「九条俳句」勝訴の意義共有へ集会  都内で来月、香山リカさんら語る:首都圏 - 東京新聞(2019年2月19日)

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https://megalodon.jp/2019-0221-2138-56/www.tokyo-np.co.jp/article/metropolitan/list/201902/CK2019021902000169.html
集会「『九条俳句』が勝った!忖度(そんたく)やめよう 表現の自由を市民の手に」が3月3日、東京都武蔵野市吉祥寺南町1の武蔵野公会堂ホールで開かれる。
俳句「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の公民館だよりの不掲載を巡る訴訟は昨年12月、最高裁さいたま市の上告を棄却して違法性を認定し、女性作者(78)の勝訴が確定した。
安倍政権が9条改憲をめざす中、社会の政権への「忖度」や「表現の自由」が侵害される事態が来ることも危惧される。このため裁判を支援してきた「九条俳句市民応援団」(武内暁(さとる)代表)は、表現の自由に危機を感じている団体や人びとに呼びかけ、九条俳句訴訟勝訴の意義を共有し、広めていきたいという。
集会では、ビデオ上映「九条俳句不掲載事件報告」や市民応援団の報告、元上智大学教授田島泰彦さんの問題提起に続き、精神科医立教大学教授の香山リカさんがスピーチする。
フランス出身のマブソン青眼(せいがん)さんのビデオメッセージ「昭和俳句弾圧と檻(おり)の俳句館」のほか、武蔵大教授永田浩三さんやルポライター鎌田慧さんらのアピールなどがある。
午後2時開会。入場料1000円。市民応援団と九条俳句表現者声明の共催。問い合わせは、皆川さん=電080(5548)9852=へ。 (野呂法夫)

 

自衛官募集 自治体への不当な圧力 - 朝日新聞(2019年2月20日)

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http://archive.today/2019.02.20-003048/https://www.asahi.com/articles/DA3S13900513.html
自民党が先週、全国の自治体の6割以上が自衛官募集への協力に応じていないとして、党所属の国会議員に対し、選挙区内の自治体の協力状況を確認するよう文書で求めた。
憲法9条改正の理由として自治体の「非協力」を挙げだした安倍首相に呼応した動きだ。
協力状況の確認だというが、国の予算配分などに影響力を持つ与党議員の問い合わせは事実上、自治体への不当な圧力になると言わざるを得ない。
そもそも、首相や自民党の言い分は、協力の定義をことさら狭く解釈したものだ。
防衛省が求める「紙か電子媒体での名簿提供」に応じているのは確かに約36%だが、住民基本台帳の閲覧や書き写しを認める形で協力している自治体を含めれば約9割にのぼる。
しかも、閲覧に応じた自治体のうち約6割は、あらかじめ対象年齢の男女を抽出した名簿を準備しておくという便宜を図っている。それでも「協力拒否」と切り捨てるのか。
名簿提出にも閲覧にも応じていないのは、全1741自治体のうち5自治体だ。「6割以上が協力拒否」との主張は明らかに事実に反する。
自民党の文書では、名簿を提供した行政側が地方議会で「左派系会派」の追及を受けて謝罪に追い込まれたとして「看過できない状況」と指摘した。しかし、これを党派的な対立とだけ見るのは考え違いではないか。
自衛隊法やその施行令は、防衛相が自治体に協力を求めることができると規定しているが、自治体に応じる義務がないことは防衛省も認めている。国と自治体は対等であり、どんな形で協力するかも含め、自治体の判断が尊重されるべきだ。
防衛省が求めるのは、住所、氏名、生年月日、性別という、まさに個人情報である。首相の発言を受け、石田総務相は国会で、住民基本台帳法上の明文規定はないが、名簿提出に「問題はない」と答弁した。だが、個人情報保護への意識の高まりを思えば、たとえ相手が行政機関であっても、本人の同意なく情報を提供することに自治体が慎重になるのは当然だろう。
国の求め通りに動かない自治体を非難する首相や自民党の考えからは、地方自治や個人情報保護を重んじる意識がすっぽりと抜け落ちている。
自衛隊員が住所や氏名などを書き写すのが大変だから、名簿提出に応じないのは協力と言えない――。そんな理由で、自治体の判断を踏みにじることがあってはならない。

 

憲法ソング作詞し大賞 土浦の小1・尾池ひかりさん:茨城 - 東京新聞(2019年2月18日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201902/CK2019021802000143.html
https://megalodon.jp/2019-0218-0929-07/www.tokyo-np.co.jp/article/ibaraki/list/201902/CK2019021802000143.html

土浦市の小学生の女の子が曽祖母の戦争体験を基にして作った詩に曲が付けられ、「憲法ソング わたしのねがい」として日本弁護士連合会(日弁連)のホームページ上で公開されている。「いのちをつなぐけんぽう」と刻み、平和への願いを込めている。 (水谷エリナ)
作者は小学一年、尾池ひかりさん(7つ)。曽祖母の石崎美代子さん(92)の戦時中の体験談を基に考えた。石崎さんは出征する近所の人を駅で見送った帰り道、戦闘機に見つかって機銃掃射で狙われた。近くの家に駆け込み、難を逃れたという。
詩では「えきでへいたいさんをみおくったかえり、ひこうきがとんできて/『きじゅうそうしゃ』でやられそうになったって。/はしってはしってはしってようやくにげたって。」とリアルに再現した。
体験談を語り継いだのは尾池さんの母親。子どもの頃から石崎さんに聞き、それを尾池さんに伝えていた。詩は、曽祖母が生き残り憲法の下、祖母や母、自分へと命がつながったとして「へいわをまもるけんぽう」が、大人になっても「このままのけんぽうであること」を願うと結ぶ。
尾池さんは「(曽祖母の話を)思い出すのが怖かったけど、すぐに書けて良かった。戦争を知らない人も、知ってもらえるんじゃないかな」と期待する。
作品は、日弁連憲法の大切さをつづった詩を募集した「憲法を詩(うた)おう♪ コンテスト」で昨年、三百九十点から大賞に選ばれた。
作曲を担当したのは、コンテストの審査員の一人で作曲家の谷川賢作さん。日弁連には「機関紙に載せたい」などの問い合わせが寄せられているという。
憲法を分かりやすく解説した「檻(おり)の中のライオン」(楾(はんどう)大樹、かもがわ出版)を読むなど、日頃から憲法への関心が高い尾池さんは「憲法は人を守るもので、憲法があるから平和だと分かった」と話している。
日弁連の「憲法を詩(うた)おう♪ コンテスト」で大賞に輝いた尾池ひかりさんの詩は次の通り。

わたしはせんそうをしらない。

おかあさんもしらない。

おばあちゃんもしらない。

でも、ひいばあちゃんはしっている。

えきでへいたいさんをみおくったかえり、ひこうきがとんできて

「きじゅうそうしゃ」でやられそうになったって。

はしってはしってはしってようやくにげたって。

ひいばあちゃんがいきたから

おばあちゃんがうまれ、

おかあさんがうまれ、

そしてわたしがうまれた

へいわをまもるけんぽう

いのちをつなぐけんぽう

わたしがおおきくなっても

このままのけんぽうであること

それがわたしのねがい

 

木村草太の憲法の新手(98)校則問題(下)丸刈り強制は違憲で違法 - 沖縄タイムス(2019年2月17日)

https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/385914
https://megalodon.jp/2019-0217-1505-19/https://www.okinawatimes.co.jp:443/articles/-/385914

県民投票は告示にこぎつけた。校則問題の検討に戻ることにしよう。(1月6日付の「校則問題 上」に続く)

kodomo-hou21.hatenablog.com

校則それ自体には、法的拘束力がないことは確認された。今回は、今後の校則の在り方を考えよう。
第一に、法的権限の行使基準としての校則を作ること、それ自体を否定する必要はない。職員室に呼び出しての指導にせよ、懲戒処分にせよ、統一的な基準なしにこれを行えば不公平が生じる。
この点、学校教育法施行規則26条5項は、「学長は、学生に対する第2項の退学、停学及び訓告の処分の手続を定めなければならない」と定める。この規定が要求するのは「手続法」のみだが、公平確保のためには、何をすると懲戒対象になるのかという「実体法」についても、ルールを明確にした方が、法令の趣旨にかなうだろう。
第二に、校則を作る場合には、法的根拠を明確にすべきだ。一口に校則といっても、「懲戒処分基準」と「施設管理権に伴う要求事項」とでは、法的根拠が異なる。校則の妥当性をチェックする際には、この違いが重要だ。したがって、校則は、「○○校懲戒基準」とか、「○○施設利用規則」といった形で、法的根拠ごとに分類して定めるべきだ。
第三に、違反時の扱いの明記も重要だ。「規則が合理的だ」と言えるには、違反に対する制裁の程度が適切であることも必要だ。前回紹介した裁判例のように、校則に「男子は丸刈り」と書いてあった場合、学校で強制的に丸刈りにするなら人権侵害だが、違反者に何もしないなら、問題にする必要はない。よって、校則には、違反者に対して、懲戒処分や強制を行うのか、それとも学校の希望を伝えるにとどまるのかを明記すべきだ。違反時の扱いが定められていない場合には、懲戒処分や強制を予定しないものとして扱うべきだろう。
第四に、校則による処分・強制の適法性を担保する仕組み作りが必要だろう。ここで重要なのは、処分や強制の適法性は、法律や判例を基準に判断されるという点だ。しばしば、校則の策定は、生徒自身やPTAが関与すべきとも言われる。しかし、生徒やPTAは法律の専門家ではない。また、「自分は丸刈りが好きだから、他の子どもにもそれを強制したい」と考える生徒が多数派だったとしても、丸刈り強制は人権侵害であり、違憲・違法だ。校則の適法性の担保のために必要なのは、生徒らの関与ではなく、弁護士など法律専門家の助言や関与だろう。
第五に、校則違反者へのいじめ防止も必要だ。校則違反者に対しては、しばしば、児童・生徒による嫌がらせが行われる。しかし、校則は、教育や施設管理のために存在するのであって、子どもたちがいじめのターゲットを選ぶ基準ではない。
特に、「子どもたち自身が作る校則」は、違反者への憎しみを募らせやすく、いじめを誘発する危険を持つ。学校には、いじめ防止義務がある。「子どもたちが自ら話し合って決めたルールだから」と安易に校則化するのは、少数派に対する抑圧となる。必要のない校則は、作らない方がよいだろう。
このように、校則問題は、処分や強制の適法性を問い、法的根拠を分析することで解決すべきである。(首都大学東京教授、憲法学者)=第1、第3日曜日に掲載します

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お知らせ 本コラムを収録した書籍「木村草太の憲法の新手」(沖縄タイムス社、1200円)は、県内書店で販売されています。

木村草太の憲法の新手

 

同性婚求め13組一斉提訴「尊厳取り戻したい」 - 東京新聞(2019年2月15日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201902/CK2019021502000147.html
https://megalodon.jp/2019-0215-0921-52/www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201902/CK2019021502000147.html

国が同性間の結婚を認めないのは憲法が保障する婚姻の自由を侵害し、法の下の平等にも反するとして、十三組の同性カップルが十四日、国に損害賠償を求めて東京、名古屋、大阪、札幌の四地裁にそれぞれ一斉提訴した。原告らは記者会見し、「セクシュアルマイノリティー(性的少数者)の尊厳を取り戻したい」と訴えた。
原告側弁護団によると、同性婚を認めないことの違憲性を問う訴訟は初めて。提訴した十三組は東京、埼玉、神奈川など八都道府県に住む二十~五十代の同性カップルで、いずれも各自治体に婚姻届を提出したが受理されなかった。
東京地裁に提訴した原告らは、東京・霞が関の司法記者クラブで会見。埼玉県川越市の会社員相場謙治さん(40)は、政府が憲法同性婚を想定していないとの見解を示していることを踏まえ「特別な権利が欲しいわけではありません。平等なスタートラインに立ちたいだけなんです」と強調した。
横浜市の会社員中島愛さん(40)は、ドイツ人女性とドイツで結婚している。「日本では婚姻関係が認められず、不平等な扱いを受けている。今回の提訴が、日本での認識を変える一歩になってほしい」と望んだ。
同性愛者であることを告白しづらい現状を訴えたのは、東京都のNPO法人理事佐藤郁夫さん(59)。佐藤さんの男性パートナーは、家族や会社にゲイであることを隠しているため会見を欠席。パートナーから預かった「裁判に勝って、最後は顔を出して笑って終わりたい」とのコメントを声を詰まらせながら代読した。
一斉訴訟では、国会が立法措置を怠ったことによる精神的苦痛は一人当たり百万円に相当するとして、計二千六百万円の賠償を求めている。法務省民事局は「訴状を受け取っていないためコメントできない」とした。 (小野沢健太)

 


同性婚求め一斉提訴

 

同性婚一斉提訴 多様な価値観で考えて - 東京新聞(2019年2月15日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019021502000175.html
https://megalodon.jp/2019-0215-0922-52/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019021502000175.html

同性婚を認めないのは、憲法の婚姻の自由を侵害する-。そう訴えて同性カップルらが国に損害賠償を求め一斉提訴した。同性婚は今や世界の潮流である。多様な価値観で考えるべきテーマである。
物事は変わるものも、変わらないものもある。変わるのは人々の考え方が変わっていくから。価値観は文物や文化などに大きく左右され、他国との交流でさらに劇的に変化を遂げていく。
米国の同性婚の場合は、二〇一五年に連邦最高裁が「同性婚は合憲」と判断した。その前に「結婚は男女間に限る」とした連邦法に「法の下の平等を定めた憲法に反する」と判決を出してもいた。米社会を二分していた問題に区切りが付いた。
遡(さかのぼ)れば、こんな判決もあった。一九六七年。やはり米連邦最高裁が異人種間の結婚禁止法を違憲とした。白人と黒人の結婚は、一部の州では禁止だったのだ。
日本でも家制度により結婚相手も親同士が決めることが多かった。これが本人同士となったのは戦後の日本国憲法の定めによる。その憲法二四条には「婚姻は両性の合意のみに基づいて成立する」と定められている。
「両性」の言葉について解釈が分かれている。つまり男女と判断すれば「同性婚違憲だ」となる。一方で両性とは男女に限定されず、それぞれ両方の性を指すのであり、「同性婚は合憲だ」との解釈も生まれる。合憲説を支えるのは、法の下の平等であり、個人の尊重であろう。
十四日に国に損害賠償を求め、東京、札幌、名古屋、大阪の四地裁に提訴したのは計十三組の同性カップル。各自治体に婚姻届を提出したが、受理されなかった。
政府は昨年五月に閣議決定した答弁書で、憲法条文は同性婚を想定していないとの見解を示していた。それが日本の現実だ。
そのため同性カップルは法的な結婚ができず、お互い法定相続人になれなかったり、税制上の配偶者控除を受けられないなどの不利益を受ける。少数かもしれないが、私たちの社会に現実に困惑している人たちがいる。
国内では一五年以降に東京都渋谷区など十一の自治体が「パートナーシップ制度」を設け、同性カップルの存在証明をする取り組みが広がってはいる。だが、法律上の地位には至らない。
海外ではもはや欧米を中心に二十カ国以上が同性婚を認める。先進七カ国では日本のみ孤立する。

 

(筆洗)国が同性同士の結婚を認めないのは婚姻の自由を保障した憲法に反する - 東京新聞(2019年2月15日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2019021502000145.html
https://megalodon.jp/2019-0215-0923-48/www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2019021502000145.html

米国のブルース歌手、エタ・ジェームズが一九六一年にヒットさせた「AT LAST」という曲がある。
「AT LAST」とは「ついに」「やっと」の意味。やっと私の恋がかなった。寂しい日々はもうおしまい。つかみ取った幸せを歌っている。二〇〇九年の大統領就任祝賀パーティーで当時のオバマ米大統領と妻のミシェルさんがこの曲でダンスしていたのを思い出す人もいるかもしれない。
半世紀も昔の曲だが、米国では特定の機会に流れる定番ソングとなっている。お分かりか。結婚パーティー。とりわけ、同性カップルの結婚を祝う会でこの曲の人気は高いそうだ。結婚までの道程が険しい分「やっと」と歌うその曲と思いが重なりやすいか。
「AT LAST」と言える日を信じて日本の同性カップルたちが険しき道を歩きだした。国が同性同士の結婚を認めないのは婚姻の自由を保障した憲法に反するとして昨日、同性カップル十三組が東京、大阪、名古屋など四地裁に一斉に提訴した。
婚姻が認められねば、法定相続人にもなれぬ。具体的な不都合に加え、愛する者同士、法律上でも家族になりたい、平等に扱われたいというのは理解できる願いだろう。
同性婚への見方も変わった。先進七カ国(G7)で認めていないのは日本のみ。日本にだけ「AT LAST」の日が来ないことの方がよほど不自然であろう。

 

同性婚求めて一斉提訴 不利益を放置はできない - 毎日新聞(2019年2月15日)

https://mainichi.jp/articles/20190215/ddm/005/070/059000c
http://archive.today/2019.02.15-002455/https://mainichi.jp/articles/20190215/ddm/005/070/059000c

時代の流れの中で、起こるべくして起きた訴訟と考えるべきだ。
男性同士、女性同士が結婚できないのは、「婚姻の自由」や「法の下の平等」を定めた憲法に反するとして、13組の同性カップルが全国4地裁で国家賠償請求訴訟を起こした。
同性婚を認めない法制度の違憲性を問う訴訟は、全国で初めてだ。
同性愛者を含めた性的少数者(LGBTなど)の認知度は、社会的に高まっている。だが、自治体に婚姻届を提出しても、男女の対である「夫婦」を基本とする民法の規定などを根拠に受理されない。
通常のカップルならば相手が亡くなった場合の法定相続人になれる。税法上は配偶者控除が受けられる。外国人の場合、配偶者としての在留資格が認められる。だが、同性カップルにはそうした法的権利がない。その矛盾を正すのが訴訟の狙いだ。
同性カップルを取り巻く社会環境は、既に大きく変わりつつある。
行政が同性カップルを「結婚関係」と認め、夫婦に準じた措置を取るパートナーシップ条例が2015年3月、東京都渋谷区で成立した。この動きは全国に広まり、札幌、福岡、大阪各市などの政令市も要綱などを整備し、こうした自治体の人口は900万人を超える。
さらに、企業の中には、同性婚カップルは結婚に相当すると認め、住宅手当などの福利厚生策を適用しているところが増えている。
現実は先を行っている。原告が求めているのは、特別な権利ではなく平等だ。その主張は理解できる。もはや不利益の放置はできない。
広告大手の電通が先月公表したLGBTに関する調査結果では、調査対象6000人の8割近くが同性婚に賛成と回答した。男性より女性、年代が若いほど賛成の割合が高かった。社会の中で、容認の流れが進んでいる。国際的に見ても、同性婚を認めている国は、米国や欧州の主要国など25カ国に上る。
憲法24条は「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立する」と規定する。この規定は同性婚を排除していないとの考え方があり、法整備で対応できるのではないか。司法判断を待つまでもない。多様化する家族をどう法律の中に位置づけるのか。国民的な議論が欠かせない。

 

(余録)多数決でものごとを決する民主主義だから… - 毎日新聞(2019年2月15日)

https://mainichi.jp/articles/20190215/ddm/001/070/130000c
http://archive.today/2019.02.15-002658/https://mainichi.jp/articles/20190215/ddm/001/070/130000c

多数決でものごとを決する民主主義だから、こんな皮肉をいう人もいる。「民主主義とは“半分以上の人が半分以上の時間は正しいはずだ”と無理やり信じ込むこと」。米作家E・B・ホワイトの言葉という。
だから「最大多数の最大幸福」を追求しがちな民主主義の難所は、いつも少数者の権利を守れるかという点である。たとえどんな多数の支持を背負った民主主義権力でも、侵してはならぬ一線を定めているのが憲法ということになる。
ならば同性婚の制度化を求める人々が、現行制度は憲法に違反すると提訴したのも単に司法まかせにすべき話ではなかろう。それは性的に多様な人々の権利主張をめぐる新たな合意の模索という、民主主義の宿題を指し示してもいる。
同性婚といえば婚姻を定めた憲法24条の「両性の合意」が論議となる。きのうの提訴では、条文は「婚姻の自由」を定めたもので同性婚を禁じたものではないと主張した。民法によって婚姻届が受理されない現状は「違憲」だという。
さらに同性カップルの税制などでの不利益は憲法14条の「法の下の平等」に反するというのである。思えばこの数年で日本社会のLGBTなど性的少数者への理解は飛躍的に広がり、自治体や企業での権利擁護への取り組みも進んだ。
世界的にも同性婚を認める国が広がる今日、提訴が投げかけた一石は日本社会が求めるべき理想、守るべき伝統は何かを論議し直す貴重なチャンスだろう。「難所」でこそ試される民主主義の真価である。

 

首相、改憲との関連否定 自衛官募集での自治体協力 - 東京新聞(2019年2月14日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201902/CK2019021402000135.html
https://megalodon.jp/2019-0214-1022-06/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201902/CK2019021402000135.html

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安倍晋三首相は十三日の衆院予算委員会で、憲法九条に自衛隊を明記すれば、新規自衛官の募集に自治体が協力するのかと問われると「憲法を変えればただちに(協力する)というわけではない」と答弁した。首相は自治体の六割以上が協力を拒否しているとして「憲法自衛隊と明記して違憲論争に終止符を打とう」と訴えている。首相が改憲しても状況はすぐに変わらないと認めたことで、説得力はさらに乏しくなった。 (上野実輝彦)
立憲民主党本多平直氏が「憲法改正するとどうなるのか」と尋ねたのに対して答弁した。首相は自治体の協力拒否について「多くの団体が自衛隊への抗議運動を展開し、自治体はトラブルを避けるためそういう(協力しない)対応を取っていることも推測される」と指摘。「自衛隊憲法に明記することにより空気は変わっていく」として、改憲すれば自衛隊への抗議も減り、協力する自治体も増えるとの見通しを示した。
本多氏は自衛官募集に関し「受験票の受理とか法定受託事務についてほとんどの自治体が協力している。でも、高校三年生の名簿を送ったら、住民から個人情報の観点からどうだという声が出るので、協力できないのでは」と指摘した。
東京都小平市は本紙の取材に名簿を提供しない理由について「個人情報の取り扱いを考慮した判断で、憲法の観点ではない」と話した。個人情報保護の観点から名簿を提供しない自治体はほかにもあるとみられる。防衛省は「(協力しない)自治体の個別の理由については回答できない」として、拒否された理由を明らかにしていない。
また、自治体の六割が協力しないとの発言について、本多氏は「ファクトでは全くない」と批判した。
募集は自衛隊法施行令に基づき、防衛相が各市町村に適齢者の名簿の提出を要求している。二〇一七年度は千七百四十一市区町村のうち、(1)36%が適齢者名簿を作り自衛隊に提出(2)34%は適齢者の名簿を作り自衛隊に閲覧を許可(3)20%が住民基本台帳の閲覧を自衛隊に許可しており、本多氏は「台帳を見せるのも協力だ。協力しない六割に入れるのはおかしい」と指摘した。
これに対し首相は「自衛隊員が(名簿を)書き写している。協力していないと考えるのが普通」と反論した。

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本多平直・立憲vs安倍晋三、後半エキサイト:2/13衆院・予算委

首相自衛隊発言 事実曲げ改憲説くとは - 東京新聞(2019年2月14日)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019021402000160.html
https://megalodon.jp/2019-0214-1023-27/www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019021402000160.html

安倍晋三首相は自民党大会で、党総裁として憲法九条改正に重ねて意欲を示したが、その理由に挙げた自衛官募集を巡る発言は事実誤認だ。いくら党の「悲願」とはいえ、事実を曲げてはならない。
安倍氏は九条について戦争放棄の一項と、戦力不保持の二項を維持したまま、自衛隊の存在を明記する改憲案を主張してきた。自衛官募集を巡る発言は、改憲の必要性を説く文脈で飛び出した。
「新規隊員募集に対して都道府県の六割以上が協力を拒否している悲しい実態がある」「皆さん、この状況を変えようではありませんか。憲法にしっかり自衛隊を明記して、違憲論争に終止符を打とうではありませんか」
憲法自衛隊の存在が明記されていないから自治体が隊員募集に協力しない、自衛隊の存在が明記されれば自衛官の募集も円滑に行われる、という論法である。
事実誤認も甚だしい。自衛官募集に使うため十八歳など適齢者名簿の提供を求める対象は全国の市区町村。「都道府県の六割以上」はそもそも誤りであり、首相も国会で発言を修正した。間違いはそれだけにとどまらない。
防衛省によると全国の千七百四十一市区町村のうち、二〇一七年度に適齢者名簿を提供した事例が約四割、市区町村が作った名簿や住民基本台帳防衛省職員が書き写した事例が約五割だった。
残る一割も自治体側が協力を拒んだわけでなく、適齢者が少ないと判断した自衛隊側が名簿などによらず、ポスターなど別の方法で募集しているのだという。つまり違憲を理由に協力を拒む自治体はほぼ存在しないことになる。
六割の自治体が協力していないというのは曲解も甚だしい。そもそも自治体側には自衛官募集のための情報提供の義務はない。誤った事実に基づいて改憲を主張するようなことが許されていいのか。
安倍氏はこれまでも改憲理由に「憲法学者の七割以上が自衛隊違憲と言っている」ことを挙げてきたが、政府は自衛隊を合憲の存在と認めてきた。改憲しなければ国民の権利や平穏な暮らしが守れない、という立法事実がないから、理由にならない理由をひねり出しているのではないか。
自衛官の採用が難しくなった主な理由は少子高齢化であり、景気の動向にも左右される。節度ある防衛力を整備するためにも自衛官の確保は課題だが、事実を曲げてまで、悲願の改憲に結び付けるような言動は厳に慎むべきである。

 

自衛官募集 改憲の理由にはならぬ - 朝日新聞(2019年2月14日)

https://www.asahi.com/articles/DA3S13891669.html
http://archive.today/2019.02.14-003123/https://www.asahi.com/articles/DA3S13891669.html

自衛官募集に自治体の協力が得られないから、憲法9条自衛隊の明記が必要だ――。
今年に入って安倍首相が言い出した改憲の根拠は、事実を歪曲(わいきょく)し、論理も破綻(はたん)している。首相の改憲論の底の浅さを、改めて示したと言うほかない。
首相は先の国会答弁や自民党大会での演説で、9条改正に関連し、自治体の6割以上が自衛官募集への協力を拒否していると強調した。しかし、これは明らかに事実に反する。
防衛省は採用活動に役立てるため、主に18歳と22歳の男女を対象に、住所、氏名、生年月日、性別の情報を「紙または電子媒体」で提供するよう自治体に要請している。
求め通りに名簿を提出したのは確かに約36%だが、約53%は住民基本台帳の閲覧や書き写しを認めている。これを加えた約9割が募集に協力しているとみるべきだ。
自衛隊法やその施行令に基づき、防衛相は自治体に協力を求めることはできるが、自治体側に応じる義務は定められていない。このため個人情報保護の観点から、閲覧にとどめているという自治体もある。
首相はきのうの国会で、自衛隊員が膨大な情報を書き写す作業が負担だとして、名簿提供以外は「協力していただけないと考えるのが普通だ」と述べた。個々の自治体の判断を軽んじ、国の都合を一方的に押しつけようとしている。
首相はまた、災害時に自衛隊が救援活動を行っていることを引き合いに、自治体の「非協力」を非難した。災害派遣を受けるなら募集活動に協力しろと言わんばかりだ。不見識きわまりない。
自衛官募集のために改憲をというのは飛躍がありすぎる。首相はきのう、9条に自衛隊を明記すれば、自治体が協力しないような「空気は大きく変わっていく」と述べたが、改憲で世の中の「空気」を変えようという発想は極めて危うい。
首相の改憲ありきのご都合主義は、いまに始まったことではない。
当初は憲法改正の発議要件を緩和する96条改正を掲げたが、支持が広がらないとみるや9条改正などに転じた。だが、教科書に「自衛隊違憲」と書かれているという主張も、実際には断定的な記述はなく、意見の紹介にとどまっている。
9条は戦後日本の平和主義の根幹をなす。その重みを踏まえた熟慮の跡もなく、事実をねじ曲げる軽々しい改憲論は、いい加減に慎むべきだ。

 

首相発言「自衛隊募集 都道府県6割協力せず」 名簿提出義務 自治体になし - 東京新聞(2019年2月13)

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201902/CK2019021302000147.html
https://megalodon.jp/2019-0213-0910-54/www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201902/CK2019021302000147.html

憲法九条に自衛隊を明記する改憲に絡み、安倍晋三首相が自民党大会で「都道府県の六割以上が新規隊員募集への協力を拒否している」と語ったことに対し、憲法学者や野党から疑問や批判の声が上がっている。首相発言は、適齢者の氏名や住所を記載した名簿の提供を念頭に置いているが、憲法学者は「情報提供は自治体の義務とはいえない」と指摘した。
自衛隊法は、自治体が自衛官募集に関する事務の一部を行うと規定。同法施行令一二〇条は、防衛相は自衛官募集に関し「知事または市町村長に対し、必要な報告または資料の提出を求めることができる」と定めている。防衛省は各市町村に適齢者名簿の提供を求め、得られた場合は自衛官募集のダイレクトメールを発送している。
首相は十二日の衆院予算委員会で、党大会での発言について「正しくは都道府県と市町村だ。自治体だ」と修正した。岩屋毅防衛相は記者会見で「市町村の約六割に協力いただけていないことは事実だ」と名簿提供は四割にとどまることを強調した。名簿提供を受けていない場合、自治体の住民基本台帳から適齢者の情報を得ていると説明した。
防衛省によると、全国の約千七百の市町村で、二〇一七年度に適齢者の名簿を作成して提供したのは約四割。市町村が名簿を作ったものの提供はせず、防衛省職員が手書きで写したケースが約三割。自治体は名簿を作らず、防衛省職員が住民基本台帳を閲覧して該当者を選んで書き写したケースが約二割。住民基本台帳から情報を得なかったケースは約一割だという。
独協大の右崎正博名誉教授(憲法・情報法)は自衛隊法施行令について「名簿の提供を義務付けているとは読めない。政府は都合良く解釈している」と指摘。「個人情報保護の観点からは、本人の了解を得ずに提供することには大きな疑問が残る。自治体が名簿提供を拒否しても間違っているとはいえない」と話した。
社民党又市征治党首は記者会見で「憲法改正自治体に協力を求めるためにやるんだと言わんばかりで、とんでもないフェイクだ」と述べた。 (村上一樹、上野実輝彦)

 

首相の自衛官募集発言 事実の歪曲で憲法語るな - 毎日新聞(2019年2月13日)

https://mainichi.jp/articles/20190213/ddm/005/070/070000c
http://archive.today/2019.02.13-001141/https://mainichi.jp/articles/20190213/ddm/005/070/070000c

また安倍晋三首相が憲法に関して奇妙なことを言い始めた。自衛官募集に協力しない自治体があるから憲法改正が必要だという論理だ。
首相は自民党大会の演説で「新規隊員募集に対して都道府県の6割以上が協力を拒否している」と語り、「憲法にしっかりと自衛隊と明記して違憲論争に終止符を打とうではありませんか」と呼びかけた。
都道府県の6割以上」というのは間違いだ。自衛官募集に使うため18歳など適齢者の名簿提供を求める対象は全国の市区町村だからだ。首相も国会で発言を修正した。
自衛隊法施行令は、防衛相は自衛官募集に必要な資料の提出を自治体に求めることができると規定する。ただ法令上、自治体側に名簿提供の義務はない。このため2017年度に紙や電子媒体で名簿を提供した市区町村は全体の36%にとどまる。
その代わり、名簿を提供していない自治体のほとんどが自衛隊側に住民基本台帳の閲覧を認めている。台帳を閲覧して氏名や住所を書き写す自衛隊側の手間はかかるものの、住民の個人情報について慎重な取り扱いが求められる自治体側の対応としては理解できる。
これを含めれば、自衛隊は9割の市区町村から個人情報の提供を受けていることになる。首相の言う「協力を拒否」は事実を歪曲(わいきょく)している。
首相発言について石破茂元防衛相は「憲法違反なので募集に協力しないと言った自治体は寡聞にして知らない」と語った。自衛隊憲法に明記したら自治体の協力が進むかのような首相の主張は詭弁(きべん)に等しい。
演説で首相は、地方自治体から災害派遣要請があれば命がけで出動するのが自衛隊だと強調した。だから自治体側は募集に協力すべきだというのも論理のすり替えだ。
全国的に自衛官の確保が難しくなっているのは事実だ。主な要因は少子高齢化であり、憲法ではない。自衛隊は採用年齢の上限引き上げなど地道な取り組みを続けている。
首相はこれまでも「憲法学者の7割以上が自衛隊違憲と言っている」ことを改憲理由に挙げてきた。事実関係のあやふやな根拠を立てて情緒に訴える論法は今回も同じだ。
一国の首相が事実をねじ曲げて憲法を語るべきではない。

 

政界地獄耳)原点まで後退した憲法改正論議 - 日刊スポーツ(2019年2月12日)

https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201902120000104.html
http://archive.today/2019.02.12-012406/https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201902120000104.html

★10日の自民党大会であいさつした党総裁(首相)安倍晋三憲法改正について「立党以来の悲願に取り組むときが来た。皆さんと決意を誓い合いたい」とし、憲法9条への自衛隊明記の意義について「都道府県の6割以上が新規隊員募集への協力を拒否している悲しい実態がある。この状況を変えよう。違憲論争に終止符を打とう」と演説した。同日、元防衛相・石破茂は「憲法違反なので協力しないと言っている自治体を私は知らない」とした。

★身内の会合でなら受け入れられるとばかり憲法問題に触れた首相だが、その環境づくりは全くと言っていいほど進んでいない。カウンターパートナーである立憲民主党憲法調査会長・山花郁夫との協議は進んでいない。1日、自民党憲法改正推進本部長・下村博文は日本記者クラブで会見し、憲法改正に関して「教育無償化など、9条よりも先に他党とまとまれるテーマがあれば、早く発議すべきだ」と言い出した。

★つまり憲法改正問題を自民党の原点にまで引き戻した。「これは憲法改正推進本部最高顧問・高村正彦の差し金だろう。政権は統計不正すらかわせるかどうかもわからない状態。党大会前に状況を説明したのだろうが、現実は何を改正するか、いつのタイミングかの議論の前に本当に改正できるのかまで後退している」(自民党ベテラン議員)。

★つまり現実は何が何でもやりたいができるのかという下村の発言通り。首相の演説もアリバイ作りでしかない。無論、参院選までは公明党も無理、野党は安倍政権での改正には反対。このままだと安倍後まで持ち越されてしまう。「参院選後からオリンピックまでの間のタイミングで一気に仕掛けたいがこればっかりは何とも言えない」(自民党中堅議員)。憲法改正は近年では一番失速しているといっていい。(K)※敬称略