聞き取り 全て後付け/残業代ゼロ制度 法案作成前 0人/厚労省が示す - しんぶん赤旗(2018年6月13日)


https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-13/2018061302_05_1.html
http://archive.today/2018.06.13-160044/https://www.jcp.or.jp/akahata/aik18/2018-06-13/2018061302_05_1.html

働き方改革」一括法案に含まれる「残業代ゼロ制度」(高度プロフェッショナル制度)について、厚生労働省が必要性について聞き取り調査をした12人のうち、法案要綱の作成前に聞き取りをしたのはゼロで立法根拠にならないことが12日、分かりました。同省が、参院厚労委員会理事会に示しました。
同省が聞き取りしたのは12人。すべて企業が選んだ人ばかりで、実施時期は15年3月31日が1人、同年5月11日が2人。今年1月31日が6人、2月1日が3人。法案は15年3月2日に要綱が示されており、聞き取りはすべて後づけでした。
うち9人は、加藤勝信厚労相が自ら聞き取りをしたと答弁した後に行われたことが分かりました。同じ会社の人も複数おり、聞き取り会社は5社です。
12人のうち9人は人事担当者が同席していたことも判明。同席を指摘した、しんぶん「赤旗」日曜版の報道が裏付けられました。
聞き取り調査は、高プロの必要性を示す唯一の調査として持ち出されたものでしたが、根拠がなく、撤回する以外にないことが浮き彫りとなりました。
同日の委員会で加藤氏は、自分で聞き取りしたというのは虚偽答弁ではないかと野党から追及され、「直接聞いたとはいっていない」と述べ、自分で聴取していないことを認めました。「たまたまそういう方がいるときに、どう思うかうかがった」と言い訳しました。

18歳成人、22年4月から 改正民法など成立 - 東京新聞(2018年6月13日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201806/CK2018061302000249.html
https://megalodon.jp/2018-0614-1029-26/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201806/CK2018061302000249.html


成人年齢を二十歳から十八歳に引き下げる改正民法などが十三日、参院本会議で可決、成立した。施行は二〇二二年四月一日。一八七六(明治九)年の太政官布告と九六(明治二十九)年の民法制定から続いた大人の定義が変わる。既に十八歳以上に引き下げた選挙権年齢と合わせ、少子高齢化が進む中で若者の積極的な社会参加を促す政策の一環。次の焦点は、適用年齢を二十歳未満から十八歳未満へと引き下げる少年法の改正に移る。
成立を受け、上川陽子法相は「歴史的な改正。国民の間に理解がしっかり浸透するよう、施策の充実と啓発活動に取り組みたい」と話した。十八、十九歳も親の同意なしに契約を結んだり、ローンを組んだりすることが可能となる。消費者被害が懸念されるため、若年層保護を明確化した改正消費者契約法が八日に成立しており、一九年六月から施行される。
改正民法では、女性が結婚できる年齢を十六歳から十八歳へと引き上げ、男女で統一する。男女の区別に合理的理由がないため。成人年齢と同じになるので、未成年者の結婚に父母の同意が必要とする現行条文は削除した。
成人年齢引き下げに伴い、関連二十二法も改正。飲酒と喫煙のほか、競馬、競輪など公営ギャンブルは健康や依存症への懸念から、現行の二十歳未満禁止を維持する。
司法書士行政書士などは各法で未成年者には資格がないとしているが、いずれも改正されないため、十八歳以上で資格を持てるようになる。政府は施行までを周知期間とし、省庁横断の連絡会議が消費者被害拡大防止策などを議論する。高校などでの消費者教育も強化する方針。
本会議では、参院法務委員会で採択した「若年者の消費者被害を防止するための必要な法整備を行うこと」などを求める付帯決議も報告された。

◆審議拙速 理解広がらず
<解説> 改正民法成立により二〇二二年春から十八歳で成人になる。しかし、国民に成人年齢引き下げの理解が広がっているとは言えず、消費者被害防止策も未知数だ。明治時代以来の歴史的な定義変更にもかかわらず、十八歳ありきの拙速な審議だった印象を拭えない。
政府は、高齢化が進む中で若者の社会参加を促すことや既に引き下げられた選挙権年齢との統一を改正の意義に挙げたが、急ぐ理由は明確に説明していない。
政府に求められるのは、具体的な消費者被害防止策など施行に向けた環境整備と国民の関心の喚起に努めることだろう。
成人年齢引き下げを「適当」とした〇九年の法制審議会答申は、前提として消費者被害防止策の実現を求め、引き下げの時期は「国民の意識」を踏まえるべきだとした。
今月、悪徳商法対策を強化した改正消費者契約法が成立したが、「未成年者の契約取り消し権」から外れる十八、十九歳をどこまで保護できるのかは見通せていない。
内閣府の一三年の世論調査では「どちらかといえば」を含め約七割が十八歳成人に反対しており、その後に理解が浸透したとの裏付けもない。政府は、少年法を改正して適用年齢を十八歳未満に引き下げ、改正民法との同時施行を目指すが、賛否は分かれており、安易な結論は禁物だ。 (共同・今村未生)

4年後に成人年齢18歳 自覚高める教育の大切さ - 毎日新聞(2018年6月14日)

https://mainichi.jp/articles/20180614/ddm/005/070/127000c
http://archive.today/2018.06.14-013142/https://mainichi.jp/articles/20180614/ddm/005/070/127000c

明治時代から続いてきた成人の定義が変わることになった。
成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法参院本会議で、与党などの賛成多数で可決され、成立した。施行は2022年だ。
民法は、社会生活を送るうえでの基本的なルールを定めている。成人年齢の線引き変更は、18歳に選挙権が与えられた影響が大きい。
だが、そればかりではない。18歳は就職して社会に出たり、進学で親元を離れたりする時期である。社会の一員としての自覚が芽生える。
成人として権利を行使することを認める一方で、社会的責任を果たすことを求める−−。そうした考え方は自然だ。18歳成人の実現を前向きに受け止めたい。
ただし、国民の意識はそうなっていない。内閣府が行った世論調査では、18、19歳が親の同意なしに高額契約できることに対し、「反対」が8割近くに上った。今後、どう18歳成人を定着させるのかが問われる。
教育の果たす役割がまず重要だ。ニートや、社会への無力感など、若者を取り巻く環境を変えることが、先進国共通の課題になっている。
欧米では、学校教育で「シチズンシップ教育」の導入が進んでいる。政治や経済の仕組みを学習するだけでなく、市民としてどう参加していくのかを具体的に学ぶ。
日本でも、18歳選挙権の実現に伴い、政府は主権者教育の副読本を作製し、全国の高校に配布した。だが、授業の実施などは地域によって温度差が大きい。主権者教育を進めつつ、若者の社会参加を促すような教育についても、議論を深めたい。
国会審議では、日本維新の会を除く主な野党が反対に回った。親の同意のない未成年者の契約行為が取り消せる「未成年者取り消し権」の対象から18、19歳が外れ、消費者被害の拡大が懸念されるからだ。
消費者庁は小冊子を作製し、高校での授業を今後全国で実施していく。悪質商法の標的にならぬよう消費者教育の充実が欠かせない。
成人式をいつ実施するのか、親権が及ばない生徒に対する学校の指導はどうするのか。改正法に伴う検討課題は多岐にわたる。政府は省庁横断の連絡会議で議論していく。社会全体で準備を進める必要がある。

教育無償化 働く若者にも目配りを - 朝日新聞(2018年6月14日)

https://www.asahi.com/articles/DA3S13538978.html
http://archive.today/2018.06.14-013302/https://www.asahi.com/articles/DA3S13538978.html

大学などを出ないと安定した仕事につくのが難しく、家計の苦しい親のもとで育った子は、進学の機会に恵まれないまま、同じように低収入に陥る――。
そんな連鎖を断とうと、所得の低い世帯に対し、大学・短大や専門学校の学費負担を軽くする施策が、近く政府の「骨太の方針」に盛りこまれる。
格差の固定化を防ぐ意義ある取り組みだが、進学せずに働く若者への目配りも、あわせて忘れないようにしたい。
日本は「学歴の再生産」の傾向が強い。階層や社会意識について研究している大阪大学の吉川(きっかわ)徹教授はそう指摘する。
教授らのチームの3年前の調査では、短大をふくむ「大卒」の若者の5割は、父親も大卒だった。一方、中高や専門学校など「非大卒」の若者の8割は、父親も大学を出ていなかった。また、大卒の親の8割は「子どもに大卒以上の学歴を」と望むが、非大卒だと、そう考える人は6割を下回るという。
生まれ育った家庭によって、子の進路選択が左右される実態が見える。学費負担の軽減はこれを正す手段の一つになろう。
しかし、中高を卒業して直ちに社会に出る人には、恩恵は及ばない。この層にも光を当て、最低賃金のいっそうの引き上げなどを通じて、働く若者の労働環境の改善を進めなければならない。非大卒は地方ほど多く、都市と地方の格差を縮める役にも立つはずだ。
高卒などの若者は資格を持つ人が少なく、学び直しや再挑戦の機会も乏しい。能力を高める場を充実させるのはもちろんだが、吉川教授は「大学新卒者を偏重するのを改め、同じ年代の高卒者を中途採用する枠を設けるよう、大企業や自治体に義務づけられないか」と話す。こうした踏みこんだ案も参考に、幅広く検討してみてはどうか。
気がかりなのは、格差を容認する空気が、近年、社会に強まっていることだ。
朝日新聞とベネッセ教育総合研究所が、公立の小中学校に通う子の保護者を対象に最近実施した調査では、豊かな家庭の子ほど良い教育を受けられる傾向を、「当然」「やむをえない」と答えた人が60%を超えた。
00年代は40%台だったが、10年代になって大きく増えた。しかも大卒層ほどそう考える人が多い。階層による意識の亀裂が広がりつつあるのは心配だ。
学歴や貧富によって与えられるチャンスに大きな差があり、考え方や価値観も割れる。この国を、そんな分断社会にしないための施策が求められる。

防衛費GDP2% 軍事大国への道、撤回を - 琉球新報(2018年6月14日)

https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-737883.html
http://archive.today/2018.06.14-013500/https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-737883.html

軍事大国につながる防衛費の倍増を決して認めるわけにはいかない。歴代政権が堅持してきた専守防衛からも逸脱している。
自民党の安全保障調査会と国防部会が、将来的な防衛費の参考値として「対国内総生産(GDP)比2%」とする政府への提言をまとめた。政府が年末に見直す「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画(中期防)」に向けた提言に明記している。
北大西洋条約機構NATO)が対GDP比2%を目標としていると例示した上で「必要かつ十分」な予算確保を求めている。
防衛費は第2次安倍政権発足以来、6年連続で増額され、4年連続で過去最多を更新してきた。2018年度は5兆1911億円にも達している。それでもGDP比1%程度で推移してきた。
生活保護費など社会保障費が切り詰められる一方で、防衛費の突出ぶりは甚だしい。今後も高齢化が進み、40年度には社会保障費が約190兆円に膨らむとの試算もある。
国家財政が極めて厳しい中、防衛費に今の倍の10兆円を充てるというのでは、国民の理解は得られまい。社会保障費を削り、防衛費を聖域化することは許されない。
まさに「バターより大砲」の提言で、国民生活よりも軍備を優先させる誤った政策である。無責任極まりない。
安倍晋三首相は昨年2月の国会で「1%枠は既に閣議決定で撤廃している」と答弁した。14年の集団的自衛権の行使容認、15年の安保関連法成立と合わせ、自衛隊を強化し軍備増強に前のめりとなる政権の姿勢は露骨だ。
提言は「敵基地攻撃能力の保有検討」も盛り込んだ。
18年度予算では既に、航空自衛隊の戦闘機に搭載する長距離巡航ミサイル3種類の導入費用を計上している。北朝鮮や中国にも届く射程で、その基地を攻撃できる。専守防衛とは疑わしい。周辺国との緊張を高めてしまう。
「多用途運用母艦」の導入も明記した。当初の「多用途防衛型空母」から「空母」の表現を削除したが、戦闘機を載せた艦艇は他国からは空母としか見なされない。自衛の範囲をはみ出している。
自民党や政府は防衛力増強の理由として、北朝鮮や中国の脅威を持ち出すが、外交で解決しようとする強い決意と行動が見えてこない。
12日の米朝首脳会談では朝鮮半島の完全非核化で両国首脳が合意しており、対話に向けて歴史の歯車が動きだした。日本は軍事力の強化だけに頼らず、国際情勢を冷静に見据えるべきだ。
東アジアが緊張緩和に向かう中で日本が蚊帳の外に取り残されてはいないか。
安全保障は軍事力だけでは達成できない。地道な外交努力が何よりも重要だ。
財政的にも安全保障上も国民生活を危うくする自民党の提言は、撤回するしかない。

<金口木舌>女優のオードリー・ヘプバーンは・・・ - 琉球新報(2018年6月14日)

https://ryukyushimpo.jp/column/entry-737882.html
http://archive.today/2018.06.14-013619/https://ryukyushimpo.jp/column/entry-737882.html

女優のオードリー・ヘプバーンは後年、ユニセフ親善大使として子どもたちの支援に尽くした。「子どもより大切な存在ってあるかしら?」と語り、子どもの人権を訴え続けた

ユニセフ子どもの権利条約はこう宣言している。「親は、子どもの心やからだの発達に応じて、適切な指導をしなければならない」「すべての子どもは、生きる権利をもっている」(日本ユニセフ協会抄訳)。そして国の義務も定めている
▼子どもの人権がまた守られなかった。東京で5歳の船戸結愛ちゃんが3月、「もうおねがい ゆるして」とノートに反省文を書き残し死亡した。十分な食事も与えられず、虐待を受けていたとみられる
▼「もうほんとうにおなじことはしません ゆるして」。まだ小学校にも上がらない幼子が、どれほど必死の思いで綴(つづ)ったことだろう。5歳の子どもがここまで謝り、懇願したが、願いは聞き入れられなかった
▼結愛ちゃんは毎朝午前4時ごろに自ら目覚まし時計を合わせて起床し、義父の命令で平仮名書きを練習していたという。一家が香川県から上京してきた際、虐待の情報は児童相談所に引き継がれていたが、防げなかった
▼「あそぶってあほみたいだから やめるから」。子どもならどんなに遊びたかっただろう。それを自らやめるから許してと請う。そのか細い叫びを思うと本当に切ない。

東電、福島第2原発廃炉を検討 知事に表明 - 日本経済新聞(2018年6月14日)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31743710U8A610C1MM0000/
http://archive.today/2018.06.14-015641/https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31743710U8A610C1MM0000/

東京電力ホールディングスの小早川智明社長は14日、福島県庁で内堀雅雄知事と会い、東京電力福島第2原子力発電所廃炉にする方向で検討すると伝えた。東電が福島第2原発廃炉に取り組む意向を表明したのは初めて。第2の4基すべてが対象となる。
2011年の東日本大震災で事故を起こした福島第1原発は既に廃炉作業を進めている。第1と第2を合わせて事故前に計10基が稼働していた福島県内の原発はすべて廃炉になる。
福島第2原発を巡っては、将来の稼働に県民から不安が広がり、福島県など地元自治体が廃炉を求めていた。小早川社長は記者団に「地元の復興の妨げになる。これ以上(廃炉の決定を)延ばせない」と話した。
福島第2は第1に比べると損傷は少ないが、津波による浸水などの影響を受けており、新規制基準に適合するためには多額の投資が必要になるとみられている。

東海再処理施設、廃止に1兆円 規制委が認可 - 日本経済新聞(2018年6月13日)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO31713890T10C18A6EE8000/
http://archive.today/2018.06.14-003646/https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3171389013062018EE8000/

原子力発電所の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す東海再処理施設(茨城県)の廃止計画が13日、原子力規制委員会によって認可された。総費用は試算で約1兆円にのぼり、作業は約70年の長期にわたる。難航すれば費用はさらに膨らむ。国が掲げる核燃料サイクル政策による負の側面が改めて浮き彫りになった。
東海再処理施設は再処理技術の開発を目指して建設され、1981年に本格運転を始めた。施設を運営する日本原子力研究開発機構は14年に廃止を決め、17年6月に規制委へ廃止計画を提出していた。
廃止計画の最初の山場は、強い放射線を出す廃液をガラスで固めて処理する作業だ。液体のまま保管を続けると漏れ出す危険があり、同機構は2028年度までにガラス固化作業を終える計画。ただ、ガラス固化作業は廃止計画の認可前から特例で認められていたが、機器の不具合が相次いだ。計画通りに進むかは不透明だ。
規制委の更田豊志委員長は同日の記者会見で「廃止措置は序盤がより重要だ。ガラス固化に特段の関心を持っている」と述べた。原子力機構は「安全確保を最優先に取り組んでまいります」とのコメントを出した。
機構は廃止の費用として、ガラス固化など最初の10年で約2200億円、その後の60年で施設の解体、廃棄物の処理や処分に約7700億円かかると見込む。再処理は核燃料の切断や溶解、分離精製など様々な工程があり、原発より汚染された設備も多い。1基あたり300億〜800億円といわれる商業用原発廃炉に比べ、桁違いに膨大な費用が見込まれる。
機構は今夏から高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県)の廃炉作業も本格的に始めるほか、他の研究炉の廃止も決めた。長期にわたり、廃止作業に並行して取り組む必要がある。規制委の更田委員長は「予算や人員の面で、機構を所管する文部科学省のサポートが非常に重要」と指摘する。