テイラー・スウィフト、ついに政治を語る。投票先も明言、決め手はLGBTの権利 - ハフポスト日本版編集部(2018年10月8日)

https://www.huffingtonpost.jp/2018/10/08/tailor-swift-insta-politics_a_23554000/

世界のポップスター、テイラー・スウィフトが10月8日(日本時間)、政治と選挙に関する長文をInstagramに投稿した。テイラーは自らの政治的な信念を語ったうえで、11月の中間選挙で誰を支持するかも明言した。テイラーはこれまで「政治に無関心なポップスター」として悪名高かった。しかし、今回の政治的な思いを全面的に打ち出した投稿には、数時間で100万以上の「いいね」が集まった。

テイラーは肌の色やジェンダー性的指向などにかかわらず全ての人が人権を享受すべきだという考えを強調。その「人権を守るために戦う候補者に、これからも投票していきます」と決意を述べた。

また、性的少数者(LGBTQ)の人権のための戦いを支持すると表明し、「性的指向ジェンダーに基づく差別はどんなものでも間違っている」と訴えた。そのうえで、特定の候補者名を挙げて、女性の権利に消極的な人や、同性婚を支持しない人には投票できないと語った。

さらに、中間選挙で自らが投票しようとしている候補者名を2人、明言した。

テイラーは「100%同意できる候補者がいない」中で、「どうせ投票はしなきゃいけないですよね」と選挙制度について語った。そして、情報収集をしたうえで、自分と価値観がいちばん近い人に投票するよう、ファンに呼びかけていた。

テイラーの投稿の日本語訳は次のとおり。

《きたる11月6日の中間選挙に向けてこの投稿を書いています。私はテネシーで投票するつもりです。これまで私は、政治的な意見を公にするのに消極的でした。でも、この2年間、私の人生でも、世界でも色々なことがあって、今は意識が大きく変わったんです。これまでは、「この国で生きる人たち全て」が享受する人権を守るため、戦ってくれる候補に投票してきました。これからもそうするつもりです。

LGBTQの権利のための戦いを信じています。性的指向ジェンダーに基づいた差別は、どんなものでも間違っていると思います。肌の色による体系的な差別は、恐ろしく、病的ですが、今でもこの国に広く存在していると考えています。

肌の色やジェンダー、どんな人を愛するかにかかわらず、「全ての」アメリカ人の尊厳のために戦ってくれない人に投票をすることはできません。テネシー州から上院選挙に出るのは、マーシャ・ブラックバーンさんという女性です。私は可能な限り女性の候補者に投票しようとしていますが、マーシャ・ブラックバーンさんは支持できません。

彼女がこれまで、議会でどんな風に投票してきたかを知って、恐ろしくなりました。男女の同一賃金に向けた案に、彼女は反対しました。DVやストーカー、デートレイプから女性を守ろうとするVAW法の改正にも反対しました。ゲイカップルへのサービス提供を拒否する権利がビジネス側にあると、彼女は考えています。ゲイカップルには結婚する権利がないとも。そういう考えは、「私の」テネシー的な価値観とは全く異なっています。

私は今回、上院はフィル・ブレデセンさんに、下院はジム・クーパーさんに投票します。みなさん、どうか自分の州の候補者について知識を身につけて、自分の価値観と一番近い人に投票するようにしてください。ほとんどの場合、この人なら100%同意できるという候補者は、いないでしょう。でも、どうせ投票はしなきゃいけないですよね。

だから、賢くて、思慮深くて、冷静な18歳以上の人たちは、投票する権利がある。自分の投票に意味を持たせる特権があるわけです。まずは登録をしておくこと。テネシーの登録最終日は10月9日です。情報はウェブサイトvote.orgで手に入ります。ハッピー・ボーティング!(投票箱と笑顔、そして虹の絵文字)》

TAYLOR SWIFT HAS SPOKEN OUT ABOUT POLITICS FOR THE FIRST TIME - Harper's BAZAAR JP(DATE : 2018.10.09)

http://harpersbazaar.jp/celebrity/taylor-swift-has-spoken-out-about-politics-for-the-first-time-181009-lift1

テイラー・スイフトが初めて政治について発言
テイラー・スイフトが初めて政治問題について沈黙を破り、今度の中間選挙で2人の民主党候補者への支持を表明した。

テイラーはこの2年間で、自分の政治的見解を公にシェアすることが重要だと学んだと言う。長文のインスタグラムで、LGBTQ(性的少数派)のコミュニティーとの団結を示し、アメリカの少数派民族が「組織的な人種差別」を経験していることに反対する意見も述べている。彼女の価値観からは、先週ドナルド・トランプ大統領からの支持を受けた共和党候補者のマーシャ・ブラックバーン上院議員には投票できない。その代わりに彼女は、民主党のフィル・ブレデセンとジム・クーパーを支持した。

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I’m writing this post about the upcoming midterm elections on November 6th, in which I’ll be voting in the state of Tennessee. In the past I’ve been reluctant to publicly voice my political opinions, but due to several events in my life and in the world in the past two years, I feel very differently about that now. I always have and always will cast my vote based on which candidate will protect and fight for the human rights I believe we all deserve in this country. I believe in the fight for LGBTQ rights, and that any form of discrimination based on sexual orientation or gender is WRONG. I believe that the systemic racism we still see in this country towards people of color is terrifying, sickening and prevalent. I cannot vote for someone who will not be willing to fight for dignity for ALL Americans, no matter their skin color, gender or who they love. Running for Senate in the state of Tennessee is a woman named Marsha Blackburn. As much as I have in the past and would like to continue voting for women in office, I cannot support Marsha Blackburn. Her voting record in Congress appalls and terrifies me. She voted against equal pay for women. She voted against the Reauthorization of the Violence Against Women Act, which attempts to protect women from domestic violence, stalking, and date rape. She believes businesses have a right to refuse service to gay couples. She also believes they should not have the right to marry. These are not MY Tennessee values. I will be voting for Phil Bredesen for Senate and Jim Cooper for House of Representatives. Please, please educate yourself on the candidates running in your state and vote based on who most closely represents your values. For a lot of us, we may never find a candidate or party with whom we agree 100% on every issue, but we have to vote anyway. So many intelligent, thoughtful, self-possessed people have turned 18 in the past two years and now have the right and privilege to make their vote count. But first you need to register, which is quick and easy to do. October 9th is the LAST DAY to register to vote in the state of TN. Go to vote.org and you can find all the info. Happy Voting! 🗳😃🌈

Taylor Swiftさん(@taylorswift)がシェアした投稿 -

「これまで私は、自分の政治的意見を表明することには消極的だったけれど、この2年間に、自分の人生にも世界にもいろいろなことが起こり、今はまったく気持ちが変わった」と、テイラーは書いている。

「私はこれまでも、そしてこれからも、この国で当然認められるべきだと私は信じている人権を守り、そのために闘ってくれるのはどの候補者かということを基準に投票する。私はLGBTQの権利のための闘いを信じているし、性的指向や性別で差別することはどんな形であれ、間違っている。この国に、まだ有色人種に対する組織的な人種差別があるのは恐ろしいし、吐き気を覚えるし、それが蔓延している」

「私は、肌の色や性別や誰を愛するかにかかわらず、すべてのアメリカ人の尊厳のために闘おうとしない人には投票できない」

テイラーはこれまで、2016年の大統領選挙の時も、それ以降も、トランプ大統領に対して異議を表明しない数少ないアメリカ人シンガーのひとりとして、非難されてきた。しかし、フェミニズムといった政治的問題については発言し、2013年には自身もセクハラ被害を受けたことから、#MeToo運動では活発な活動家となった。また、3月には、銃規制を訴える「命のための行進」(March For Our Lives)キャンペーンでも支援を表明していた。

(私説・論説室から)国民投票という劇薬 - 東京新聞(2018年10月10日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2018101002000176.html
https://megalodon.jp/2018-1010-2159-40/www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2018101002000176.html

英国と欧州連合(EU)の離脱交渉が行き詰まっている。「合意なき離脱」の場合、企業撤退などの経済的打撃だけでなく、英国からEU加盟国への航空便運航認可手続きの煩雑化など、影響は計り知れないという。離脱を決めた二年前の国民投票なかりせば、との思いを強くする英国民は多いはずだ。
人ごとではない。自民党総裁選で三選を果たした安倍晋三首相は、憲法改正国民投票をと意気込む。民意を直接問う体裁の国民投票だが、危うさがいっぱいだ。国民投票法のCM規制は投票十四日前からの放映を禁じているだけ。民放連もCM量の自主規制はしない方針だ。資金があれば、国会発議から六十〜百八十日の投票運動期間中の大半で、CMを活用して改憲を刷り込むことができる。
英国の国民投票では有料のCMが禁止されている。それでも、「移民が社会保障を食いものにしている」など根拠のあやふやな言説が飛び交い、離脱賛成を後押しした。カネをかければ、もっとバラ色の「離脱後」を脚色することもできただろう。
ドイツには国民投票制度はない。ヒトラーに全権を委ねる「総統職」設置などが、国民投票での圧倒的な支持でお墨付きを得たナチ時代への反省からだ。国民投票は劇薬だ。英国の苦境を肝に銘じたい。もっとも、EU離脱撤回への道を開くやり直し国民投票は、良薬になるかもしれないが。  (熊倉逸男)

加計氏の会見 国政調査権を使わねば - 東京新聞(2018年10月10日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018101002000175.html
http://web.archive.org/web/20181010001545/http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018101002000175.html

知らぬ・存ぜぬ−。学校法人「加計学園」の加計孝太郎理事長の会見は結局は、国民の疑念を晴らす内容ではなかった。あいまいな姿勢を続ける以上、加計氏らを国会に呼び解明すべきである。

記者「(愛媛)県文書に全く目を通していないのか?」

加計氏「はい」

記者「県文書を基に、渡辺氏に聞き取りをしていないのか?」

加計氏「はい」

渡辺氏とは岡山理科大獣医学部愛媛県今治市)の開設をめぐり、「理事長と安倍晋三首相が面会した」と同県や同市に虚偽の説明をしたという人物だ。学園事務局長の渡辺良人氏である。
愛媛県の文書は、首相が加計氏と二〇一五年二月に面会し、学部新設の説明を受けたとの学園側の報告に基づく文書であり、極めて重要な内容だ。
同年四月には首相官邸で県と市、学園側が当時の首相秘書官の柳瀬唯夫氏と面会した。そのとき柳瀬氏が語った「本件は首相案件」などと書かれた文書もある。
加計氏は二月の首相との面会も「記録がないので会っていないと思う」と否定。柳瀬氏の件も「知らない。(中略)詳細は分からない」と言うばかりだ。
獣医学部の新設では九十三億円を補助する今治市に対して、同県は三十一億円を支援する。今年七月には県議会が「いまだ混迷した状況が続く。学園自ら疑念を晴らす説明をすべきだ」という決議を全会一致で採択していた。
それを受けての会見だったのに、加計氏が文書も読まず、内部の聞き取りもしないで臨むとは、あまりに不誠実すぎる。とくに渡辺氏が県市に対し、虚偽の説明をしていたなら、ウソで新学部認可にたどり着いたことになりはしないか。「事が前に進まず、勇み足だった」(加計氏)程度の認識では許されない。
もはや国政調査権で真相解明を進めるべきだ。加計氏や首相、県市の関係者に国会で真実を語ってもらおう。
あやふやなまま幕引きではいけない。国民の関心も高い。多額の税金が絡んでいる。
国家戦略特区の活用で開設できた新学部だ。特区の議長は首相でもある。仮に一五年二月の首相の「いいね」の言葉が開設の弾みになったなら、行政のゆがみを招いたのではないか。首相の国会答弁とも矛盾する。新学部をめぐる「腹心の友」との関係を国会で徹底追及すべきである。

日韓宣言20年 東アジア安定を視程に - 東京新聞(2018年10月10日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018101002000174.html
https://megalodon.jp/2018-1010-0859-08/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018101002000174.html

相互理解と信頼を目指す日韓パートナー宣言が出てから、二十年が過ぎた。朝鮮半島をめぐる情勢が急変している今こそ、両国の協力が重要だ。宣言が示した未来志向の関係を再確認したい。
小渕恵三首相と金大中(キムデジュン)韓国大統領が、「日韓パートナーシップ宣言」に署名したのは、一九九八年十月八日のことだ。
宣言の中で小渕首相は、植民地支配をめぐり「痛切な反省と心からのお詫(わ)び」を表明した。
日韓政府間の合意文書に、歴史認識が盛り込まれたのは初めてだった。一方、金大統領は、日本の国際社会への貢献を高く評価しており、今でも日韓間の最重要文書の一つだ。
この宣言を受け、韓国では日本文化の開放が実施され、韓国の映画館では日本のアニメなどの映画が大ヒット、書店には日本人作家の特設コーナーが広がった。
日本でも、韓国ドラマやKポップのブームが起きた。日韓間の人的交流は今年、一千万人の大台を超える見通しだ。
両指導者の知恵とビジョンによって、両国の文化面の交流が飛躍的に拡大したといえる。しかし、歴史認識をめぐって、両国間には火種がくすぶったままだ。
海上自衛隊は、韓国南部済州島で開かれる国際観艦式への護衛艦派遣を見送った。韓国側から自衛艦旗旭日旗」の掲揚を自粛するよう求められたためだ。
両国のネット上を中心に、感情的な反応が噴き出した。過去を直視し、相手を認めるという「パートナーシップ宣言」の精神を忘れてしまったかのようだ。
公益財団法人「日韓文化交流基金」が先月実施した両国大学生の交流事業では、会員制交流サイト(SNS)の共同運営や、日本で韓国の歴史をまなぶ機会の拡大を望む意見が出たという。
相互理解を目指す、新たな交流方法を探る工夫も必要だろう。
朝鮮半島を取り巻く状況が、激しく動いている。非核化をめぐる交渉はヤマ場を迎え、二回目の米朝首脳会談が実現する可能性も高まっている。
関係する米国と中国は貿易問題などで対立を深めているが、日韓両国は、民主主義や市場経済といった価値観を共有している。
九日に都内で開かれた式典で安倍晋三首相は、日韓関係の発展を約束した。東アジアに永続的な安定を実現するために、両国の多面的で、成熟した協力関係が欠かせないことを忘れてはならない。

「声上げられない人々の声に」 ノーベル平和賞ムラドさん - 東京新聞(2018年10月9日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201810/CK2018100902000059.html
https://megalodon.jp/2018-1010-0805-14/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201810/CK2018100902000059.html

【ワシントン=後藤孝好】過激派組織「イスラム国」(IS)に性奴隷として拘束され、被害者の立場から性暴力根絶を訴えてことしのノーベル平和賞に選ばれたイラク人女性ナディア・ムラドさん(25)が八日、首都ワシントンで記者会見し、「声を上げられない人々の声になり、正義を求めている人々のために立ち上がる」と今後の活動への決意を語った。
ムラドさんが五日の授賞決定後、公の場で話すのは初めて。ノーベル平和賞について「私にとって驚きだったが、とても光栄で、同時に大きな責任を感じている」と重みをかみしめ、「世界中の性暴力の被害者を含めた全ての戦争の被害者と賞を分かち合いたい」と述べた。
自らの活動について「中東や世界で迫害された地域社会や、性暴力の被害者を守るという大きな目的がある」と強調。「全ての政府に大量虐殺と性暴力と闘うことを求める。世界は道徳的、法律的な責任を負うべきだ」と国際社会に積極的な取り組みを求めた。
ムラドさんはイラク北部出身のクルド民族少数派ヤジド教徒。ISの襲撃に遭い、家族を虐殺され、自身は繰り返しレイプされたり拷問を受けたりした末に脱出し、紛争で犠牲になる女性の現状を伝える活動を続けている。
平和賞の賞金を何に使うかを問われたムラドさんは「五十万ドル(約五千六百万円)は(ISに)とらわれた約三千人のヤジド教徒を取り戻すのに足りない。一人(を取り戻すのに)二万〜三万ドルかかるのだから」と述べ、ISが支配地域からほぼ掃討された後も問題が解決していない実態を訴えた。
二〇一八年のノーベル平和賞は、ムラドさんと、民兵らによる性被害に遭った女性ら五万人以上を診療し、紛争地域での性暴力撲滅に取り組むコンゴ(旧ザイール)のデニ・ムクウェゲ医師(63)に贈られることが決定している。

いじめ訴え自殺未遂3回 川口の男子中学生 第三者委が調査 - 東京新聞(2018年10月9日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201810/CK2018100902000058.html
http://web.archive.org/web/20181009105529/http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201810/CK2018100902000058.html

埼玉県川口市立中の男子生徒(14)が入学当初からいじめを受けたとして、三回にわたり自殺を図っていたことが市教育委員会への取材で分かった。首をつるなどしたが一命を取り留めた。学校側はいじめがあったと認め、第三者委員会が詳しい事実関係を調査している。
市教委によると、生徒は二〇一六年四月に入学。五月ごろから、サッカー部の同級生や先輩に悪口を言われたり仲間はずれにされたりした。
生徒は同年九〜十月、自宅で二度首をつり一時意識不明となったほか、昨年四月には自宅近くのマンション三階から飛び降り、頭蓋骨などを折る重傷を負った。
生徒は一度目の自殺未遂の前、いじめ被害を訴える手紙を担任教諭に手渡していたが、学校側はいじめに該当する事案がないとの調査結果を生徒側に伝えていた。生徒は一時不登校となり、学校側がいじめがあったと認めたのは、飛び降り自殺を図った後だった。
一部のサッカー部員や保護者は生徒に謝罪した。市教委は「事態を重く受け止め、再発防止に向けて取り組む」としている。

新在留資格 送還拒否の一部の国を除外 法務省方針 - 毎日新聞(2018年10月10日)

https://mainichi.jp/articles/20181010/k00/00m/010/158000c
http://archive.today/2018.10.10-074748/http://mainichi.jp/articles/20181010/k00/00m/010/158000c

政府が来春の導入を目指す外国人労働者受け入れ拡大のための新たな在留資格で、法務省出入国管理業務上の支障があると判断した国からの受け入れに制約を設ける方針を決めた。(1)日本から強制退去となった外国人の身柄を引き取らない国からは受け入れない(2)乱用的な難民認定申請や不法滞在者が多い国は在留資格付与を厳重に審査する−−方向で検討している。
法務省入国管理局によると、不法滞在や刑事事件で有罪が確定するなどして強制退去を命じられた外国人を収容する施設は全国に17カ所ある。これらは一時的な収容施設との位置付けで、自ら出国すれば身柄の拘束はすぐに解かれるが日本での生活の継続を望んで送還を拒む収容者も多い。
また、「国際慣習上は自国の送還者の受け入れ義務がある」(同省幹部)にもかかわらず、一部には履行を拒む国もある。例えば、イランは自国の憲法の規定(居住移転の自由)を理由に本人が帰国を希望しない限りは、送還に必要な旅券発給や身柄引き取りを拒否している現状があるとされる。その影響もあって、2016年末の収容者は1133人(うち6カ月以上の長期収容者313人)だったが、今年7月末には1309人(同709人)となり、収容の長期化も進んでいる。
新資格が導入されると、さらに不法滞在者などが増加する懸念もある。同省は、送還に非協力的で「送還忌避」を助長しているような国を新資格による受け入れ対象から外してリスクの低減を図りたい考えだ。
一方、難民認定申請を巡っては10年3月、申請から半年経過後には国内での就労を可能とした結果、申請者が急増。今年1月、明らかに難民該当性のない外国人は初回の申請でも在留期限後に強制退去とするなどの措置を講じている。今年上半期の申請者は8年ぶりに減少したが、乱用・誤用的な申請は消えていない。法務省は乱用的な申請が目立つ国は、新資格付与に厳重な審査が必要と判断した。

【和田武士】


外国人労働者の新在留資格
政府は、人手不足が深刻な介護や建設などの業種を対象に新たな在留資格を設ける入管法改正案を臨時国会に提出する方針だ。一定の技術水準と日本語能力を身につけた就労人材を想定し、(1)在留期間は原則として最長5年(2)家族の帯同は認めない−−などの内容。成立すれば来春から受け入れ拡大が始まり、昨年末時点で約256万人と過去最多だった在留外国人の更なる増加は確実だ。

「辺野古」への政府対応 もう押しつけは通じない - 毎日新聞(2018年10月10日)

https://mainichi.jp/articles/20181010/ddm/005/070/069000c
http://archive.today/2018.10.10-130642/https://mainichi.jp/articles/20181010/ddm/005/070/069000c

翁長雄志(おながたけし)前沖縄県知事の県民葬に政府から菅義偉官房長官が出席し、「基地負担の軽減に向けて一つ一つ確実に結果を出していく決意だ」との安倍晋三首相の弔辞を代読した。
週内には玉城(たまき)デニー新知事が東京を訪れ、菅氏ら関係閣僚と会談する見通しとなっている。
4年前の翁長知事就任時、首相や菅氏が4カ月も会談せず、県との対立を決定的にしたのと比べれば、政権側は対話に前向きなようだ。
ただし、玉城氏が米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に明確に反対しているのに対し、政権側は米政府と合意した計画通りに移設を進める姿勢を崩していない。
首相は「沖縄に寄り添う」と繰り返してきた。ならば、2回の知事選で示された「辺野古ノー」の民意にきちんと向き合うことが必要だ。
外交・安全保障政策は確かに政府が責任を負う。日米安保条約に基づく履行義務もある。
一方で憲法地方自治を定める。どこに基地を置くかまで地域の理解を得ずに政府が勝手に決めてよいことにはならない。そのような押しつけは国と地方を対等な関係とうたう地方自治法の精神にも反する。
翁長氏の訴えた「沖縄の自己決定権」を踏みにじるかのような政府の対応が反発を買い、沖縄知事選で史上最多の39万票という玉城氏の得票につながったと考えるべきだ。
そうした反省に基づき、県側が方針決定に関与できる形で真摯(しんし)な協議を行うほかに打開策はない。
安倍政権は翁長県政時代、1カ月の集中協議期間を設けたり、裁判所の和解案で県側との協議を促されたりした経緯がある。そのたびに形だけ話を聞き、移設工事を強行するアリバイづくりに使ってきたのではないか。同様の姿勢を続けるなら、問題解決の道は遠のくばかりだ。
知事選では政権として全面支援した佐喜真淳(さきまあつし)氏が日米地位協定の改定を強く訴えた。公明党も協定見直しを政府に申し入れている。
これは米軍に絡む事件・事故に苦しんできた沖縄が長年求めていることである。知事選で負けたからといって検討しないのは不誠実だ。
沖縄の基地負担軽減は政府が一方的に進めるものではなく、ともに話し合っていくことが望ましい。

(大弦小弦)隣に座った年配の男性は… - 沖縄タイムス(2018年10月10日)


http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/327637
https://megalodon.jp/2018-1010-2205-28/www.okinawatimes.co.jp/articles/-/327637

隣に座った年配の男性は頬をつたう涙をぬぐいもせず、祭壇を見つめていた。9日に行われた翁長雄志前知事の県民葬。身じろぎもしなかった男性が急に大声を出したのは、菅義偉官房長官のあいさつのときだった

▼「うそつけ」。安倍晋三首相の追悼の辞の代読で、基地の負担軽減に結果を出すと述べた直後、吐き捨てるように言った

▼男性の声に、翁長氏の言葉を思い出した。「ウチナーンチュ、ウシェーティナイビランドー(沖縄の人をないがしろにしてはいけない)」。2015年、辺野古新基地建設阻止を訴える県民大会での言葉は、多くの人の心に刻まれているのではないか

▼政府が繰り返す負担軽減の言葉とは裏腹に、米軍絡みの事件・事故は絶えない。過重な負担を背負い、新しい基地まで押し付けられる不条理や本土の無理解を端的に表している。言葉だけの負担軽減はもはや「うそ」でしかないのだ

▼翁長氏は、基地問題を沖縄の歴史からひもとき、県民の苦悩、怒りを国内外に訴えてきた。複雑な県民感情を「魂の飢餓感」とも表現し、国と対峙(たいじ)した

▼翁長氏が残した言葉をたどる「『言葉』展」がタイムスギャラリーで始まった。座右の銘は「人生は重荷を負うて 遠き道をゆくが如し」。直筆の色紙や数々の言葉に触れるとき、沖縄の未来を考えずにはいられない。(赤嶺由紀子)

(翁長前知事県民葬)新基地建設反対を継承 - 沖縄タイムス(2018年10月10日)

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/327638
https://megalodon.jp/2018-1010-2206-57/www.okinawatimes.co.jp/articles/-/327638

膵臓(すいぞう)がんのため67歳で急逝した翁長雄志前知事の県民葬が、那覇市の県立武道館で執り行われた。
県内外から多くの人が参列し、辺野古新基地建設を巡り、沖縄の自治と民主主義を守るため、命を削るように政府と対(たい)峙(じ)した翁長氏の功績をしのんだ。改めて哀悼の意を表したい。
県民葬は屋良朝苗氏、西銘順治氏、大田昌秀氏の歴代知事に次いで4人目である。
屋良氏ら3氏が知事退任後に死去したのに対し、翁長氏は在任中の急逝による県民葬である。何よりも大きく違うのは、4年近くの在任中のほぼ全てを選挙で示された「民意」を背に、政府と対峙し続けたことだ。
翁長氏は亡くなる直前、辺野古埋め立て承認の「撤回」を表明し、政治家の公約の重さを身をもって示した。
病魔に侵され、死期が迫っているのを感じながら、最後の気力を振り絞って撤回の手続きに入るよう指示したのである。
会場には、子ども連れの若い母親の姿も目立った。「翁長さんを記憶にとどめてほしい」と孫を連れてきたお年寄りもいた。
会場に入りきれない人のために場外に大型モニターが設置され、多くの人が見入った。急逝からまだ2カ月しかたっていない時期の県民葬である。穏やかにほほ笑む遺影を見て会場のあちらこちらで涙ぐむ人たちがいた。
公約を破ったり、うそをついたりする政治家が増え、政治不信がまん延する中にあって、有権者と翁長氏が固くつながっていたことを改めて示した。

■    ■

厳かに進行する県民葬の静寂さが破られたのは、沖縄基地負担軽減担当相を兼務する菅義偉官房長官が追悼の辞を述べた時である。
菅氏は「沖縄県に大きな負担を担っていただいているこの現状は到底是認できるものではない」「基地負担の軽減に向けて一つ一つ確実に結果を出していく決意」などと語った。
参列者から「うそつき」「いつまで基地負担を押し付けるんだ」などの怒りの声が飛び交った。会場は一時騒然とした。
県民葬で浮かび上がったのは県と政府の溝の深さである。菅氏が本気で沖縄の過重負担を「到底是認できるものではない」と思っているのなら、撤回を無効にする法的対抗措置をやめるべきである。
県の撤回を受け入れ、玉城デニー知事が求めている対話に応じるべきだ。

■    ■

翁長氏の遺志は新基地に明確に反対して知事選で大勝した玉城知事に引き継がれた。
玉城知事は式辞で、「あらゆる手法を駆使して新基地建設の阻止に取り組み、国と対峙しながらも沖縄の民意を強く訴え続け、多くの県民の共感を得た」と翁長氏の功績をたたえた。
翁長氏が繰り返し訴えた「イデオロギーよりアイデンティティー」である。基地を挟んで経済か平和か、と二者択一を迫られる現状に終止符を打つために、私たちも深く胸に刻みたい。

首相の追悼の辞 空疎で虚飾に満ちている - 琉球新報(2018年10月10日)

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-816260.html
http://archive.today/2018.10.10-065138/https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-816260.html

菅義偉官房長官翁長雄志前知事の県民葬に参列し、安倍晋三首相の追悼の辞を代読した。拍手はなく、怒号が飛んだ。空疎で虚飾に満ちていたからだ。
官房長官は4年前、知事に就任した翁長氏との面談を4カ月も拒み続けた。沖縄の民意を一顧だにせず、米軍普天間飛行場の移設に伴う新基地建設を名護市辺野古で強行する中心人物だ。
新基地建設に反対する翁長氏は2015年4月、知事として初めて菅氏と会談した際「官房長官は『粛々』という言葉を何回も使う。埋め立て工事に関し問答無用という姿勢が感じられる。『沖縄の自治は神話だ』と言った最高権力者キャラウェイ高等弁務官の姿と重なる」と苦言を呈している。
1961年、琉球政府立法院議員だった平良幸市氏(後の知事)は米国施政下の理不尽な状況を踏まえ、沖縄を訪問した国会議員団に対し「何のかんばせ(顔)あって沖縄県民に相まみえんや、というお気持ちから(議員団は)おいでになるまいという声もあった」と不満を示した。
住民の意思に反して基地を押し付けられている沖縄の立場は今も大して変わらない。高等弁務官が首相や官房長官に代わっただけだ。
菅氏の参列に「何のかんばせあって」という印象を持った県民も少なくないだろう。今や官房長官は沖縄への圧政を象徴する存在と言っていい。政権の高圧的な姿勢が翁長氏の健康を害する一因になった可能性も否定できない。
追悼の辞で首相は、沖縄の過重な基地負担について「現状は到底是認できない」とした上で、「政府としてもできることは全て行う。目に見える形で実現するという方針の下、基地負担の軽減に向けて一つ一つ確実に結果を出していく決意だ」と宣言した。
「政府としてできることを全て行う」と言うのなら、なぜ、県知事選で明確になった新基地建設反対の民意を尊重しないのか。
追悼の辞では「沖縄県民の気持ちに寄り添いながら、沖縄の振興、発展のために全力を尽くす」とも述べている。
県は、仲井真弘多元知事による新基地建設予定地の埋め立て承認を8月31日に撤回した。これを受け安倍政権は法的対抗措置を取る構えを見せてきた。
県民の大多数が反対する新基地を造ることが県民に寄り添うことなのか。読み上げた官房長官自身、矛盾を感じなかったのだろうか。
首相は「翁長前知事の沖縄にかける思いをしっかり受け止めて沖縄の振興をさらに前に進めることを誓う」と言明している。
本当に翁長氏の思いを受け止めるのなら、新基地建設を直ちに中止し、県内移設を伴わない普天間飛行場の全面返還を米側と交渉することだ。それが翁長氏の遺志に応える唯一の道である。

<金口木舌>翁長さんを送って - 琉球新報(2018年10月10日)

https://ryukyushimpo.jp/column/entry-816261.html
http://archive.today/2018.10.10-131012/https://ryukyushimpo.jp/column/entry-816261.html

出勤途中、那覇市内の路地で路肩を覆う木の葉や小枝を掃き清めている女性を見掛けた。台風去りし後の、いつもの光景である。2週連続の台風に多くの県民が振り回された

▼県出身芥川賞作家の東峰夫さんの小説「島でのさようなら」を思い出す。台風を食らった島人の慌てぶりをコミカルに描く。「はあもお!昨夜のからっ風は、あんしバンバン暴れたるやア!」というせりふに実感がこもる
▼東さんによると、台風に襲われた後の沖縄は「晩秋のいろ、たそがれの色」に覆われるという。暴風が運んだ潮風をもろにかぶった緑葉が赤茶けてしまうのを指している。それを「悲しい光景」と書いた東さんに共感する
▼今度の台風で、いつも見ていた街路樹や畑に植わっていたバショウが倒れた。それでも島は元気を取り戻すだろう。台風に幾度も襲われた島の歴史と風土、その中で育まれた島人の生きる知恵のたまものだ
翁長雄志さんを送る日にふさわしい天気と言えばよいだろうか。県民葬はさわやかな晴天に恵まれた。「はいさい」という明るい声とあの笑顔が浮かんでくる。それぞれの場で県民は前知事を悼み、沖縄の将来像を思い描いたであろう
▼知事選後、沖縄いじめの雨あられがネット上で広がった。辺野古新基地に絡んだ突風が吹くかもしれぬ。それをしのぐ知恵を島人の歩みに求めたい。きっとあるはずだ。

粗悪学術誌 「ハゲタカジャーナル」に名大と新潟大が対策 - 毎日新聞(2018年10月10日)

https://mainichi.jp/articles/20181010/k00/00m/040/164000c
http://archive.today/2018.10.10-012218/https://mainichi.jp/articles/20181010/k00/00m/040/164000c

インターネット専用で、質が十分に保証されていない粗悪な学術誌「ハゲタカジャーナル」が増えている問題で、名古屋大と新潟大は、研究者のヒアリングや論文の投稿ルール作りなど独自の対策に乗り出す方針を決めた。両大は、ハゲタカジャーナルに学内から多数の論文が投稿されていたことが毎日新聞などの調査で判明している。学問の自由は憲法で保障されているが、大学の研究実績に疑義が生じることを防ぐ狙いがある。既に九州大が研究者への指導を始めており、国内で対策が広がり始めた。【鳥井真平】


内容チェック(査読)がずさんで、料金を払うだけで掲載されるなど多くの問題を抱える学術誌を専門家が「ハゲタカジャーナル」と呼んでいる。科学的に妥当と言えない成果でも、投稿すれば「国際誌に掲載された」とお墨付きが与えられ、世の中に広まる恐れがある。研究者が粗悪誌と知らずに投稿した例もあるが、「業績の水増しのため投稿した」と証言した研究者もいる。
毎日新聞は専門家の協力を得て、ハゲタカジャーナルを出しているとされる海外の出版社が発行する327誌に投稿された論文を調査。日本から5076本が投稿され、九州大は最多の147本、新潟大は4番目の102本、名大は5番目の99本の投稿が見つかった。
これを受け、名大は早急に対策を取る方針。所属研究者に注意喚起した上で、粗悪な学術誌に論文がどの程度投稿されているか実態調査する。最も投稿が多かった学部を重点的に調べ、投稿経験者を抽出してヒアリングする考えで、投稿理由や査読の実施状況などを聴き、問題が見つかれば改めて対応を検討する。
憲法は、研究成果の発表の自由など「学問の自由」を保障しており、大学が論文の投稿先について研究者から直接事情を聴くのは異例。名大の高橋雅英副学長は「査読なしで論文を掲載しているなら学術誌とは言えない。大学の信頼や研究者モラルに関わる問題で、対策をしっかり取る」と話す。
一方、新潟大は9月、ハゲタカジャーナルへの投稿を控えるよう、年内にも学術誌への論文投稿ルールを新たに設けることを決めた。全研究者に注意喚起し、研究倫理教育セミナーでハゲタカジャーナルの存在を周知する。新潟大の担当者は「国民の信頼を失いかねない事態だ」と危機感を示している。
研究倫理に詳しい榎木英介・近畿大講師(病理学)の話
大学でハゲタカジャーナル対策が広がっているのは危機感の表れで、歓迎すべきだ。研究者には論文の投稿先を決める自由があるが、ハゲタカジャーナルに掲載された論文を根拠に悪質な食品や薬などが作られ、人々が健康を害する可能性もある。憲法は学問の自由を保障するが、世の中に与える可能性がある悪影響を考えると対策は必要だろう。科学研究費補助金科研費)を出す国も注意喚起すべきだ。