託する公益財団法人仙台ひと・まち交流財団への指導を求める要望書を出したと発表した。
劇団は青葉区の「要プロデュース・劇団仙台」。市が記念館で毎年7月に開く戦災復興展に合わせて2010年以降、「仙台空襲 孫たちへの伝言」と題する演劇を上演してきた。
要望書によると、記念館の館長は15年7月の上演で出演者が「戦争法反対」などと訴えた場面を見とがめ16年3月、「市主催の行事なので政治的問題は中立に」などと指摘。劇団は記念館で予定していた同7月の上演を別会場に変更した。
劇中の表現は特定政党の支持や批判でなく、政治的信条の表明にとどまると強調。「抽象的な政治的中立性を理由に表現の自由への制限を認めれば、ほとんどの表現行為が萎縮しかねない」としている。
記念館を所管する青葉区は「表現の自由は当然尊重するが、市の主催事業は表現の政治的中立性を勘案する必要がある。今後も十分配慮しながら事業を進める」とコメントした。

「改憲」テーマで京都府が共催降りる 京都弁護士会の集い - 京都新聞(2018年11月7日)

https://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20181107000015
http://archive.today/2018.11.20-001110/https://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20181107000015

京都弁護士会が18日に開く「第48回憲法と人権を考える集い」で、例年共催していた京都府が今回は共催を降り、京都市も後援を断っていたことが6日、分かった。今年は改憲がテーマで、府と市は「中立性が担保できない」としている。前回までは府内の全市町村が後援していたが、府の動向を踏まえるなどして多くの自治体が後援を見送った。弁護士会は「中立性には配慮した。行政の姿勢は改憲の議論自体を遠ざける」と疑問を投げ掛ける。
集いは1971年に始まり、長年、府や京都市が共催や後援してきた。今年は18日に同志社大上京区)であり、自民党憲法改正案の問題点を指摘している首都大学東京の木村草太教授が「憲法の未来」と題して講演する。府内の高校生も、憲法9条の改正について議論を重ねた成果を発表する。
府人権啓発推進室によると、弁護士会から木村教授が改憲について自説を話すとの説明があったといい、府の審査基準に「政治的な内容を含むものでないこと」と定めていることから、「趣旨や内容は否定しないが、行政として政治的中立性の確保が難しい」と共催見送りを決めたという。
市も「政治的色彩を有している」を後援不許可の基準としており、市人権文化推進課は「改憲がテーマで、総合的にみて抵触すると判断した」と説明する。
宇治市は後援承認後に取り消しており、「府や京都市が政治的中立性を問題視したと弁護士会から連絡を受け、再考した」とする。舞鶴市も一度は後援を承認したが、府の動向を参考に、最終的に後援しないことを決めたという。
今回、後援する自治体は南丹市京丹波町大山崎町のみ。京丹波町の担当者は「広く憲法の知識を得てもらう場になり、住民にとって有意義だ」と話す。
共催や後援を受けると、ちらしに自治体名を明記できて催しの信頼性が高まるほか、告知で自治体の協力が得られて広く周知できる利点がある。
弁護士会の浅野則明会長は「集いは問題点を提起し、府民と考えようという趣旨。それを政治的とされるのは、長い間、行政と憲法について一緒に取り組んできただけに残念だ」と話す。

■逃げ腰の表れだ

毛利透・京都大教授(憲法)の話 たとえ改憲がテーマでも公平公正に議論することは十分可能だ。改憲が政治課題として浮上する中、「偏っている」との批判が向けられるリスクを冒したくないという自治体の逃げ腰の表れだろう。自治体が特定の催しに共催や後援を行う義務はないが、公権力には憲法や人権を守る普遍的な義務があり、周知についても積極的な役割を果たすことが求められている。