<世界の中の日本国憲法>非戦、非武装、非核、非暴力の世界を 「9条地球憲章の会」講演 - 東京新聞(2018年5月28日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201805/CK2018052802000117.html
https://megalodon.jp/2018-0528-0910-36/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201805/CK2018052802000117.html

憲法九条の理念を反映させた「地球憲章」づくりを目指す市民グループ9条地球憲章の会」は二十七日、東京都内で「武力で平和はつくれない−9条は日本と世界の宝」と題した講演会を開いた。会員ら約八十人が参加し、憲章案のとりまとめに向けて意見交換した。 (安藤美由紀)
同会は昨年三月、九条の理念を世界に広げ平和を実現しようと考える学者や市民らの有志で発足。これまでに欧米やアジアなどの約二十カ国・地域から六百人超の賛同者を得ている。
この日の講演会では、会の代表である堀尾輝久東大名誉教授が憲章案の一つを提示。「非戦・非武装・非核」に「非暴力」を加え、世界平和がなければ個人の幸せはなく、個人の幸せがなければ世界平和もあり得ない点を指摘した。憲章の目標として「多様性を認め合い、寛容で人間として尊敬し合える地球市民社会を創ること」を掲げた。
堀尾さんは「みなさんも案や意見も出してほしい」と呼びかけた。
国連総会での憲法九条の支持決議を目指す「SA9(憲法九条を支持せよ)キャンペーン」顧問でドイツ人学者、クラウス・シルヒトマンさんも出席し「憲法九条を一緒に守ろう」と訴え、連携を確認した。

加計理事長の国会招致必要と石破氏 - 共同通信(2018年5月27日)

https://this.kiji.is/373364330403939425?c=39550187727945729
http://archive.today/2018.05.28-002943/https://this.kiji.is/373364330403939425?c=39550187727945729

自民党石破茂元幹事長は27日、安倍晋三首相と加計学園の加計孝太郎理事長の面会はなかったとするコメントを学園が発表したことを受け、真相解明に向け加計氏の国会招致が必要だとの認識を示した。東京都昭島市で記者団の質問に答えた。

加計側、首相との面会否定 予算委直前、急きょ発表 - 共同通信(2018年5月27日)

https://this.kiji.is/373012764194702433
http://archive.today/2018.05.27-001207/https://this.kiji.is/373012764194702433

学校法人「加計学園」は26日、愛媛県今治市獣医学部新設を巡り、安倍晋三首相が2015年2月に学園の加計孝太郎理事長と面会したとする県の新文書の記載について、面会は「実際にはなかった」とし、県と市に誤った情報を伝えていたとのコメントを発表した。首相は国会で加計氏との面会を否定したが、具体的な根拠は示していない。首相が出席する28日の衆参予算委員会の集中審議は加計、森友学園問題が議題になる見込みで、直前に加計学園が急きょ否定した形だ。
だが県幹部は学園側の主張を疑問視。野党も、首相をかばう不自然な弁明と一斉に批判する。

(筆洗)ずるが感染している。 - 東京新聞(2018年5月28日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018052802000122.html
https://megalodon.jp/2018-0528-0911-40/www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2018052802000122.html

ずるとかごまかしなどの不正行為は細菌のようなもので、人から人へと感染するものだそうだ。
行動経済学者でイグ・ノーベル賞受賞者のダン・アリエリー教授の『ずる』(早川書房)の中にこんな実験があった。だれかに大勢の人の前でカンニングのような不正行為をやってもらう。監督官にはそれをとがめないよう頼んでおく。すると、それを見ていた他の大勢も、同じ不正行為をするようになるそうだ。ずるが感染している。
ずるをやっても、それが見過ごされ、成功するのなら、自分だって…。そんな心理に陥るのか。この説でいけば、わが国における、大規模なずるとごまかしの大感染を疑ったほうがよいかもしれぬ。
気の毒だが、政権中枢と中央官庁は既に菌にやられてしまったのだろう。国民に知られて困る記録は「ない」と隠す。政府の主張に沿った曲がったデータを国会に提出する。ここ数カ月の恥知らずなずるとごまかしの連鎖を見れば、その細菌は猛威をふるっている。政治行政にとどまらぬ。企業のデータ不正は後を絶たぬし、どこぞの大学アメフット部の前監督の不可解な説明を聞けば、ああこの方もと心配する。国中でずるを聞かぬ日がないとは、大げさではないかもしれない。
教授の説が恐ろしい。「誰かの反倫理的な行動を目にするたびに私たちの道徳心もすり減っていく」という。このままだと…。

ずる――?とごまかしの行動経済学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ずる――?とごまかしの行動経済学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

(政界地獄耳)自民が日大批判に積極的な理由 - 日刊スポーツ(2018年5月28日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201805280000238.html
http://archive.today/2018.05.28-012021/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201805280000238.html

★矛先を変えたいのか、自民党に代わる悪役が見つかったのか、自民党文教族は一斉に日大批判を展開し始めた。22日、元文科相馳浩はブログで「スポーツの本質を壊す指導者は永久追放に値する。内田前監督は1人の前途ある若者の希望と努力を打ち砕いた責任をどう感じているのか、内田さんはスポーツに教育に携わる資格はない」と断じた。
★元五輪担当相で東京五輪組織委員会会長代行・遠藤利明も「大学スポーツは教育の一環として行うもの。日本大学としてどう取り組むのかが問われている。そうしないと大学スポーツは成り立たない」。また「20年大会を行うにあたり、インテグリティー(高潔性)を守ることが求められている。スポーツはルールがあって成り立つ。ルールがなければ単なるけんかになってしまう」と懸念を表明。「スポーツ庁としてインテグリティーを調査する機関が必要ではないか」との見方を示した。自民党ではそれに関連し大学スポーツの健全性などを目指すため、「日本版NCAA(全米大学体育協会)」創設に向けた提言をしておりスポーツ庁が検討を始めている。
自民党が森友・加計疑惑などでの自浄作用も発揮できないのに日大問題に積極的なのは、2年後の東京オリンピックパラリンピックを迎えるのに日本アマスポーツ界はいまだ根性論や精神論がはびこり、体育からスポーツに脱皮できていないという懸念があるからだ。早々にスポーツ庁が関与してくることや警察の捜査が入るなど大学自治を無視した介入に見えるが、女子レスリングでのパワハラが横行していた至学館大も「それでも五輪でメダルを取っているではないか」との考えが幅を利かせていたように日大の体質も同根とみているからだろう。日大問題では多くの国民が絶対的な組織の対応にうんざりしたが、組織に忠誠を誓い礼節もある体育会系の学生を企業が好んで採用している実態もある。この問題を契機にスポーツの意識改革に取り組めるか。(K)※敬称略

欧州の新個人情報保護規制 注視すべき日本への影響 - 毎日新聞(2018年5月28日)

https://mainichi.jp/articles/20180528/ddm/005/070/167000c
http://archive.today/2018.05.28-001232/https://mainichi.jp/articles/20180528/ddm/005/070/167000c

遠い異国の新たな規制と片付けられない法改正だ。欧州連合(EU)で始まった、個人情報保護に関する歴史的な規制である。一般データ保護規則(GDPR)と呼ばれる。
ひとことで言えば、個人情報に関するさまざまな権利を、情報の本来の持ち主である個人に戻してあげるものだ。当然のことのように思えるが、これまでは企業が無料の検索サービスなどを通じて集めた個人情報を、あまりにも思うままに利用してきた。それに「待った」をかけた。
この春問題になったフェイスブックの情報流出では、利用者が選択した「いいね」が勝手に分析され、戦略的にターゲットをしぼった政治広告などに利用されていた。こうした行為は、明らかな違反となる。
GDPRが画期的なのは、欧州に拠点のない日本など外国の企業までもが、規模の大小にかかわらず規制の対象となり得る点だ。到底無関心ではいられない。
個人情報を得る企業は、何に利用するのか、わかりやすい言葉で説明し、同意を得ることが求められる。情報の漏えいや不正利用があれば、当局に72時間以内に通報することが義務づけられた。
また、過去に提供された情報の消去を求められた管理者は、バックアップ分も含め、短期間に完全な削除を完了させる必要がある。
最大の特徴は、違反した際の制裁金の大きさだろう。最大で2000万ユーロ(約26億円)か、その企業が世界で年間に売り上げる額の4%のいずれか高い方が課される。
欧州相手にビジネスをしている意識がなくとも要注意だ。例えば日本からインターネット配信する無料ゲームアプリの利用者が欧州にいれば、欧州企業と同様の情報管理が求められることになるという。
ところが、2年の周知期間があったにもかかわらず、日本企業の対応は遅れている。小さな企業や自治体であっても、個人情報に対する考え方が世界で大きく転換している現実を前に、対応を急がねばならない。
グローバル経済の中では、先に主要市場で導入された規制が、事実上、世界の標準となりかねない。国外の大きなうねりに、のみ込まれるだけでよいのかという問いも、今回の新規制は我々に突きつけている。

(余録)あの痛々しい記者会見を経ても… - 毎日新聞(2018年5月28日)

https://mainichi.jp/articles/20180528/ddm/001/070/052000c
http://archive.today/2018.05.28-001353/https://mainichi.jp/articles/20180528/ddm/001/070/052000c

あの痛々しい記者会見を経ても、日本大学の姿勢に誠意はいまだに感じられない。アメリカンフットボールの悪質なタックルをめぐる指導者への批判はむしろ高まる一方だ。
会見に臨んだ20歳の青年の表情と言葉が頭から離れない人も多いのではないか。「楽しいスポーツだと熱中していましたが好きではなくなりました」「競技を続ける権利はないし、やるつもりもありません」。そんな思いをさせる監督やコーチがなぜ学生スポーツの指導を続けてこられたのだろう。
高校バスケットボール界に一人の名将がいた。秋田県能代工業高校の元監督で、3月に80歳で亡くなった加藤広志先生だ。1960年から90年まで監督を務め、高校総体国民体育大会などで33回の全国優勝に導いた。
田臥勇太(たぶせ・ゆうた)選手ら同校OBは大学や実業団で活躍し、その後指導者にもなって日本のバスケット界を支えている。加藤先生に話をうかがう機会があった。情熱家で研究熱心。何より教え子を大事にした。
あるマネジャーの話になった。強いチームには有望な選手が全国から集まり、レギュラーになれない生徒も出てくる。選手として華やかな舞台に立つのをあきらめて「チームに貢献したい」と泣きながら裏方になる決心をした。
この生徒のことをずっと気にかける人だった。彼らの父親でもあったのだ。加藤先生に聞いてみたかった。今回の問題はなぜ起きたのか。そして、もうアメフットは続けないと言う彼に、もし先生ならどんな言葉をかけますか、と。

(CIA沖縄解説書)「過酷な負担」直視せよ - 沖縄タイムズ(2018年5月28日)

http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/258248
https://megalodon.jp/2018-0528-0915-29/www.okinawatimes.co.jp/articles/-/258248

海兵隊の沖縄駐留を正当化するために抑止力を強調する議論について、米中央情報局(CIA)が、政治的効果を疑問視していたことが分かった。
「沖縄における基地と政治」という表題のついた米政府政策立案者向けの解説書を、本紙のジョン・ミッチェル特約通信員が、情報開示請求で入手した(27日付本紙)。
解説書は「『なぜ私たちばかり』という県民の疑問に答えるものではなく、いら立ちで迎えられるだろう」と指摘し、「ほとんどの場合、懐疑派に否定される」との見方を示している。
CIAオープンソースセンターが報道などをもとにまとめたもので、2012年1月に発行された。
国内では、防衛省が手を変え品を変え、海兵隊と抑止力を結びつける議論を展開していた時期に当たる。
海兵隊=抑止力=沖縄でなければならない」という議論は、防衛省がつくり上げた国民向けのフィクション(虚構)であることが明らかになりつつある。その状況をCIAも追認した格好だ。
復帰前の環境問題については「県民の環境保護の要求は、同盟にとって脅威になる」と注意を促している点が注目される。
基地跡地の環境対策や環境事故への対応などに神経質になっていることがうかがえる記述だ。
逆に言えば、沖縄の負担軽減を進める上で、これまで以上に重視されなければならないのは環境問題だということになる。

■    ■

政府発行の外交青書防衛白書は、日米同盟の重要性は強調するが、米軍の事件事故や騒音、環境破壊など、県民が被っている基地被害に対する言及は、ほとんどない。
CIAの解説書も、その性格からくる限界は否定しようがない。
同書は、基地維持のために沖縄の政治資源をいかに有効に活用していくか、という世論操作の観点から沖縄の政治状況をまとめたものだ。
復帰前、アメリカは「沖縄を見たいように見、そのような見方にあわせて対住民政策をとってきた」(宮城悦二郎『占領者の眼』)。
CIAの解説書にも、占領者の眼を思わせるような部分がある。
沖縄の基地問題の本質は、戦後一貫して「過酷な負担」を押しつけられ自治や人権が脅かされてきた点にあるが、解説書は、自らの使用者責任にはほとんど触れていない。

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CIAはこれまで、政治動向を分析し評価するだけでなく、世界各地で「秘密工作」に従事してきた。返還された知念補給基地(旧玉城村、キャンプ知念)は、CIAの活動拠点だった。
1965年11月の立法院選挙や68年11月に行われた初の主席公選では、保守系候補が有利になるよう裏工作が行われた。資金面を含めCIAの関与が疑われている。
間接的であっても、沖縄の自治に介入したり干渉したりするようなことがあってはならない。

<金口木舌>1945年の沖縄戦で住民として・・・ - 琉球新報(2018年5月28日)

https://ryukyushimpo.jp/column/entry-727217.html
http://archive.today/2018.05.28-001658/https://ryukyushimpo.jp/column/entry-727217.html

1945年の沖縄戦で住民として戦場をさまよい、米軍の攻撃を逃れた。14年後、24歳の東恩納良吉さん(82)は米軍将校として沖縄に配属された。「こんな日が来るとは」。嘉手納基地に降り立つと体が震えた

▼沖縄生まれのハワイ移民3世で、米国市民権を持っていた。日本兵の父は南洋で戦死。その弟は米兵で、親類を沖縄の収容所で探した。戦後、東恩納さんは祖父の呼び寄せでハワイに渡った
▼どうせ徴兵されるならと士官に。意図せず占領者側として59年11月、沖縄に戻った。この年6月30日、死者18人、負傷者210人を出す宮森小米軍ジェット機墜落事故がうるま市で起きた。軍命で東恩納さんは被害者らを調査した
▼今月20日の講演で、東恩納さんが当時を振り返った。米軍服姿で被害者を訪ね、悲痛な声を聞いた。「被害者は精神的に苦しみ、聞いた私もつらかった。軍の補償が不十分だったことも残念だ」
▼東恩納さんの歩みは、戦世に翻弄(ほんろう)されてきた沖縄そのものだ。日米が新基地建設を強行する名護市辺野古では、反対する県民と県警が衝突する。県民同士が対峙(たいじ)する構図は今も変わらない
▼東恩納さんは沖縄で兵役を終えた。高等弁務官キャラウェイは軍に残るよう促したが、東恩納さんは心に決めていた。「何よりも命が大切。戦争で命を失えば無意味だ」。その決意は今も揺るがない。

重いかばん、どうにかして 「置き勉OK」じわり広がる - 朝日新聞(2018年5月26日)

https://www.asahi.com/articles/ASL5V4D15L5VUTIL00R.html
http://archive.today/2018.05.27-093016/https://www.asahi.com/articles/ASL5V4D15L5VUTIL00R.html

「脱ゆとり教育」によって教科書が分厚くなるなど子どもたちの通学かばんやランドセルが重くなっている。つらい実態を緩和しようと、教材を教室に一部置いて帰る「置き勉」を認める学校が徐々に増えている。一方、家庭学習への影響を心配する声もある。
小高い丘の上にある広島市立牛田中。国数理社英の5教科の教材は自宅に持ち帰るルールだったが、4月から英語と国語の一部教材を除き、置き勉を認めた。
見直しのきっかけの一つが、PC放送部が昨年に作った8分20秒の動画「The School Bag is Heavy!!(学校のかばんが重い)」。ある生徒のリュックやサブバッグなどの荷物を量ると18・4キロだった。生徒らにインタビューし、「坂道がとてもつらい」「転びそうになった」「(ひもが)肩にめり込む」などと訴える内容だ。
テーマを提案したのは、2年の足立こころさん(13)。入学時、かばんの重さに驚いた。教科書にノート、プリントファイル、水筒……。靴箱で上靴に履き替えようとしゃがむと、体を起こせないほど重く、「軽くしたい」と思った。
動画は解決策として「置き勉」を提案する。忘れ物が増える、宿題をしなくなる、教室が汚くなるといった懸念も伝え、「キーワードは『信頼』。大丈夫だと思わせる生徒力が問われている」と結ぶ。作品は市主催の文化祭で優勝し、動画サイトにもアップした。

籠池被告"10か月"ぶり保釈 長期勾留は裁判所の忖度?日本の"人質司法"とは - AbemaTIMES(2018年5月28日)

https://abematimes.com/posts/4270776?categoryIds=170833

補助金詐欺事件で10か月にわたって勾留されていた森友学園の前理事長・籠池泰典被告と妻の諄子被告が保釈された。
25日午後5時過ぎ、スーツ姿で拘置所を後にした籠池被告は、妻の出所を待つかのように拘置所内を見つめていたが、やがて促されて車内に乗り込んだ。続いて姿を現した諄子被告は深々と拘置所に向けて頭を下げ、夫の待つ車へと向かっていった。そして2人は会見が開かれる大阪弁護士会館へと向かった。
■話題を振りまいてきた夫妻
籠池被告らが公の舞台に出るきっかけとなったのは、2016年、大阪府豊中市にあった鑑定価格9億5600万円の国有地が、1億3400万円で森友学園に売却されたとする問題だ。この売却に安倍総理が関わっていたのではないかという疑惑が浮上、昨年3月、当時森友学園の理事長だった籠池被告が証人喚問に呼ばれることになった。
元々昭恵夫人と親交が深かったという籠池被告は、学校の名前を「安倍晋三記念小学校」とし、名誉校長に昭恵夫人を招こうとしていたと報じられた。
「この問題が国会で議論されるようになってから、私の妻のところに昭恵夫人から"ご夫妻が今大変なことは想像つきますが、主人にとっても大変なことに巻き込まれたということもご理解いただきたいと思います"とか、"私がかかわったということは裏で何かがあるのではと疑われないように"という口止めともとれるメールが届いた」などと証言した。
一方の安倍総理は、土地売却について自身と妻の関与を真っ向から否定。しかし、籠池被告は総理から昭恵夫人を通して100万円の寄付を受けたと主張、100万円を返却すべく上京してみせこともあった。ただ、カメラの前で見せた100万円の束は、白い紙だった。
籠池被告は昨年の都議選でも安倍総理の応援演説に突然姿を現し、「国政の責任者がきちんと説明責任を果たしていないなあと思って、お邪魔して聞かせてもらおうかなと思った。できたら100万円もお渡ししたい」と語った。妻の諄子被告も、演説する安倍総理に「携帯電話も返せー!財布も返せー!人殺しー!ドロボー!お父さんは詐欺師じゃない!逮捕してみろ!殺してやる!」と恨みをぶつけていた。
そして、7月31日、小学校の建設に対して支給される補助金約5600万円を騙し取った疑いと、運営する幼稚園で勤務実態のない職員や特別支援園児の数を水増しするなどして補助金を不正受給した疑いで逮捕されることになった。不正額は、計1億7620万円にのぼっていた。「日本の夏、セミの声、今静かにして、木の下に宿れるなり。我が心、その宿れるなりと同じき安き心にある。いってきます」と玄関を出る籠池被告に、諄子被告「お父さん、かっこいい」と言葉をかけていた。
■異例の長期勾留、背景は
保釈にあたっての会見で「早朝の志を得る初夏の風」と一句詠み、「これから活躍させてもらいます」と、変わらぬキャラクターをアピールした籠池被告。勾留については「国策だと認識しており、妻については全くの冤罪だ。民主主義国家の日本では考えられない」と主張、大阪府からの告訴に関しても「維新の党のカモフラージュ。松井府知事の政治的カモフラージュのために警察と示し合わせたもので、国民を欺いている」とした。
さらに国会の証人喚問の内容に関しては「虚偽はない」と明言。「(小学校の建設は)諦めていない。吉田松陰の心をもって進む」と話した。
23日に公開された財務省の文書からは、籠池被告が価格交渉に際し電話や面談で繰り返し減額を要求、「学校は公益目的なのに賃料が高すぎる」「あんたらいじわるや、死んだら地獄に行くぞ」など、非常に強硬な姿勢を示していたことがうかがえる。
さらに、諄子被告が近畿財務局職員に「お前なんか信用できない」とコースターを投げつけたことも記されているが、諄子被告は会見で「コースターはなかった」と主張した。
一方、籠池被告は10か月の間に情報が遮断されており、現況を把握していないなどとして森友問題・詐欺事件についてはコメントできないとも述べた。
監獄訴訟を手がけるなど、人権問題に詳しい海渡雄一弁護士は、「本来、未決の場合は受け取れるが、裁判所が接見禁止処分にして信書のやり取りも禁止し、非常に密室度が高い状態に置かれていたと思う。新聞やテレビも見ておらず、情報に追いついていないということも言っていたので拘禁生活が大変だったんだなと感じた。手紙のやり取りもできず、友人とも面会できない状態だったので、状況がうまく掴めていないのだろう。裁判の時までに意見をまとめたいと受け取れる発言だった。人間の口封じをしたい時に勾留して喋れない状態におくということが、日本の捜査では時々行われてきた」と話す。
証券取引法違反で逮捕され、東京拘置所で約3か月拘禁された堀江貴文氏は、後に「弁護士以外誰とも話ができず隔離されていたのもキツかった」と振り返っている。また、会社法(特別背任)違反で逮捕された元大王製紙の井川意高氏は東京拘置所に約1か月拘禁された。井川氏も「少しばかり生活規則が厳しい林間学校のようなものだった」としている。
通常の起訴の場合、最初の勾留は2か月間で、その後は1か月ごとに更新されるケースが多いという。今回の10か月の勾留にはどのような意味があるのだろうか。
海渡弁護士は「裁判が始まるまでに時間がかかるケース、罪状認否がはっきりしないようなケースでは勾留が長引くが、それ自体が日本の刑事司法の問題点だと国際的にも非難されている。籠池被告の場合、検察側が記者会見などで色々喋ってほしくないと思っていることを裁判所側が忖度したのではないか」と指摘。
裁判所が「証拠隠滅の恐れがある」として保釈を許可しなかったことについても「勾留というのは、基本的に逃走を防止するため。日本の場合、罪状認否で罪を認めるまで、なかなか保釈されない。証拠隠滅を理由に勾留を長く続けるという制度自体、アメリカやヨーロッパにはない。アメリカでは逮捕翌日に保釈金を積んだ殺人犯が出てくる」と説明した。
また、「森友問題は、籠池被告が騙したという事件だけでなく、国の方が安倍案件だとして便宜を図ったという背任事件としても捜査されている。その部分が有耶無耶になってしまって、捜査が不足しているのではないかという印象を受ける」とも指摘していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)