(政界地獄耳)モリカケの線ではなくスパコンの闇か? - 日刊スポーツ(2018年7月5日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201807050000269.html
http://archive.today/2018.07.05-010203/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201807050000269.html

文科省に衝撃が走った。4日、東京地検特捜部は自分の子供を大学に合格させてもらう見返りに文部科学省の支援事業の対象校とするよう取りはからったとして、受託収賄容疑で文科省科学技術・学術政策局長・佐野太容疑者を逮捕した。当然、政界もすわ森友・加計疑惑関連の延長線上の話かとなったが文科省関係者が言う。「旧科学技術庁出身なのでラインは違うが、場合によっては次の次の次官候補の1人だった。それでもこんな事件は、最近では相当珍しいのではないか」。
★該当する大学は東京医科大。別の政界関係者が言う。「今、同大は経営陣の内紛を抱えていて、そのラインから広がった話ではないかとの見方がある。日大や加計学園ではないが、少子化の今、私学はいろいろあるよ」と解説する。その一方、全く別の事件ではないかとの指摘もある。昨年12月のスーパーコンピューター開発企業の幹部らが「新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)」の助成金約4億3100万円をだまし取った容疑で「ペジーコンピューティング」社長・斉藤元章被告が逮捕された事件、いわゆるスパコン詐欺事件につながるのではないかとの指摘がある。
スパコン開発の第一人者といわれた斉藤被告が元TBSワシントン支局長だった山口敬之を顧問に迎え、官邸とのパイプを強調しながら、一方で詐欺事件とはアンバランスな話だと思うが、その時の家宅捜索で、この事件や佐野容疑者の関与が明るみに出たのではないかとの説だ。そこからこの事件の見方が分かれる。たまたま発覚した単独事件の線と、もう1つはスパコン助成金の闇がいまだに多くあり、その闇を熟知しているのが佐野容疑者だったとの線。いずれにせよ、東京地検は官邸に具申したのちの逮捕だとすると、後者か。(K)※敬称略

「官邸のリークなのか」疑心暗鬼の文科省 受託収賄容疑で局長逮捕の衝撃 - AERA dot. (2018年7月4日)

https://dot.asahi.com/aera/2018070400100.html?page=1
http://archive.today/2018.07.05-005318/https://dot.asahi.com/aera/2018070400100.html?page=1

「こんな昭和みたいなこと、誰がやるんだよ」

東京地検特捜部が文部科学省科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者(58)=東京都港区=を受託収賄容疑で逮捕したと発表。この報道に、文科省内ではそんな怒号が飛んでいたという。
特捜部によれば、佐野容疑者は官房長だった2017年5月、私立大学の関係者から文科省の私立大学支援事業の対象校に選定するよう依頼され、その見返りに今年2月、息子がこの大学を受験した際に点数を上乗せさせ、合格させた疑いがある。複数の文科省関係者が、その私立大学が東京医科大学だと本誌の取材に答えた。
東京医科大は東京地検の捜査を受けていることを明らかにし、「大学として捜査に全面的に協力している」というコメントを発表した。
「なぜこのタイミングなのか。特捜が動いているということは、官邸のリークなのか。目的は何なのか。省内は疑心暗鬼になっている」
文科省の中堅職員はそう話す。
「官邸が目の敵にしている前川さん(喜平・元文部事務次官)が在籍した旧文部省へのいじめならわかりますが、佐野は旧科学技術庁出身者です。目的がわからない」(同前)
そして、このタイミングだったのはなぜ、なのか。文科省の職員が愚痴るのも無理はない。くしくも今日、7月4日は官庁訪問の初日だった。官庁訪問とは、簡単に言えば霞が関版の会社訪問だ。官僚志望の学生が希望官庁を訪問し、話を聞いたりする採用プロセスの一つだ。文科省にとっては、今日が就活解禁日と言える。
先の中堅職員は嘆く。
加計学園問題でただでさえイメージが悪化したなか、それでもきちんと説明し、優秀な人材をとっていく必要があった。だけど初日にこんな事件が起こったら、もう何も言い訳できない。来年、優秀な人材が文科省に入ってくるのか……」
佐野容疑者は1985年に科学技術庁(当時)に入庁。文科省の官房総括審議官などを歴任し、17年7月から科学技術・学術政策局長を務める。林芳正文科相は記者団の取材に対し、「現職の職員が逮捕されたことは誠に遺憾であり、捜査に全面的に協力したい」と述べている。(AERA編集部・澤田晃宏)

AERAオンライン限定記事

文科省局長を受託収賄容疑で逮捕 東京地検特捜部 - NHKニュース(2018年7月4日)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180704/k10011508451000.html
http://archive.today/2018.07.04-194934/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180704/k10011508451000.html

文部科学省の局長が、私立大学の支援事業をめぐって東京医科大学に便宜を図る見返りに、受験した自分の子どもを不正に合格させたとして受託収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。
受託収賄の疑いで逮捕されたのは文部科学省科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者(58)で、東京地検特捜部は東京 霞が関文部科学省を捜索しました。
東京 港区の会社役員、谷口浩司容疑者(47)も収賄のほう助の疑いで逮捕されました。
特捜部の調べによりますと、佐野局長は文部科学省の官房長だった去年5月、私立大学の支援事業をめぐって、東京 新宿区にある東京医科大学に便宜を図る見返りに、ことし2月、東京医科大学を受験した自分の子どもを不正に合格させたとして受託収賄の疑いが持たれています。
佐野局長は谷口役員を通じて東京医科大学の関係者と知り合い、この関係者から文部科学省が特色ある研究に対して費用を支援する「私立大学研究ブランディング事業」の対象校に東京医科大学が選定されるよう要請されていたということです。
そして選定に便宜を図る見返りとして、佐野局長の子どもの入学試験の点数がこの関係者らの裁量で加算された疑いがあるということで、特捜部は点数の加算などが賄賂にあたると判断しました。
この事業には昨年度55億円の予算が計上され、188の大学が申請して東京医科大学を含む60校が選定されていました。
特捜部は文部科学省の支援事業の選定をめぐる詳しい経緯について実態解明を進めています。
特捜部は2人の認否を明らかにしていません。
「私立大学研究ブランディング事業」とは
今回、佐野局長が便宜を図るよう求められたとみられる事業は、文部科学省の「私立大学研究ブランディング事業」と言われるものです。
私立大学への補助事業として平成28年度からスタートし、昨年度は55億円の予算が計上されました。
学長のリーダーシップのもと、特色ある研究を打ち出す私立大学に対して経常費や設備費などを最長5年間支援するのが特徴です。
昨年度は188の大学が申請し、東京医科大学を含む60校が選定されていました。
東京医科大学のホームページにも、去年11月8日付けで手術ロボットの実用化などがこの事業に選定されたことが紹介されています。
佐野局長の略歴
逮捕された文部科学省の佐野太局長は、昭和60年に当時の科学技術庁に入庁し、山梨大学の副学長や文部科学省の会計課長などを歴任しました。
そして、私立大学の支援事業の選定で東京医科大学の関係者から便宜を図るよう依頼された去年5月には、文部科学省の官房長を務めていました。
この官房長の時には、文部科学省は、組織的な天下りが問題となり、当時の前川事務次官が辞任するなど合わせて43人が懲戒処分を受ける前例のない事態となっていました。
その後、去年7月からは科学技術・学術政策局の局長を務めていました。
「有給休暇を取る」と佐野局長から電話
文部科学省科学技術・学術政策局の科学技術・学術総括官によりますと、4日朝、佐野局長本人から「きょうは有給休暇を取る」と秘書に電話があったということです。休みを取る理由については話さなかったということです。
文科相「誠に遺憾 捜査に全面協力」
文部科学大臣は午後5時半ごろ、文部科学省で記者団に対し、「法務省から説明を受けて承知している。現職の職員が逮捕されたことは誠に遺憾であり、文部科学省としては今後、捜査に全面的に協力していく」と述べました。
そのうえで「逮捕されたのが現職の局長なので、任務を遂行することは難しいと思うので、何らかの措置を速やかに取りたい」と述べました。
局長は事務次官が兼任
文部科学省は、佐野太科学技術・学術政策局長が受託収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されたことを受けて、佐野局長を大臣官房付にしたうえで、科学技術・学術政策局長は当面の間、戸谷一夫事務次官に兼任させると発表しました。
文科省職員「信じられない」「絶対許せない」
文部科学省の科学技術・学術政策局長が逮捕されたことを受けて、文部科学省の男性職員は「立場ある官僚がこのような古典的な事件を起こすなんて信じられません」と話していました。
別の女性職員は「教育をつかさどる省庁に勤めていながら、便宜を図った見返りに大学の入試で自分の子どもを合格させてもらうなんて絶対に許せません。情けないです」と話していました。
東京医科大とは
東京医科大学は東京 新宿区にある私立大学で、おととし創立100周年を迎えました。
大学のホームページによりますと、学部は医学部1つだけで、その中に医学科と看護学科があります。
また、東京 西新宿には大学病院が、東京 八王子市と茨城県阿見町には医療センターがあります。
ことし5月1日現在、学生数は医学科が6学年合わせて748人、看護学科が4学年合わせて379人となっています。
ことしの医学部医学科の一般入試では、受験者数3535人に対し、合格者数は214人、推薦入試では受験者数142人に対し、合格者数は27人となっています。
東京医科大学「厳粛に受け止め 捜査に全面協力
東京医科大学は「皆様に多大なご迷惑、ご心配をおかけしていることに深くおわびを申し上げます。東京地検による捜査を受けていることは事実であり、厳粛に受け止めております。大学として捜査に全面的に協力しているところです」というコメントをだしました。
東京医大の学生「受け入れた学校も問題」
東京医科大学の前では学生たちから憤りの声が聞かれました。
2年生の男子学生は「正しい方法で入学した学生に失礼です。医者という職業を考えても本当にあってはならないことだと思います。局長には重く受け止めて責任を取ってもらいたいです」と話していました。
4年生の女子学生は「国の組織のトップにいる人がこのようなことをするのは信じられません。私たちはきちんと勉強して入学しているのに、いくら自分の子どものためとはいえ、不公平だと思います。受け入れた学校側にも大きな問題があると思います」と話していました。

「合区」骨抜きの自民案 参院の「私物化」に等しい - 毎日新聞(2018年7月5日)

https://mainichi.jp/articles/20180705/ddm/005/070/103000c
http://archive.today/2018.07.05-014501/https://mainichi.jp/articles/20180705/ddm/005/070/103000c

参院「合区」の現職救済を目的とした公職選挙法改正案を自民党が国会に提出し、野党の反対を押し切って成立させようとしている。
改正案は来年の参院選から比例代表定数を「4増」としたうえで、各政党の比例名簿上位に「特定枠」を設けるのが柱だ。
合区となった「鳥取・島根」「徳島・高知」の候補者調整であぶれる現職を救済する狙いがある。
参院選挙区が都道府県単位を基本とする中で、人口の少ない県に限って2県を1選挙区とすることに問題があるという主張は理解できる。
しかし、憲法に基づき投票価値の平等を重視する最高裁の要請を受け、「1票の格差」を是正する暫定措置として合区を導入したはずだ。
その結果、立候補できなくなる現職がいるからといって、比例代表で優先的に当選させるという考え方は筋違いも甚だしい。それでは「裏口入学」だと私たちは言ってきた。
合区を否定するのであれば、1票の格差を是正する抜本的な制度改正に取り組むのが筋だ。来年の参院選までに結論を得ると公選法の付則に定めておいて、その努力を怠り、自分たちでつくった合区制度の骨抜きを図るご都合主義は許されない。
そもそも、あらかじめ政党が比例名簿に順位をつけておく「拘束名簿式」を、候補者の得票順に当選者が決まる「非拘束名簿式」に変更したのも自民党の党利党略だった。
それをまた部分的に拘束名簿式に戻すというのは、合区を骨抜きにすることと併せ、二重の意味で選挙制度をねじ曲げる。民主主義の土俵となる選挙制度を与党の数の力でそこまで私物化してよいはずがない。
野党では国民民主党1票の格差を最大3倍未満に抑える暫定措置として、議員1人当たりの人口が最も多い埼玉選挙区の定数を2増やし、その代わりに比例定数を2減らす「2増2減」案を主張している。埼玉の2増は自民案にも盛り込まれているが、合区救済が入っていない国民民主案の方がましだと言えよう。
伊達忠一参院議長は野党の仲介要請を拒み、対案を出して法案の審議に入るよう求めた。多数決で自民案が可決されるのを見越したもので、事実上、自民案を後押ししている。三権の長としての見識を疑う。

児童傍聴 参院もOK 規則運用見直し - 東京新聞(2018年7月5日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201807/CK2018070502000147.html
https://megalodon.jp/2018-0705-1044-08/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201807/CK2018070502000147.html

参院は4日の本会議から、保護者らが同伴する小学生の傍聴を全面的に認めた。10歳未満の子どもは原則として本会議場の傍聴席に入れないとしてきた傍聴規則の運用を見直した。衆院は2016年から傍聴を認めている。
参院傍聴規則は「10歳未満の児童は特に許可があった場合に限り傍聴席に入ることができる」と規定。事前に議院運営委員会理事会の許可を得ないと傍聴できなかった。国民民主党衆院と同様にするよう参院議運委に申し入れたのを受け、3日の理事会で規則の運用を見直し、10歳未満の小学生も原則として傍聴を認めることを決めた。
衆院は2年前、待機児童問題で「保育園落ちた」の匿名ブログに共感した保護者らが厚生労働委員会を傍聴できなかったのを機に、規則の運用を見直した。
未就学児は衆参両院ともに、議運理事会で許可された場合を除き、保護者と一緒に傍聴席に入れない。首都圏では、東京都議会や埼玉、栃木、群馬、神奈川の県議会でゼロ歳児から保護者と一緒に傍聴が可能。 (坂田奈央)

大飯差し止め 取り消し 高裁金沢支部「危険性無視しうる」 - 東京新聞(2018年7月5日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018070502000155.html
https://megalodon.jp/2018-0705-1046-01/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018070502000155.html


関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めを住民らが求めた訴訟の控訴審判決が四日、名古屋高裁金沢支部であった。内藤正之裁判長は「新規制基準に適合するとした原子力規制委員会の判断に、不合理な点は認められない。大飯原発の危険性は社会通念上、無視しうる程度にまで管理・統制されている」と述べ、運転差し止めを命じた一審福井地裁判決を取り消し、住民側の請求を棄却した。
二〇一一年三月の東京電力福島第一原発事故後の原発訴訟で、高裁判決が出たのは初めて。
控訴審の争点は、安全対策の前提として関電が想定している地震の揺れの大きさ(基準地震動)だった。元規制委員長代理の島崎邦彦東大名誉教授(地震学)が住民側の証人として出廷し「過小評価の可能性がある」と主張したが、内藤裁判長は「活断層断層面積は詳細な調査を踏まえ大きく設定しており、過小であるとは言えない」と退けた。
一四年五月の福井地裁判決は「生命を守り生活を維持するという根幹部分に対する具体的な侵害の恐れがあるときは、差し止めを請求できる。多数の人格権を同時に侵害する性質があるとき、差し止めの要請が強く働くのは当然だ」と指摘。関電の地震対策には構造的な欠陥があるとして住民側の主張を認めていた。
内藤裁判長は、現状の法制度が原発の利用を認めていることに触れ「福島原発事故の深刻な被害に照らし、原発を廃止・禁止することは大いに可能であろうが、その当否の判断はもはや司法の役割を超え、国民世論として幅広く議論され、立法府や行政府による政治的な判断に委ねられるべきだ」と述べた。

大飯原発控訴審 司法は判断を放棄した - 東京新聞(2018年7月5日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018070502000183.html
https://megalodon.jp/2018-0705-1047-22/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018070502000183.html

住民の「人格権」を尊重し、関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを認めた一審の判断は、いともあっさり覆された。「原発の是非は政治に委ねる」という裁判所。一体誰のためにある? 
福島原発事故の深刻な被害の現状に照らし、原発そのものを廃止・禁止することは大いに可能であろうが、その当否を巡る判断はもはや司法の役割を超え、政治的な判断に委ねられるべきだ」と名古屋高裁金沢支部。結局は判断の放棄であろう。
福島の悲惨な現状を認めた上で、判断を放棄するのであれば、「司法の役割」とは何なのか。
二〇一四年の福井地裁判決は、憲法一三条の幸福追求権などに基づく人格権を重んじて「具体的危険性が万が一でもあれば、差し止めが認められるのは当然だ」と言いきった。
福島原発事故のあと、初めて原発の運転差し止めを認めた画期的な判断だった。
高裁はこれを「内在的な危険があるからといって、それ自体で人格権を侵害するということはできない」と一蹴した。
内在する危険に対して予防を求める権利は認められないということか。あまりにも不可解だ。
控訴審では、耐震設計の目安となる揺れの強さ(基準地震動)の妥当性、すなわち、原発がどれほどの揺れに耐えられるかが、最大の争点とされていた。
原子力規制委員長代理で地震学者の島崎邦彦東大名誉教授は法廷で「基準地震動は過小評価の可能性があり、大変な欠陥がある」と証言した。
それでも高裁は「高度な専門知識と高い独立性を持った原子力規制委員会」が、関電側がまとめたデータに基づいて下した判定をそのまま受け入れた。そして「危険性は社会通念上無視しうる程度にまで管理・統制されているといえるから、運転を差し止める理由はない」と断じている。
ここでも規制委と関電の主張を丸のみにした判断の放棄である。
それにしても、今や原発の危険性を測る“ものさし”になってしまった「社会通念」。その正体は何なのか。
避難計画の不備や核のごみ問題などどこ吹く風と、政府は再稼働に前のめり。司法が自らの責任を棚に上げ、政治に委ねるというのなら、もはや「追従」と言うしかない。
「内在する危険」に対する国民の不安は一層、強まった。

国民投票法改正案で与党 今国会成立は見送り - 東京新聞(2018年7月5日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201807/CK2018070502000149.html
https://megalodon.jp/2018-0705-1047-22/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2018070502000183.html

自民、公明両党は四日、改憲手続きを定める国民投票法の改正案について、今国会中の成立を見送る方針を固めた。立憲民主党などの野党が早期成立に慎重な構えで、改正案を審議する衆参両院の憲法審査会で強引な運営をすれば対立が深まり、改憲案発議に向けた協議に支障が出かねないと判断した。衆院憲法審は同日の幹事懇談会で、「共通投票所」の導入など投票環境向上のための国民投票法改正案について、五日に審議入りする日程を決めた。与党などによる趣旨説明を行う。
自民党は今国会で、野党の賛同を得やすい国民投票法改正案を成立させ、本格的な改憲論議につなげる段取りを想定していた。だが、森友・加計学園問題などを巡る与野党対立のあおりで国会が空転し、改正案の提出が遅れた。国会の会期末が今月二十二日に迫ったため、成立を急がず秋の臨時国会で仕切り直すことにした。  (生島章弘)

<金口木舌>「あなたは何人(なにじん)か」・・・ - 琉球新報(2018年7月5日)

https://ryukyushimpo.jp/column/entry-753145.html
http://archive.today/2018.07.05-014958/https://ryukyushimpo.jp/column/entry-753145.html

「あなたは何人(なにじん)か」。出身地名を冠に付け大阪人や信州人という呼び方がある。くせの強さや独特のこだわりに注目して、その地域差を肯定的にとらえて使われることが多い

▼では「沖縄人」はどうか。「ウチナーンチュ」と呼ばれるのと違って、過去に「琉球人(沖縄人)お断り」と差別された歴史を想起し、嫌悪感が先立つ人もまだ多いだろう
▼本土の沖縄への無関心をテーマにした劇団東演の舞台「琉球の風」が都内の俳優座劇場で再演された。東京の旅行会社が企画した沖縄ツアーを巡り、基地問題に対するウチナーンチュと県外の人との意識の溝が浮き彫りにされていく
▼「なんで沖縄だけ特別扱いしなきゃならないの?いつも沖縄人は」「俺たちが考えたって、どうこうできる話じゃない」といらだつ東京在住の主人公。だが沖縄の現実に直接触れ、自身の無知に気付き始める
▼演出の松本祐子さんは公演の冊子で「小市民な登場人物たちが“知ることの痛み”を抱えながら紡ぐこの作品に、私もちりちりとした痛みを感じながら立ち向かっている」と書いた。その痛みはどれだけ共有されているか
▼自身を「日本人」と言うのに疑問を持たない人は多い。だが戦後73年、本土の都合で沖縄に基地が集中させられ、今なお新たな基地を強要する日本の姿を知った上で改めて聞いてみたい。あなたは何人ですか。